運転資金は事業を行うにあたり必ず必要となってくる資金です。
この運転資金が十分に確保されていないと資金繰りを維持することが難しく事業を継続して行うことはできません。
では運転資金はどれくらい必要なのかを知る方法を説明します。
目次
運転資金がどれくらい必要なのかを知る2つの方法
運転資金がどれくらい必要なのかは知る方法は2つあります。
1つは決算書の貸借対照表で知る方法、もう1つは資金の立替期間で知る方法です。
決算書の貸借対照表で知る方法
運転資金がどれくらい必要なのかを知る1つめの方法は貸借対照表で知る方法です。
この図は貸借対照表の一例です。
運転資金の関係する項目
貸借対照表において運転資金に影響してくる項目は左の資産項目の中の緑色の部分と右の負債項目の黄色の部分です。
貸借対照表の左の資産項目の緑色の部分、つまり受取手形・売掛金や製品・原材料などのいわゆる在庫はこれから手元の資金は入ってくる予定のものです。
これらの資金はいずれも売上代金として今後手元に入ってくるものです。
売上代金は仕入資金の支払や従業員への給与など経費の支払いにいずれも必要な資金です。
したがってまだ手元に入ってきていない売上代金はすべて運転資金として必要なものであり、貸借対照表の左の緑色の部分はすべて運転資金として必要なものとなります。
一方で貸借対照表の右の黄色部分は仕入代金の支払いに関する箇所ですが、これらは今すぐには支払う必要はなく今後支払う予定のものです。
今は資金は必要ではないということです。
したがって貸借対照表から運転資金がどれくらい必要なのかを知るには次の簡単な算式で導き出すことができます。
運転資金の算出式
貸借対照表から運転資金がどれくらい必要なのかを次の算式で計算をすることができます。
この計算式を使えば貸借対照表から運転資金がどれくらい必要なのかを簡単に知ることができます。
さきほどの貸借対照表にあてはめるとどれくらい運転資金が必要かは次の計算で知ることができます。
立替期間はどれくらい運転資金が必要なのかを知る方法
では2つめに立替期間でどれくらい運転資金が必要なのかを知る方法を説明します。
次の計算式をご覧ください。
売掛債権回転期間とは売上が発生しその代金が手元に入ってくるまでの期間です。
棚卸資産回転期間とは月商の何ヶ月分の在庫を保有しているかです。
そして買掛債務回転期間とは仕入に関する買掛金などを実際に仕入をしてから現金で払うまでの期間です。
売掛債権と棚卸資産はこれから売上代金として資金が手元に入ってくるものであり、いずれも運転資金として必要なものです。
一方で買掛債務は今後支払う必要があるものの、現時点ではまだ支払う必要がありませんから運転資金としては必要ではないものです。
立替期間とは運転資金が必要な時間です。
この期間が運転資金として必要な期間であり、月商対比で何ヶ月分かで考えます。
以上から上記の計算式にて運転資金がどれくらい必要なのかを知ることができるのです。
運転資金がどれくらい必要なのかを知る方法のまとめ
以上、運転資金がどれくらい必要なのかを知る方法をまとめますと次のようになります。
まとめ
・1つは貸借対照表から運転資金がどれくらい必要なのかを知ることができる
・もう1つは資金の立替期間で運転資金がどれくらい必要なのかを知ることができる