資金繰り

売上の回収期間を把握しましょう

資金繰りを改善する大きなコツの1つは売上が発生したらその代金を一日でも早く回収することです。
他の記事でも繰り返し説明していますが、飲食店や小売店など現金商売で事業を行っている場合には売上の発生とともに代金を現金として回収することが出来ます。
しかし多くの事業では掛売り、つまりツケで物やサービスを販売しています。
売上が発生してもその場で代金を現金で回収することはなく、月末とか翌月末など後日になって代金を回収することになります。
代金の回収が後になるからこそ、回収までの間の支払資金に頭を悩ますことになるのです。
したがって資金繰りを改善する手っ取り早い方法がなるべく早期に売上代金の回収をすることなのです。
ところでみなさんは自社の売上の平均回収期間を認識されていますか?
売上代金の回収期間は販売先ごとに個々に異なるとは思いますが、まずは平均の回収期間はぜひ認識したいところです。
もっとも個々の契約書を集めて平均を出すのは大変な作業となります。
しかし本当に簡単に売上の平均回収期間が把握できる方法があるのです。
そのキーワードは貸借対照表と平均月商です。

なお売上の平均回収期間のことを決算用語では売掛債権回転期間と呼んでいます

平均回収期間を算出しましょう

次の貸借対照表をご覧ください。
貸借対照表
③の受取手形・売掛金の欄をご覧ください。
金額は264,552千円ですね。
これが貸借対照表時点、つまり決算日時点(例えば3月31日)の受取手形及び売掛金(これらを総称して売掛債権と呼んでいます)の残高です。
言い方を変えますと決算日時点においてすでに売上は発生しているものの、まだ代金が未回収の残高です。
決算日を3月31日だとしますと3月31日以前に発生した売上でまだ代金が回収されていないものの残高が264,552千円ありますということです。
次にこの決算期の平均月商を確認してください。
平均月商は決算期間の売上高を決算月数で割ることで求めることが出来ます。
例えば売上高がちょうど10億円として決算期間が12か月だとすると、平均月商はおよそ83,333千円になりますね。
ここまで来ればもう売上の平均回収期間を算出することが出来ます。
売上の平均回収期間は次のとおりとなります。
売上の平均回収期間

平均回収期間には違和感はありませんか?

自社の売上の平均回収期間を算出してみてどうですか?
取引の実態と比べて違和感はありませんか?
個々の販売先との回収条件は契約によると思いますから決して同一ではないと思います。
そのため厳格に回収期間を算出しようとすると個々の契約を調べて個々の受取手形・売掛金の残高を調べる必要がありますから大変です。
その点、上記でご案内した方法は簡単に算出することが出来ると思います。実際に銀行の融資審査の現場でもこの方法により融資先の実態の把握材料として有効に活用しています。

ここがポイント

今回ご紹介した方法は簡易ではありますが、その根拠となっているのは決算書の数字です。
精緻ではないしても決算書の数字から導き出されたものですから信頼度が高いものと考えます。
(実際、銀行などの外部の者がこの数値に信頼を置いています)
仮に経営者の日頃の感覚から「長い」と感じられるのであれば、相対的に回収期間が契約で長い販売先との売上割合が増えているのかもしれません。
あるいはもしかしたら販売先宛の請求が漏れていたり日常的に遅れていたりしているかもしれません。
いずれにしても長いと感じる、そして時系列で算出をしてみて長期化している場合には資金繰りを圧迫している原因の1つです。

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