売上代金や工事代金が今までよりも入ってくるのが遅くなる・・・。
これは売上債権回転期間が長期化の現象ですが、資金繰りが苦しくなる大きな要素です。
事例を交えて売上債権回転期間が長期化すると資金繰りが苦しくなる現象を説明します。
目次
売上債権回転期間の長期化に関する質問
小さい建設業の会社を経営しています。
建設業と言っても下請けです。
ここ最近は仕事があるのですが元請けさんから支払ってもらえる代金のタイミングが遅くなっています。
何か元請けさんの支払サイトが毎回長くなっているような気がしています。
そのためか仕事があるのに資金繰りが苦しくなってきています。
銀行に運転資金の融資のお願いに行こうかと悩んでいますが、元請けさんの支払サイトが長くなっている理由で融資は通るものなのでしょうか?
元請けの支払サイトが長くなるとは
この建設業のケースでは元請けの会社から工事を受注して代金を受け取るわけですが、この代金の受け取り、つまり元請けの支払いの時期が遅くなっているということです。
例えば今までは工事が終了してから1ヶ月後に元請けが代金を支払っていたものが、工事が終了してから2ヶ月後に元請けが代金を支払うようになったとします。
1ヶ月間、元請けが代金を支払う時期が遅くなったわけです。
するとこの建設業の会社にとっては入金が1ヶ月遅くなります。
これを資金繰り面で考えると今までは工事終了後1ヶ月後には資金が入ってきてその資金を使えるわけですが、もう1ヶ月間資金が使えない時間が長くなったわけです。
この長くなった1ヶ月分の材料費や人件費などの支払を別の資金で準備をしなければならなくなります。
当然、資金繰りが苦しくなります。
元請けの支払サイトが長くなる⇒資金繰りが苦しくなる
売上債権回転期間の長期化
工事代金はこの建設業にとっては売上債権です。
そして売上債権回転期間とは売上代金が入金になるまでの時間だと考えてください。
元請けの支払いの時期が遅くなるということは売上債権回転期間が長くなる、つまり長期化するということです。
売上債権回転期間の長期化は間違いなく資金繰りが苦しくなる原因となります。
売上債権回転期間の長期化は資金繰りを苦しくさせる
銀行への融資相談方法
売上債権回転期間の長期化による運転資金は銀行はどちらかというと否定的な考えを持っています。
元請けの支払サイトが長くなるということはこの元請けの資金繰りが悪化しているために支払サイトが長くなっていることが考えられます。
元請けの資金繰りがさらに悪化すればさらに支払サイトが長くなり、最後には支払いをしなくなるかもしれません。
そのため売上債権回転期間の長期化が原因の運転資金の融資には銀行は基本的に否定的な考えを持つのです。
売上債権回転期間の長期化の理由を銀行に説明をする
銀行に運転資金の融資を相談する際には、売上債権回転期間の長期化している、つまり元請けの支払サイトが長くなっている理由の説明が欠かせません。
もし本当に元請けの業績の悪化により資金繰りも悪化している場合には、なかなか銀行としても融資に踏み切ることが難しくなります。
元請けの業績が特段悪化しておらず、支払サイトが長くなっている場合には受注先からの回収条件が変化していることが要因かもしれません。
銀行は独自に元請けの業績を調査してなぜ元請けの支払サイトが長くなっているのかを調べます。
元請けの業績が悪化し信用不安が生じているようであると、正直、銀行から運転資金の融資を受けることは困難だと考えられます。
元請けに支払サイトが長くなっている理由を質問して銀行からにきちんと説明ができるようにしておきましょう。
売上債権回転期間の長期化で資金繰りが苦しいのまとめ
以上、売上債権回転期間の長期化で資金繰りが苦しい場合についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・売上代金の入金が遅くなれば当然、資金繰りは苦しくなる
・銀行に融資相談する際にはなぜ売上債権回転期間が長期化しているかの説明が不可欠