資金調達余力という言葉をご存知でしょうか?
簡単に言えばあとどれくらい借入ができるかということです。
資金調達余力は資金繰りの確保を考えるうえで大切なことですし、銀行の融資現場でも注目しているポイントです。
資金調達余力とは
事業を行う上で資金繰りはもっとも重要な経営事項です。
「売上が増えた」「売上が減った」「黒字だった」「赤字だった」も重要なことですが、事業を継続するうえで最重要なことは資金繰りです。
とにかく資金繰りを維持しなけばなりません。
どれだけ売上が増えても、どれだけ利益が上がっても資金繰りが一時的にせよショートしてしまえば、その時点で事業は破綻してしまいます。
取引先からの信用を失ってしまい事業を継続することは事実上不可能となってしまいます。
資金調達余力とは資金繰りを維持するうえで、常に意識をしておいたいただきたいポイントです。
具体的な資金調達余力
では具体的に資金調達余力はどのように算出し、どのように考えれば良いのでしょうか。
資金調達余力とはさきほども案内しましたように「あといくら借入することができるのか」です。
銀行から融資が受けられれば資金繰りを維持することができます。
そのため資金調達余力とは銀行からあといくら借入することができるのかということになります。
それでは銀行からあといくら借入ができるのかはどのように考えればよいのでしょうか。
資金調達余力の2つの事項
それでは資金調達余力、つまりあといくら借入して資金繰りを補填することができるのかは2つの事項にてわかります。
この2つは銀行が「これであれば融資ができる」という観点からの基準となります。
担保余力
銀行は担保があれば融資に応じやすくなります。
したがって担保となるもの、つまり不動産や有価証券でまだ担保に入っていないものがどれくらいあるかを把握してください。
すでに担保に入れいている不動産であっても、例えば不動産の価値が5,000万円で担保の設定額が2,000万円である場合には、まだ3,000万円は担保としての価値がその不動産には残っています。
担保が残っている分は銀行から融資が受けられる可能性がありますから、資金調達余力として考えることができます。
信用保証協会の保証余力
信用保証協会についてはご存知のことと思いますが、銀行からの融資の保証人になってくる公的機関です。
公的機関である信用保証協会が融資返済の保証をしてくれるのであれば、銀行としても安心して融資を行うことができます。
信用保証協会の保証余力とはあとどれくらい信用保証協会が保証をしてくれるかということです。
信用保証協会の保証余力があとどれくらいかは信用保証協会に相談をすれば教えてくれます。
資金調達余力は銀行融資の審査ポイントの1つ
この資金調達余力は銀行での融資審査における可否判断の重要な材料の1つです。
資金調達余力があれば今回融資をした後に再び資金繰りが苦しくなったとしても、まだ借入する余力があればそれにて資金繰りを維持して返済を続けることが可能だと考えることができます。
そのため銀行での融資審査においてはこの資金調達余力が融資可否判断に大きな影響を与えているのです。