短期借入金は借入期間が1年以内、長期借入金は借入期間が1年超のものです。
金利について短期借入金と長期借入金の違いとなぜ短期借入金と長期借入金では金利が違うのかを説明します。
短期借入金とは
短期借入金とは短期間の資金需要に対する借入金のことです。
いくつか例を挙げますと、
・売上代金回収までのつなぎ資金
・賞与を支給するために賞与資金
・税金を納付するための納税資金
などが短期借入金の代表例です。
短期借入金は借入期間が6ヶ月程度が中心であり、最長で1年以内が短期借入金の借入期間となります。
さきほどの売上代金回収までのつなぎ資金のケースですと、売上代金が回収される時期は来月とか数ヶ月先となると思いますから、このような資金需要に対しては短期借入金を利用することになります。
長期借入金とは
短期借入金に対して長期借入金は長期間の資金需要に対する借入金のことです。
例としては設備投資をするための設備資金借入は長期借入金の代表例です。
設備投資は一般的に金額が多額となりますし、この先長期間にわたって事業に収益をもたらす性格のものです。
したがって設備投資の借入金は長期借入金にて対応することが多いと言えます。
長期借入金は借入期間が1年超のものとなり、2年、3年といった比較的期間が短い長期借入金もあれば、10年以上という借入期間が長い長期借入金もあります。
金利とは
短期借入金と長期借入金の金利の違いについて説明をするまでに銀行にとって借入金の金利とはどのような性格のものかを整理しておきます。
銀行にとって金利は収益源の大きな1つですが、金利については収益源ということの他に別の側面があります。
この金利の別の側面が短期借入金と長期借入金の違いになってあらわれてきます。
金利は融資リスクの対価
この金利の別の側面とは融資リスクの対価という側面です。
融資には必ず焦げ付き、つまり貸倒リスクがつきまといます。
万が一、貸倒が発生すると最終的にそれは銀行の損失ということになります。
実際に1つの貸倒で損失が発生すると、その融資から今まで得られていた金利収益は一度に吹き飛んでしまいます。
貸倒リスクは融資先の信用力の高低によって左右されます。
業績が順調な融資先については貸倒リスクは低いと考えることができます。
これに対して赤字決算が続いているなど業績が不振な融資先については貸倒リスクが高いと考えることができます。
貸倒というのは銀行にとってはコストですから、コストが高いとそれだけ金利を高くとらないと採算が確保できません。
逆にコストが低ければ低い金利でも採算が確保できます。
つまり金利というのは貸倒リスク、融資リスクの対価の側面があるのです。
短期借入金と長期借入金のリスクの比較
では短期借入金と長期借入金を比較した場合、どちらが貸倒リスクが高いでしょうか。
短期借入金は比較的すぐに銀行に融資が返済されるものです。
これに対して長期借入金は長い年月を経てようやくすべての融資が銀行に返済されるものです。
当然、時間が長いほど将来の見通しを正確に捉えることは難しくなるはずです。
融資先も今後業績が変動することも十分あります。
そのため融資は短期借入金よりも長期借入金の方が銀行の貸倒リスクが高いと言えます。
そのため貸倒リスク、融資リスクを反映した側面を持つ金利は短期借入金よりも長期借入金の方が高くなる傾向があるのです。