設備投資は製造業をはじめとして事業を行っていくうえで必要不可欠なことです。
ただし設備投資は一般的に金額が多額になることが多く、状況によっては資金繰りに大きなマイナスをもたらします。
設備投資における資金繰りの考え方について説明をします。
目次
設備投資が資金繰りに与える影響
事業活動において売上を増やしたり利益を獲得したりすることはもちろん大切なことですが、日々の事業活動においてもっとも大切なことは絶対に資金繰りをショートさせないということです。
資金繰りがショートしてしまえば、仕入代金を支払えない、従業員に給与を支払えない、銀行に融資の返済ができないなど一気に信用不安をもたらします。
そしてほとんどのケースでは資金繰りがショートしてしまえば、その時点で事業は破綻、つまり倒産に至ってしまいます。
設備投資の注意点
資金繰りの管理において設備投資は大きな影響を与えます。
資金繰りとの関係において設備投資の注意点は次の2つとなります。
設備投資の注意点
・設備投資は資金の固定化につながり、長期的に資金繰りにはマイナスとなる
設備投資は多額となる
一般的に設備投資は多額の資金を必要とします。
そのため設備投資における資金計画は慎重に行わないと資金繰りに重大なマイナスをもたらします。
もっとも避けたいところは運転資金として必要な資金までも設備投資に投入してしまうことです。
運転資金として必要な資金までも設備投資に投入してしまえば、その後の仕入代の支払や従業員の給与などの経費支払いに大きくしわ寄せがきてしまい、運転資金の確保に四苦八苦する事態を招きかねません。
設備投資は一度に多額の資金が必要となる
設備投資は資金の固定化につながる
例えば設備投資として合計1,000万円の製造機械を購入したとしましょう。
購入した製造機械によってこののち長期間にわたって製品を製造し事業の貢献することとなります。
つまり製造機械によりすぐに1,000万円の売上や利益が獲得できるものではなく、長期間にわたって売上や利益を獲得する源泉となるのが設備投資なのです。
このため設備投資に投入した資金はすぐに回収できるのではなく、今後長期間にわたって少しずつ回収されていることとなります。
そのため設備投資に投入した資金は固定化し、資金繰りを圧迫する要因となるのです。
設備投資に投入した資金は固定化する
設備投資をする際に正しい資金繰りの考え方
設備投資をする際にはその後の資金繰りの悪影響を及ぼさないようにすることが大切です。
手元に資金の余裕があるからといって、ただちにそれを設備投資に投入することは避けましょう。
手元の資金を慎重に分析し、運転資金として備えておきたい資金は控除してそしていくら手元の資金に余裕があるのかを見定めることが大切です。
設備投資は融資にて別途調達する
運転資金として備えておきたい資金を控除しても十分な手元資金がある場合には、その手元資金を設備投資に投入しても資金繰りには悪影響を及ぼすことはないでしょう。
しかし手元資金にそれほど余裕がない状態では、手元資金を設備投資に投入すると資金繰りに悪影響を及ぼします。
このような場合には銀行から設備投資の融資を受けるなどして設備投資に要する資金は別途調達することを検討しましょう。
銀行からの設備資金融資の期間は比較的長期の融資となりますから、毎月の返済負担もそれほど多くはなりません。
そのため設備投資の返済が資金繰りに大きな負担になることも少ないでしょう。
設備投資は融資などで別途手配をすることが資金繰りの考え方において大切なことです。
設備投資における資金繰りの考え方 まとめ
以上、設備投資における資金繰りの考え方をまとめますと次のようになります。
まとめ
・運転資金として必要な資金を設備投資に使ってしまうとその後の運転資金の資金繰りに間違いなく四苦八苦することとなる
・設備投資に要する資金は出来れば融資などで別途調達をし、資金繰りに悪影響を及ぼさないようにすることが重要