業績の悪化などが原因で融資の返済ができない事態になってしまうことはありうることです。
このような事態において銀行は今後の返済面について相談に乗ってくれます。
返済できない場合の銀行への相談ポイントを融資担当の銀行員が説明します。
目次
返済できない事態に銀行は柔軟な対応をします
事業は今後も継続していくが、業績の悪化で今のような融資の返済ができないといった事態に直面する可能性はあります。
銀行に返済できない事態を説明しながら今後のことを相談することはかなり気が引けると思います。
銀行から融資はきちんと返済してもらわないと困るといったことを主張されるのではないかなど。
最初に知っておいていただきたいことは正しい対応を行えば、銀行は融資の返済ができない事態に対して柔軟に相談に乗るということです。
正しい対応を行えば返済できない事態に銀行は柔軟に対応してくれる
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返済できない時の銀行への最初にとるべき行動とは?
以下では融資の返済ができない時に銀行に対して最初にとるべき行動を説明するとともに、その後の流れの概略を説明します。
銀行に最初に取るべき行動
返済できない時に銀行に対して最初に取るべき行動はずばり「返済できない」ことを伝えることです。
たったこれだけです。
返済できない時は「返済できない」と銀行に伝えるだけでOK
延滞する前に伝えると良い
返済できないことを銀行に伝える時期ですが、それは早ければ早いほど良いです。
返済できないことが分かった時点で銀行に伝えてください。
返済できずに延滞となってからではなく、返済できないことがわかった時点で銀行に「返済できない」と伝えるのです。
延滞となる前に返済できないとわかった時点で銀行に伝える
延滞になってしまうと・・・
返済できずに延滞になってからでも銀行は相談に乗ってはくれます。
ただし延滞となるとその日のうちに銀行から返済督促の電話連絡が必ずあります。
ポイントは銀行から言われるのではなく、銀行から言われる前に返済できないことを伝えるのです。
延滞となってしまう前に返済できないことを銀行に伝えることにより、銀行には誠実な姿勢が間違いなく伝わります。
これによりその後の銀行との交渉を有利に導く可能性が確実に膨らみます。
延滞を放置してしまうと・・・
逆に延滞となり銀行から返済督促の電話連絡があるにも関わらず、電話に出ないなど放置すると銀行の姿勢を硬化させることになります。
その後の銀行との交渉が不利になることが避けられません。
返済できないことを伝えた後の手続きの流れ
銀行に返済できないことを伝えた後の手続きの流れの概略を説明します。
銀行との面談
銀行に返済できないことを伝えると、双方で日時を調整して最初の銀行との面談がセットされます。
その際、銀行からは次の資料を準備するように言われます。
銀行から準備を求められる資料
・資金繰り表
この2つの資料は必ず銀行から準備をするように言われます。
ただし面談日時までに間に合わないのであれば、間に合わないと銀行に伝えれば大丈夫です。
最初の面談時には必須の資料ではありません。
面談後の流れ
銀行の面談後は返済猶予など銀行が対応可能な支援策が銀行内で協議がされます。
事業の継続が可能である限りは銀行から何らかの支援策が提示されます。
当面は返済額をゼロにしてほしいのであれば、そのことを最初に面談時やその後の銀行との交渉時に伝えてください。
銀行としてそれが受け入れられるかどうかは別ですが、融資先の意向を受けて銀行内で協議が行われます。
そして銀行内の協議が終了すれば返済条件変更の契約を締結し、完了となります。
返済できないことの相談事例
以下では実際の「返済できない」相談事例をご案内します。
質問
小さい会社を経営している者です。
現在、銀行から信用保証協会を通した融資を1,000万円ほど借りています。
数年前より売り上げが苦2>
、借入金の返済を含めると毎月10万円ほど資金が足りない状況です。
毎月の不足分は私や妻の預貯金を崩して対応してきましたが、いつまでも預貯金があるわけではありません。
売上が急に回復する当てもなく、先行きの資金繰りに不安を感じています。
このように返済ができない、返済が苦しい状態の場合に銀行に返済額を減らすようお願いした場合、応じてくれるものでしょうか?
非常に不安に感じています。
銀行の理屈
銀行から融資を受けた場合、契約時に返済条件が決まっているはずです。
毎月の分割返済とか、期日一括返済といった返済条件です。
原則としてその返済条件どおりに融資は返済しなければなりません。
銀行側からするとそのような返済条件を前提に融資審査を行って融資を実行しているわけです。
融資は契約ですから、その契約通りに返済をしなければなりません。
これが原則です。
しかし融資を受けた後の業績の悪化などで当社の契約通りの返済条件で返済できない事態はあり得ます。
実際に決して少なくないケースで当初の返済条件通りに返済できない銀行の融資先があります。
銀行の現実的な対応
銀行からするとあくまでも当初の契約通りに返済を求める権利を持っているわけですが、それがために融資先の資金繰りが行き詰まり、破綻してしまうことは銀行の本意ではありません。
融資先が破綻してしまえば返済できない、つまり銀行は貸倒という損失を被ることになります。
貸倒は銀行としては絶対に回避したい事態です。
あくまでも融資先が事業を継続していくことが第一です。
そのため返済できないと相談されて、やみくもに当初通りに返済をしてもらわなければ困るとは銀行は言いません。
融資先と相談をして返済できない場合には返済額の見直しの銀行は相談に乗ります。
返済額の減額に銀行は原則として応じる姿勢でいるのです。
なぜなら融資先の事業継続が最優先だからです。
いたずらに当初の契約通りに返済してもらわなければ困るといった強硬な主張はしません。
銀行への相談ポイント
返済できない場合に銀行に相談する際にはいくつかのポイントがありますが、最も大切なことは決して「返せないものは返せない」などと開き直った態度は取らないことです。
確かに「返せないものは返せない」のですが、借入した融資は「返さないといけない」義務が現実にはあるのです。
「返せないものは返せない」といった開き直りとも受け取れる姿勢は「返さないといけない」という義務の放棄と受け取られ、逆に銀行の姿勢を硬化させ銀行が持つ債権者としての権利の行使を誘発しかねません。
したがって返済できない場合でも「返せないものは返せない」という対応ではなく、「借りたものは必ず返します。ただ今は資金繰りが厳しいので可能な範囲まで返済額を減らしてほしい」といった現実的な姿勢が大切です。
その姿勢で銀行に話をすれば、「ではこれとこれの資料を提出してください」といった要請がありますので、それを愚直に提出してください。
銀行から提出を求められる主な資料とは、
・足元の業績状況(試算表)
・資金繰りの過去数か月程度の実績と今後の資金繰り見込み
・他の金融機関からの借入状況
などです。