銀行融資の基本 資金繰り

運転資金は何ヶ月分必要なのか?

運転資金は事業を継続するうえで絶対に欠かせない資金です。
運転資金が不足すると事業が継続できなくなるばかりではなく、資金繰りがショートし事業が破綻してしまう可能性すらあります。
重要な運転資金ですが、ではどれくらい運転資金は必要なのかおわかりですか?
ここでは月の売上の何ヶ月分、運転資金があれば安心なのかを説明します。

運転資金とは

まず運転資金とは何かを簡単に整理しておきましょう。
ここでは例としてある製造業のケースにて運転資金とは何かをお金の流れにて説明をします。
運転資金とは
製造業を製品を製造してそれは販売する事業形態です。
製品を製造するにはまずは原材料が必要です。
そのために手元にあるお金を使ってまずは原材料を購入します。
この時点で手元のお金は原材料に姿を変えました。
そしてその原材料を使って製品を製造します。
この時点でもともとは手元のお金であった原材料は製品、つまり在庫に姿を変えます。
そのうえで今度はその製品を販売し、販売先から売上代金を回収することで手元にお金が入ってきます。
つまり当初の手元のお金は売上代金を回収することでようやく再び手元に戻ってきます。
したがって当初手元にあったお金は原材料に姿を変えてから売上代金を回収するまでの間は手元にはありません。
しかし手元にお金がない間にも従業員への給与の支払や電気代、ガス代、家賃などの経費の他に次の製造のために別の原材料の仕入などが必要なはずです。
この手元にお金がない間にも必要となってくる資金のことこそが運転資金です。
売上代金はそもそも従業員への給与の支払などの経費や次の仕入などに必要なお金だと言えますから、売上代金はすべて運転資金として必要なお金だとも言えます。

運転資金は何ヶ月分必要なのか?

このように必要な運転資金はどれくらいあれば良いのか。
どれくらいの運転資金が必要なのかを把握する上では1つの物差しがあると便利です。
その物差しになるのが月商、つまり1ヶ月あたりの平均売上高です。
キーワードとなるのは【売掛期間】【在庫期間】【買掛期間】の3つです。
この3つの【売掛期間】【在庫期間】【買掛期間】にて運転資金が何ヶ月分必要なのかがわかります。
決して難しくはありません。
簡単です。

売掛期間とは

売掛期間とは製品を販売して代金を回収するまでの期間のことです。
売掛期間がどれくらいなのかを1つの例にて説明をします。
例としては今月販売したものを翌月末に振込にて販売先から回収するものとします。
1月に販売をしたものを2月末に回収するということです。
この場合の売掛期間はもっとも長い売掛期間ともっとも短い売掛期間の平均で算出をします。
もっとも長い売掛期間は月初に販売、つまり1月1日に販売をして翌月末、つまり2月末に代金を回収するパターンです。
1ヶ月を30日としますと、1月1日から2月末までは60日です。
これがもっとも長い売掛期間です。
次にもっとも短い売掛期間は1月末に販売をして2月末に回収するパターンです。
もっとも短い売掛期間は30日となります。
したがって平均の売掛期間は60日と30日の平均、つまり45日ということになります。
45日ですから1.5ヶ月です。
ここで売掛期間は1.5ヶ月と出ました。

在庫期間とは

在庫期間とは月の平均売上のどれくらいの在庫量があるかということです。
仮に次の平均売上が1,000万円だとします。
そして在庫量を調べたところ2,000万円相当の在庫量となったとします。
すると在庫期間は2ヶ月ということになります。
在庫期間は在庫量を調べれば比較的簡単に算出をすることができます。

買掛期間とは

買掛期間について説明をする前にまずは買掛ということについて簡単に説明をします。
さきほどの製造業の例で製品を製造するために原材料を購入しなければならないと説明をしました。
原材料の購入方法は現金ですぐに支払う方法もありますが、一般的に多いのはツケで購入するパターンだと思います。
例えば今月に購入した原材料の代金は翌月末に支払うといったパターンです。
このツケで購入することを買掛と呼んでいます。
したがって買掛期間とは原材料等を仕入してその代金を支払うまでの期間のことです。
買掛期間がどれくらいになるのかをやはり例を出して説明をします。
ここでもさきほどの売掛期間と同じように今月に仕入したものは翌月末に振込で支払うものとします。
1月に仕入したものは2月末に仕入代金を支払うということです。
この場合の買掛期間はさきほどの売掛期間と同じようにもっとも長い買掛期間ともっとも短い買掛期間の平均で算出をします。
もっとも長い買掛期間は月初に仕入、つまり1月1日に仕入をして翌月末、つまり2月末に代金を支払うパターンです。
1ヶ月を30日としますと、1月1日から2月末までは60日です。
これがもっとも長い買掛期間です。
次にもっとも短い買掛期間は1月末に仕入をして2月末に仕入代を支払うパターンです。
もっとも短い買掛期間は30日となります。
したがって平均の買掛期間は60日と30日の平均、つまり45日ということになります。
45日ですから1.5ヶ月です。
ここで買掛期間は1.5ヶ月と出ました。

運転資金の必要額

さて、売掛期間、在庫期間、買掛期間がそれぞれ1.5月、1ヶ月、1.5ヶ月と出ました。
ここまで来れば運転資金が何ヶ月必要なのかがわかったとの同じです。
次の計算式をご覧ください。
所要運転資金算出式
売掛期間と在庫期間はこの間は手元にお金が入ってきていない期間です。
つまり手元にお金がない期間です。
一方の買掛期間は支払日がまだ先で手元にはまだお金が残っている期間です。
そうすると純粋にお金がない期間は売掛期間と在庫期間の合計期間から買掛期間を引いた期間となります。
この純粋にお金がない期間のことを立替期間などと呼んでいます。
この立替期間こそが運転資金が何ヶ月分必要なのか、まさにその何ヶ月に相当する股間のことです。
今回の製造業の例では売掛期間が1.5ヶ月、在庫期間が1ヶ月、買掛期間が1.5ヶ月ですから、立替期間は月商の1ヶ月分ということになります。
つまり運転資金が何ヶ月分必要かと言えば、それは1ヶ月分ということになります。
したがって運転資金としては平均して月商の1ヶ月分が必要となりますから、最低限の月商の1ヶ月分の資金が手元にあるように資金繰りを管理していくことが重要なことになります。
1ヶ月分だけでは心もとないので1.5ヶ月分、あるいは2ヶ月分程度の運転資金の資金を手元に置いておくと資金繰りは安心して事業を行うことができるのではないでしょうか。

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