資金繰り 銀行融資の基本

借入の本数は少なくしましょう

資金繰りを圧迫する原因の一つに毎月の借入金の返済があります。
借入金の返済額は借入金額と借入期間によって決まります。
当然なことですが、借入金額が多いほど返済額は大きくなりますし、借入期間が短いほど返済額は大きくなります。
基本的に借入金額と借入期間の2つの要素で返済額が決まるわけですが、実はもう1つの要素があります。
それは借入の本数です。

借入を繰り返した結果

次の表をご覧ください。
借入明細
この表はある中小企業の銀行からの借入明細です。
現在、全部で5口の借入をしており毎月の返済額合計は1,114千円、年間では13,368千円の返済額となっています。
この会社は当初、一番上の1,000万円の借入を受けました。
その後、資金繰りが苦しくなってきたために2番目の1,000万円の追加借入を受けました。
以降、同じような理由で借入を繰り返し、現在では全部で5口の借入を抱えているわけです。
最初の1口目の借入では毎月の返済額は278千円だけだったのですが、その後に追加借入を繰り返したために現在では合計で1,114千円まで増加してしまいました。

追加借入の仕方を工夫しましょう

同じ表ですが、次の赤丸で囲んだ部分に注目してください。
借入明細
この会社は合計5口の借入、つまり1,000万円の借入3口と500万円の借入2口、合計4,000万円の借入を受けたわけですが、現在残高は21,078千円になっています。
ちなみに21,078千円を5口の借入と同じ期間の3年で借入したとすると、毎月の返済額はおよそ586千円となります。
現在の毎月1,114千円のおよそ半分の返済額となります。
このことでわかることは借入口数が多くなると返済額が多くなりますから、なるべく借入口数を増やさない借入の仕方を選択するということです。
例えば借入している銀行にこの5口の借入を現在残高の21,078千円で組みなおしてほしいと相談してみるのです。
銀行側の判断がありますから必ず実現するとは言えませんが、銀行融資の実務においては複数の借入を1口にまとめることはよくあることです。
私も数えきれないほど複数の借入を1口ないしは数口に集約する手続きを実務において行っています。

またそもそもですが2口目の借入を相談する際には前の借入とまとめて1口にしてほしいと銀行に申し入れをしてください。
その際には返済額をなるべく増やしたくない旨を伝えていただいてまったく構いません。
このこと自体を銀行が「返済が苦しいのか」などとネガティブにとらえることはありません。
これももちろん銀行側の判断がありますから必ずその通りになるとは言えませんが、よく銀行が行っている実務です。

資金使途の種類によってはまとめられないものもある

上記のように複数の借入の口数を1口ないしは数口にまとめることはよくあることですが、まとめられる前提として同じ資金使途の借入でないといけません。
ずばり資金使途が運転資金のものが口数をまとめる対象となります。
設備資金の借入は対象外です。
したがって運転資金の借入と設備資金の借入をまとめることはできません。
また設備資金同士をまとめることは出来ません。
設備資金はその設備投資によって生み出される収益によって返済することが立て付けとなっていますから、それを組みなおして設備資金の口数をまとめるということはそもそも収益によって返済が出来ないということになり、これは銀行としてはネガティブな情報になります。
資金使途が運転資金の借入を1口ないしは数口にまとめることは銀行としてネガティブな捉え方はしません。
そしていわゆる返済条件変更、つまりリスケにも該当しません。
返済額が少なくなるということは借入金の残高が減っていくピッチが落ちるということでありますが、手っ取り早く資金繰りを改善する手法の1つです。



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