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銀行融資の基本

証書貸付の分割実行とは

銀行融資は基本的に融資は全部の金額を一括して行いますが、証書貸付には融資を分割して行う分割実行ということがあります。
証書貸付の分割実行とは何か、証書貸付の分割実行が行われるよくある事例を紹介します。

証書貸付の分割実行とは

例えば1,000万円の融資を銀行が実行する際には、原則として1,000万円全額の融資を実行します。
ただしケースにおっては融資総額1,000万円を何回かにわけて分割して実行することがあります。
分割実行は特に証書貸付の場合に多い事例です。
例えば融資総額1,000万円を300万円、300万円、400万円の3回に分けて行うケースが分割実行です。

証書貸付の分割実行とは融資総額を何回に分けて実行すること

証書貸付の分割実行が行われるよくある事例

証書貸付の分割実行が行われる事例としては設備資金融資の際によく発生します。
例えば工場の建設資金を融資する際に建築業者の支払時期に合わせて証書貸付を分割実行するケースです。
建設資金の支払いを工事着手時、中間時、完成時の3回に分けて支払う場合に、それぞれの支払時期に合わせて証書貸付の分割実行を行うというものです。

証書貸付の分割実行のメリット

上記の建設資金の設備資金融資を一括して実行した場合、中間時と完成時に支払う資金は先に融資を受けて準備をしておくことになります。
建設資金を予め確保しておくという点では安心できることではありますが、必要な時に分割実行される場合に比べると利息を余計に支払うこととなります。
この点、分割実行ですと必要な時に融資を受けることになりますからそれまでの利息を節約できるメリットがあります。

証書貸付の分割実行は利息を節約できる

証書貸付の分割実行の銀行の狙い

証書貸付を分割実行するにおいては実は銀行の狙いもあります。
さきほどの工場建設の例で建設資金全部を一括して融資するとなると、もしかしたら中間時と完成時の資金を別の目的に流用される懸念があります。
分割実行すれば融資が別の目的に流用される懸念がありません。
このように融資を資金使途通りに使用してもらうという意味で証書貸付の分割実行には銀行の狙いもあるのです。

証書貸付の分割実行により資金の流用を防止できる

証書貸付の分割実行は基本的に必ず実行される

なお証書貸付の分割実行のケースだと初回は実行されるものの、2回目以降は実行されないかもといった心配があると思います。

証書貸付の分割実行は基本的に必ず実行される

証書貸付の分割実行は融資総額で契約を行う

証書貸付の分割実行の場合でも銀行との融資契約は分割毎ではなく当初に融資総額にて契約が行われます。
つまり銀行とは融資全部の契約を行うということです。
契約をした以上は銀行は融資を実行する基本的義務がありますから、初回だけ融資が実行されて2回目以降は融資がされないということはまずありません。

分割実行の2回目以降の融資が実行されないケース

滅多にありませんが証書貸付の2回目以降の分割実行がされないケースとしては大きく2つあります。
1つ目は工事の計画に変更等があった場合です。
何らかの事情で工事が途中でストップするなど工事の内容に変更があった場合には2回目以降の分割実行がされないことがあります。
そして証書貸付の分割実行がされないケースの2つ目としては、融資先に大きな事情の変化が生じた場合です。
例えば融資先が不渡を出したとか、資金繰りが悪化して他の融資を延滞しているといった事情が出てきた場合には証書貸付の分割実行は中止されます。

証書貸付の分割実行がなされないケース

・工事計画の変更等あった場合には証書貸付の分割実行が中止となる可能性がある
・融資先の業績に大きな変化あった場合には証書貸付の分割実行が中止となる可能性がある

証書貸付の分割実行のまとめ

以上、証書貸付の分割実行をまとめますと次のようになります。

まとめ

・融資を一度ではなく何回に分けて行うことが分割実行
・分割実行は証書貸付で行われることが多い
・分割実行は利息節約のメリットがある
・証書貸付の分割実行は基本的に必ず行われる
・証書貸付の分割実行が行われないケースとしては設備計画に変更があった場合や融資先の業績が大幅に悪化した場合がある

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