銀行融資の基本

借入後は時々報告を

銀行は現在は預金や融資、為替の銀行3大業務の他に、様々な分野で活動しています。
ただ銀行収益の大黒柱は何と言っても融資による利息収益です。
ですから、基本的に銀行は常時融資量の拡大を図っています。
これは今も全く変わりません。
大企業ばかりではなく、中小企業にもメガバンクと呼ばれる大銀行も機会があれば、融資をしたいと考えています。
銀行融資課長の私が言うのですから、間違いはありません。

あるアパレル会社。
年商は5億円ほど。
ここ数年、目白押しに東京の都心地区の有数の開発地区に相次いで新規出店をしています。
ここの会社と取引がある私の銀行は、ぜひ融資をしたいと考え、出店に伴う設備資金や当面の運転資金を積極的に実行してきました。
社長もさずかに資金が必要ですから、こちらからの融資提案を受けていただき、借入を今もしていただいてます。

それから1年が経過。この社長から電話がかかってきた。
社長:「課長。今度また新規出店をすることになりました。また借入をお願いしたいのですが」
私:「そうですか。随分と積極的ですね。わかりました。検討させていただきます。ところで社長。ここしばらくご無沙汰していますが、今までの出店による売上はどうですか?順調ですか?」
社長:「うん、そうねえ~。競争が激しくなかなか計画通りにはいかないですね。まあがんばりますけど」
私:「そうですか。今回のお申し出を検討させていただくうえで、今までの出店に伴う実績を確認させてください。近いうちにお越しいただくか、私が伺いますから社長のご都合のよい日時を教えてください」
社長:「わかりました。いまバタバタしているので、また後で連絡します」
私:「よろしくお願いします」

融資実施後の状況を知りたい

私たち銀行は運転資金はともかくとして、設備資金については融資後、その設備投資の効果がどうなっているのかを気にします。
設備資金は運転資金に比べて融資額も多くなりますし、与信管理上、その後のトレースが内部的に求められます。
ですから、設備投資後の実績については知りたいところです。
出店資金を融資したからには、開店後売上がどうなっているのかは当たり前のことですが、気になるところです。
これが不明なままだと、次の融資を行うことが非常に難しくなります。
今回の社長は、出店後の状況について全く報告がありませんでした。
実は何度か私の方から電話等でコンタクトを取ったのですが、「近々伺って報告します」と言ったきり、今回新たな出店の話があるまで、連絡はありませんでした。

借りたい時だけ連絡が来る顧客は敬遠される

私たち銀行の内部では、こういった社長さんに対しては、「借りたい時だけ連絡してくる。その他は全く連絡がない。こういったタイプの社長はいざとなれば、逃げるタイプだ。取引は縮小していこう」と評価してしまいます。
要するには信頼出来ないのです。
会社との取引は何も決算書の良し悪しばかりではありません。
会社だから、当然の業績の波はあります。
良い時もあれば、赤字になる時だって当然ありえます。
よく銀行は「晴れの日には傘を貸すが、雨の日には傘を貸さない」と揶揄されるが、日頃から関係を築いている会社に対しては雨が降っても傘を貸そうとします。
これは事実です。

今回の社長のように、自分の都合の時だけ連絡があるような場合は、銀行は雨の日には傘は絶対に貸しませんし、晴れていても傘を貸すことを控えるようになります。
時々で良いですから、用がなくても銀行には連絡ください。
こういうことがいざというときに役に立つと思います。
どんな会社でも程度の差はあれ、「いざ」というケースは必ずありますから。

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