個人事業主が住宅ローンを申し込む場合には収入を示す資料として確定申告書が必要となります。
住宅ローンの審査と確定申告書との関係について説明をします。
目次
住宅ローンの審査項目一覧
この図は銀行で行われている住宅ローンの審査項目を一覧にしたものです。
この中で確定申告書が関係をしているのはもちろん1の年収です。
銀行が年収に求めるもの
住宅ローンの審査において銀行が年収に求めるものは、もちろん年収の大小もありますがそれよりも年収の安定性を強く求めます。
住宅ローンは超長期のローン
住宅ローンはローン期間が20年とか30年とか、とにかく超長期のローンです。
この長期にわたって住宅ローンを返済してもらわなければなりません。
これだけ長い間、住宅ローンをきちんと毎月返済をしてもらうには何よりも収入が安定していることが絶対条件です。
収入が年によって大きく異なるなど不安定であれば、安定して住宅ローンをきちんと返済ができるかどうか懸念を持たざるを得ません。
そのため年収に対しては銀行は年収の大小よりも、現在の年収水準の安定性を第一に求めるのです。
源泉徴収票と確定申告書
年収を示す資料には源泉徴収票と確定申告書が代表的なものです。
源泉徴収票は主に会社員などの給与所得者が住宅ローンの申込時に提出するものです。
これに対して確定申告書は主に個人事業主が提出をするものです。
年収状況を示す意味では同じ源泉徴収票と確定申告書ですが、提出する枚数に差があります。
源泉徴収票は1年・確定申告書は3年
源泉徴収票は原則として直近の1年分だけの提出が求められます。
これに対して確定申告書は原則として直近の3年分の提出が求められます。
この違いは収入の安定性に対する見方の違いです。
源泉徴収票を提出する会社員などの給与所得者は比較的毎年の収入は安定していると言えます。
もちろん年によって変動がありますが、大きく変動することは少ないと言えます。
これに対して確定申告書を提出する個人事業主の場合には年によって収入が大きく変動する可能性があります。
このため個人事業主から提出を受ける確定申告書は直近の1年分だけではなく、3年分の提出を求めます。
そしてその平均を住宅ローンの審査時に使用する年収として銀行は考えます。
確定申告書は収入ではなく所得
源泉徴収票で使われる年収は税引き前の収入が住宅ローンの審査では使用されます。
これに対して確定申告書の場合には収入ではなく所得を年収として住宅ローンの審査時に使用しています。
確定申告書における収入は一般企業でいえば売上高に相当するものです。
売上高をそのまま収入とは考えることは困難です。
個人事業主として自分のお金として使うことができるのは、売上高から原価や経費を差し引いて残った所得です。
したがって住宅ローンの審査時においては確定申告書では収入ではなく所得を年収として審査が行われます。
住宅ローンの審査と確定申告書との関係のまとめ
以上、住宅ローンの審査と確定申告書との関係をまとめますと次のようになります。
住宅ローンの審査と確定申告書まとめ
・確定申告書で審査に使われるのは収入(売上高)ではなく所得
・3年分の所得の平均をその人の収入として住宅ローンの審査が行われる