各地方公共団体では地元の事業者を応援するために制度融資が設けられています。
制度融資は各都道府県及び各区市町村でそれぞれ設けられています。
都道府県の制度融資と区市町村の制度融資のどちらが厳しいかという質問です。
目次
県と市のどちらの制度融資がおりやすいかという質問
神奈川県横浜市で事業を営んでいる個人事業主です。
県か市かどちらかに制度融資の相談に行こうと思っています。
県と市とどちらが融資が厳しいのか、おりやすいのかということはあるのでしょうか?
制度融資とは
制度融資とは各地方公共団体が地元の事業者を応援するために有利な条件で融資が受けられるようにしている制度です。
利子を補給したり、制度融資の金利をそもそも低く設定して地元の事業者が通常よりも有利な条件で融資が受けられるようにしています。
制度融資の審査は誰がする?
ところでこの制度融資ですが実際に融資をするのは県や市ではありません。
実際に制度融資を実行するのは銀行などの金融機関です。
この点においてよく誤解があるのですが県や市は制度融資を直接実行するわけではありません。
制度融資を実行するのは銀行などの金融機関です。
制度融資を実行するのは県や市ではなく銀行などの金融機関
県や市の役割
では制度融資を設けている県や市はどのような役割をするのでしょうか。
県や市の役割は2つあります。
1つ目は制度融資の制度設計です。
どのような制度融資とするのかその内容を県や市が決定をしています。
2つ目は銀行などの金融機関への融資のあっせんです。
地元の事業者から制度融資の相談を受け、銀行などの金融機関に制度融資のあっせんを行うのが県や市の役割です。
制度融資における県や市の役割は制度融資そのものの制度設計と金融機関への融資あっせん
県や市は制度融資の審査を行わない
県や市や地元の事業者から制度融資の利用の相談を受け、その事業者が制度融資の利用資格を満たしているかどうかの確認にとどまります。
制度融資の利用資格とは地元で一定年数以上の継続した事業実績があるかどうかとか、税金をきちんと納付をしているかどうかなどの確認にとどまります。
制度融資をきちんと返済ができるかどうかの融資本来の審査は県や市は行いません。
県や市は事業者が制度融資をきちんと返済できるかどうかという融資本来の審査は行わない
融資本来の審査は金融機関や信用保証協会が行う
制度融資がきちんと返済できるかどうかという融資本来の審査は銀行などの金融機関と信用保証協会が行います。
制度融資は信用保証協会の保証制度を利用したものとなっていますから、銀行などの金融機関に加えて信用保証協会も融資審査を行います。
県と市とどちらが融資がおりやすいということはない
融資本来の審査は銀行などの金融機関や信用保証協会が行うということは、県と市とどちらが制度融資がおりやすいかということは意味がないのです。
なぜならさきほども説明をしたように県や市は融資本来の審査を行わないからです。
そして本来の融資審査を行う銀行などの金融機関や信用保証協会は県の制度融資か市の制度融資かによって審査の難易度に差がまったくありません。
したがって制度融資は県と市とどちらがおりやすいかということは関係ないのです。
制度融資は県と市とどちらがおりやすいかのまとめ
以上、制度融資は県と市とどちらが融資がおりやすいのかをまとめますと次のようになります。
まとめ
・県や市は制度融資を実際には実行しない
・制度融資を実行するのは銀行などの金融機関
・制度融資の本来の融資審査は金融機関と信用保証協会が行う
・そのため県と市とどちらの制度融資がおりやすいかということはない