信用保証協会保証付融資は中小企業や個人事業主の多くが利用している銀行からの融資です。
しかし業績の悪化などで信用保証協会保証付融資の返済が苦しくなることもあるでしょう。
信用保証協会保証付融資の返済が苦しくなった場合の正しい対応方法を説明します。
目次
信用保証協会の返済に関する質問
有限会社を経営しているものです。
3年ほど前に制度融資で信用保証協会の保証付にて銀行から1,000万円の借入を行いました。
その後業績悪化のため毎月の借入返済が難しくなってきました。
毎月の返済額を減額してもらえるよう交渉を行うと思っているのですが、交渉窓口は借入先の銀行になるのでしょうか?
それとも信用保証協会になるのでしょうか?
相談窓口は銀行
相談窓口は借入先の銀行になります。
信用保証協会ではなく融資を受けている銀行となります。
相談方法
では具体的に銀行にどのようにして信用保証協会保証付融資の返済に関する相談を行えば良いのでしょうか。
返済が苦しくなった理由を説明
まずは返済が苦しくなった理由を銀行に説明をしてください。
決算書は毎期銀行に提出していると思いますから、今期の最近の試算表を提出してください。
業績と資金繰りの今後の見込み
返済が苦しくなった理由を説明した後は、今後の業績と資金繰りの見通しについて銀行に説明をしてください。
説明を受けた銀行では資金繰りを維持するためにどのような方法が最適なのかを検討します。
追加融資かリスケか
取引先の業績や資金繰りの今後の見通しを踏まえて銀行は追加融資により当面の資金繰りを安定させるか、それともリスケ(返済方法変更)により資金繰りを安定させるかを検討することとなります。
追加融資ではなくリスケ(返済方法変更)にて資金繰りを安定させる場合には次のステップに進んでいきます。
リスケは全ての融資が対象
リスケ(返済方法変更)は今回の信用保証協会保証付融資だけではなく、すべての借入をリスケすることが前提となります。
すべての借入とはその銀行のすべての借入だけではなく、他の銀行に借入がある場合にはその借入もリスケ(返済方法変更)することが条件となります。
したがってリスケ(返済方法変更)により資金繰りを安定させる方法を行う場合には、他のすべての銀行にリスケ(返済方法変更)の申し入れを行うように案内がされます。
リスケ(返済方法変更)の内容は利息のみの支払にする場合や一定の金額は返済するなどいろいろとありますが、その条件はすべての銀行からの借入に同条件で行うことが原則です。
「この借入だけは今まで通り返済を続ける」といったことは認められません。
返済方法の申し込み手続き
リスケ(返済方法変更)は返済方法を変更することですから、信用保証協会保証付融資の場合には信用保証協会の認可を取得する必要があります。
信用保証協会への返済方法変更手続きは銀行経由で行います。
銀行経由にて信用保証協会に「条件変更依頼書」を提出することとなります。
そして信用保証協会が返済方法の変更を認可すれば、銀行にて融資の「条件変更契約書」を締結し、これで返済方法の変更手続きは完了となります。
信用保証協会の返済が苦しくなった場合の対応方法まとめ
以上、信用保証協会の返済が苦しくなった場合の対応方法をまとめますと次のようになります。
信用保証協会の返済が苦しくなった場合のまとめ
・業績や資金繰りが苦しくなった理由を説明する
・今後の業績と資金繰りの見通しを説明する
・返済方法変更(リスケ)を行う場合には銀行経由で信用保証協会に返済方法変更の申し込みを行う
・返済方法変更(リスケ)はすべての取引銀行の借入に対して行う必要がある
・信用保証協会が認可すれば融資の条件変更契約手続きを行う