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銀行融資の基本

成功するための事業計画書の書き方 融資審査に通るポイント

銀行に融資の相談を行うと事業計画書の提出を求められることが少なくありません。
銀行は事業計画書を参考にして融資の審査を行っています。
今回は銀行受けが良い融資審査でプラスに働く事業計画書の書き方について融資担当の銀行員が説明をします。

銀行に嫌われる事業計画書

まずは銀行に嫌われる事業計画書とはどのようなものを説明します。

計画がバラ色

銀行に嫌われる事業計画書の第一の特徴としては事業計画書の内容がバラ色であることです。
売上がどんどん増える、それに比例して利益もどんどん増えるといった内容の事業計画書です。
つまり右肩上がりばかりの事業計画書です。

バラ色の事業計画書は無責任

売上がどんどん増える、利益がどんどん増えるといった事業計画書を銀行がそもそも信用するはずがありません。
売上がどんどん増える、利益がどんどん増える、だから融資の返済は問題なく可能だという内容の事業計画書を銀行はとにかく嫌います。
売上がどんどん増える、利益がどんどん増えるというようなバラ色に事業が進展する可能性はゼロだとは言いませんが、そのようなことはまずありません。
銀行はこのようなバラ色の事業計画書には評価するどころか、逆に無責任だと感じます。
バラ色の事業計画書の内容をもとに銀行が融資の審査を行うことはありません。
現実はバラ色の事業計画書が提出されれば、その時点で融資は断る方向で検討が進められると考えてください。

バラ色の事業計画書は無責任であり銀行の融資審査が通ることはまずない

文字ばかりの事業計画書は具体性にかける

提出される事業計画書の中にはほとんど文字ばかりで数字が少ないものがあります。
「こうやって事業を拡大していく」「こうやって利益を獲得していく」など決意表明のような事業計画書がありますが、それは銀行には通用しません。
銀行が求めているのは具体的な材料に基づく数字です。
文章で事業計画書を飾ろうとしても銀行には通用しません。
なんら具体性がないからです。

文字ばかりで具体的な数字の根拠がない事業計画書を銀行は信用しない

事業計画書の考え方

銀行に通じる事業計画書の考え方を説明します。

事業計画書はアピールするためではない

設備資金や新事業進出に伴う銀行融資の申し込みにおいて、製品の技術力や新事業の将来性などをアピールされるケースが多いのですが、この方法では銀行を納得させることは出来ません。

銀行が求めている事業計画書は根拠に基づく具体的数字

アピールしたい気持ちはわかるのですが、技術力や将来性をアピールされても銀行の融資担当にはその確実性を判定することは出来ません。
肝心なのはビジネスのモデル、言い換えれば収支計画の確実性です。

売上計画

例えば売上計画。
売上計画を作成する際には、事業を良く見せようとついつい実力以上の数字になりがちです。
しかし高い売上ではなく重要なのは売上数字の信頼性です。
計画に示してある売上の数字の根拠をきちんと説明することなのです。
将来の売上を正確に予測するには、売上を支える販売戦略つまりマーケティングの戦略と人員の計画が正確でなければなりません。
どのような販売網を使って、どこに売り込みをしていくのか、その売上を実現するために、人員をいつ、どのくらいの人件費をかけて、どのように配置していくのかを正確に計画しなければなりません。
人員を新たに採用するのであれば、教育費や福利厚生費もきちんと織り込まなければなりません。

コスト面

またコスト面。
提出される計画書のなかで多いパターンなのが売上対比の一定比率でコストを算出しているケースです。
例えば人件費は売上対比20%で何年度にもわたって計画数字が策定されているケースがこれに当たります。
このような売上対比の一定率でコストが算出されている計画書は、銀行の融資担当には「いい加減に作ったな」という印象しか受け取れません。
人件費が売上の一定比率で固定されるはずがありません。
新事業の新たな売上を実現するには、ある程度の先行費用が必要なはずです。
人を新たに採用するのであれば、売上が立ち上がる前に採用するはずです。
そうであれば、人件費がいつも売上対比一定比率で固定されるわけがありません。

融資審査に通る事業計画書のポイント

それでは銀行の融資審査に有利に働く事業計画書のポイントを説明します。

バラ色ではなく保守的な事業計画書

まずは計画がバラ色ではなく保守的な事業計画書であることです。
バラ色の計画を目指すにしても、物事は計画通りには行かないことが多いですから事業計画書は保守的な内容にしてください。
計画を保守的に考えたとしても融資の返済は可能だと示すことができる事業計画書がポイントです。

事業計画書はバラ色ではなく保守的な内容にする

具体的な材料を示す

もっとも保守的な事業計画書であっても、その計画が信ぴょう性は銀行にはわかりません。
そのため計画の裏付けとなる具体的な材料をなるべく多く記載するようにしてください。
具体的な材料を示してあれば、事業計画書の信ぴょう性を大いに高めることができます。

事業計画書の数字の裏付けとなる具体的な材料を多く示す

計画通りの事業計画書と下振れした場合の事業計画書

事業計画書ですが予定している計画通りに事業が進んだ場合のものと、計画通りには行かなかった下振れした事業計画書の2つを準備することをおすすめします。
計画より下振れした場合の対策も示し、それでは融資の返済は可能だということを示すことができる事業計画書があればプラスです。

下振れした場合の事業計画書も準備をしておく

成功するための事業計画書の書き方 融資審査に通るポイントのまとめ

以上、銀行の融資審査に通るための事業計画書のポイントについてまとめますと次のようになります。

まとめ

・事業計画書の内容はバラ色ではなく保守的なものにする
・計画の具体的な材料を多く示す
・計画が下振れした場合の事業計画書を準備しておく

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