銀行から融資を受ける時に担保が必要だとか、担保はなくても融資が受けられるなどいろいろな話があります。
実際のところ融資と担保との関係はどうなのかを説明します。
融資における担保の意義
銀行では融資を行う前には必ず審査を行います。
銀行では融資審査で何をしているかと言いますと、いろいろな切り口で審査を行っているわけですが突き詰めれば貸した融資がきちんと返済されるかどうか、融資先の返済能力を審査しているわけです。
しかし融資審査時には返済能力に問題はないと考えても、融資後の景気の変動などの影響で融資先の業績が悪化し返済に懸念が持たれる状況になることもあります。
融資後の状況は将来のことですから銀行を含めて正確に予測することは困難です。
したがって融資審査時には大丈夫だと思っていても、その後に返済が滞る事態も当然あり得ることです。
担保が万が一に備えた保全
融資の返済が滞り、最終的に貸倒となればそれは銀行の損失に直結します。
銀行も収益を獲得しなければなりませんから、いたずらに貸倒が発生し損失を被ることは絶対に避けたいところです。
ここに担保の存在意義があります。
つまり予測不可能な将来の万が一の場合にも融資が回収できる対策、つまり保全を確保しておくことが銀行経営上重要なこととなります。
将来の万が一の場合にも融資が回収できる手段として担保を銀行は取得をするのです。
担保の前にまずは返済能力の有無
将来が予測不可能なことは融資案件のすべてに該当します。
では銀行は融資において必ず担保を取るのかと言えば、実際はそうではありません。
無担保での融資も銀行は数多く実行をしています。
ここでよく勘違いされるのですが、担保があれば銀行は必ず融資をしてくれるのかと言えば実はそうではありません。
銀行融資の審査の第一は融資先の返済能力です。
まずは融資先がきちんと返済出来る能力を持ち合わせているかどうかということです。
したがって担保の有無は二の次になります。
10年先、20年先のことはわからなくても3年先、5年先の融資先の状況はある程度予測がつきます。
返済能力が十分と認められれば、3年や5年の融資においては無担保でも銀行は融資を行うのです。
担保の融資への効果
ただしどれだけ返済能力が十分と認められ、融資期間が3年や5年であってもやはり確実に3年間や5年間は大丈夫だとは銀行も考えることができません。
そのため無担保扱い融資は融資先の状況毎に一定の金額制限を設けていることが多いです。
無担保融資の限度額を超えて融資に応じるには、やはり担保が必要となります。
逆の言い方をすると担保があれば、より多くの融資が検討できるということです。
銀行融資の現場では「担保があるからいざという時も大丈夫」という判断が働き、より多くの融資に銀行は応じやすくなります。