根抵当権の被担保債権が知らぬ間に増えた

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◆質問

私の妻は、零細企業を経営していたものですが、現在は、後継者に会社を譲り、まったく経営に関与していません。
妻は、経営者時代に、ある取引銀行との間で、妻個人の不動産に根抵当権を設定していました。
妻が経営から離れた段階で、銀行側に根抵当権の抹消をお願いしましたが、残高があるためとのことで、抹消には応じてくれませんでした。

ただ、妻が把握していた限りでは、その銀行に対する会社の借入は、根抵当権の極度額よりも少なくなっているはずでしたから、確定請求をしようと思っていました。
ところが、実は、妻の退任後、銀行は会社に追加融資をしており、実は、極度額以上の借入がなされていることが判明しました。

追加融資については、会社からも銀行からも一言も連絡がありませんでした。
銀行は、妻が経営から外れていることは知っていました。
それにも関らず、妻に断りもなく、追加融資をし、妻の根抵当権の被担保債権額を無断で増やすようなことが許されるのでしょうか。

妻は経営から外れており、銀行もそのことを知っていたのですから、少なくとも、妻に一言、承諾を得るべきではないのでしょうか。
無断でなされたことを理由に、銀行に追加融資分については、根抵当権の範囲外だと主張することはできるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。





◆回答

銀行側の理屈としては、
・根抵当権は将来を含む債務者の一切の債務を担保するもの
・追加融資にあたってはいちいち担保提供者の同意を取り付ける必要はない
・そもそも担保提供者は上記のことを承知してその地位についているはず
といったところです。

根抵当権というのはその設定極度までは担保するという性格のものですから、その担保価値を考慮して銀行が債務者に追加融資すること自体はよくあることで、それ自体は問題がないことです。
そしてその際、債務者に追加融資を行う際に、根抵当権の提供者に連絡することは銀行融資の実務においてはありません。
根抵当権の担保提供者は最初からそのことを承知の上で、担保設定を受けているというのが銀行の考えです。

ただし今回の場合には、その前に奥さん、つまり担保提供者から根抵当権の解除の意向を銀行に示しています。
したがって銀行としては追加融資を行う際には、担保提供者に事前に知らせることを義務ではないにしても、行うべきだと私も思います。
銀行の注意義務と言えるものかもしれません。
根抵当権の解除を銀行に相談され、無理との返事が来た時点で速やかに確定請求をしておけば良かったかもしれません。

根抵当権が有効に存在している以上は、銀行に追加融資の無効を主張し銀行がそれに応じることは難しいと思いますが、今後のこともありますので、奥様と会社と銀行と一度三者で話し合いをもたれるのが宜しいかと思います。





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