資金繰りを維持して安定させることは事業において最重要の事項です。
今回は資金繰りと売掛金回収との関係について説明をします。
資金繰りの安定に売掛金回収は大きな関係があります。
目次
売掛金とは
最初に売掛金とは何かについて簡単に整理をしておきます。
飲食業などの現金商売とは異なり、実際には多くの事業では現金商売ではありません。
売上が発生してもすぐにその代金を現金や振込で回収するのではなく、後日、回収する販売方法が多くを占めています。
要するに製品や商品、サービスを掛売りで販売しているのです。
「月末締めの翌月末回収」という言葉がこの掛売りをよく表しています。
今月中の売上は今月末に締めて翌月末に回収するということです。
例えば今月が5月だとすれば5月1日から5月31日までの売上の代金は翌月末である6月末に販売先から回収するということです。
売掛金はこれから代金が入ってくるもの
この売上は発生しているものの、売上代金はまだ回収しておらずこれから回収されるものを売掛金と呼んでいます。
売上代金は資金繰りに必須のもの
事業を行うには仕入をしなければなりませんし、従業員に給与を支払う必要もあります。
さらに家賃や光熱費などの経費も必ず発生します。
これらの支払資金の元手はなにかといいますと、多くは売上代金です。
売上代金が入ってきて、それを仕入資金の支払や従業員への給与の支払いに充てるわけです。
このように売上代金は事業を行う上で必ず必要となる資金です。
資金繰りと売掛金回収との関係
仕入資金の支払や給与の支払に備えるため、なるべく早くその資金を手元に置いておきたいはずです。
支払の当日に手配をするわけにもいきません。
売上代金は早く入ってきてほしい
そのためなるべく早く売上代金を回収したいところです。
しかし販売先との取り決めにより掛売りとしている場合には、約束した日でないと売上代金を手にすることができません。
販売先が支払ってくれる日が長ければ長いほど売上代金が手元に入ってくるのが遅くなります。
これを売掛金で考えてみると、売掛金という姿である期間が短いほど手元に売上代金が早く入ってくるということになります。
売掛金である期間が長いほど資金繰りが苦しくなる
一例として月末締めの翌月末回収ではなく、月末締めの翌々月末回収の場合はどうでしょう。
月末締めの翌月末回収であれば5月の売上代金はは6月末に入ってきます。
ところが月末締めの翌々月末回収であれば5月の売上代金は6月末ではなく7月末となります。
1ヶ月も先になります。
つまり売掛金回収の時期が長ければ長いほどそれだけ手元に売上代金が入ってくるのが遅くなりますから、当然に資金繰りを圧迫することになります。
この間の支払は売上代金が使えませんから、別途手配をしなければならなくなります。
早期の売掛金回収が資金繰り安定の鍵
販売先との契約により簡単に売掛金回収の時期を短くすることは現実には困難です。
しかし販売先の中には約束した日になっても売上代金を支払ってこないこともあるかもしれません。
このような場合にはすぐに販売先に連絡をして売上代金を支払うように請求することが重要です。
販売先との関係に気を使わないといけないこともあるとは思いますが、約束した日に支払ってこない販売先はどうなんでしょうか。
また支払の請求をしないと販売先は安心をしてしまい、来月も支払が遅れる可能性があります。
こうなると売掛金回収の時間が長くなり当然に資金繰りを圧迫することになります。
支払が遅れた販売先には必ず当日、遅くとも翌日には連絡を入れて支払を請求しましょう。
支払ってこない販売先が悪いのです。
また多忙の余り、そもそも販売先に請求書を送付していないことも実際にはあります。
請求書を送付していなければ販売先は支払ってきません。
資金繰りを圧迫するだけです。
売上はその代金を回収して初めて売上と言えるものです。
販売先に請求書を送ることは重要事項であり、かつ資金繰りの安定には欠かせない事柄です。