事業資金の借金返済がきつい場合、そのまま放置すると延滞や資金繰り破綻による倒産に至ってしまうこともあります。
借金返済がきついと感じた場合の対応策を説明します。
目次
質問
小さな会社を設立して2年が経ちました。
立ち上げ当初に銀行から700万円の借金を行いました。
毎月返済をしてきましたが、ここに来て取引先の倒産や入金遅れなどが重なり、借金返済がきついです。
あと数ヶ月程度で借金返済が難しくなりそうな状況です。
借金をしている銀行に対して、
1.半年ほど返済は利息のみにしてもらい、その後現状どおりの返済を再開する
2.借入期間を長期に変更して毎月の返済額を少なくする
3.追加融資を受けて当面の資金難をしのぐ
のどれかを相談しようと考えています。
どの方法が一番良いでしょうか?
借金返済がきついと感じたら
借金返済がきついと感じたら、結論から申し上げますと迷わず銀行に借金返済がきついということを伝えて下さい。
銀行に借金返済がきついといった話などしにくいという気持ちはわかりますが、とにかく借金返済がきついと感じたら迷わず銀行に相談をしてください。
銀行は「借金は今まで通り返済してもらわなければ困る」などと入り口で撥ね付けしたは決してしません。
借金返済がきつい理由を率直に伝える
銀行に借金返済がきついことを相談する際には、なぜ借金返済がきつい状態になったのかその理由の説明が欠かせません。
借金返済がきつい事態になる理由は様々です。
相談を受けた銀行では借金返済がきつい理由を正しく把握した上で、その対応策を検討することとなります。
借金返済がきつい事態に至った理由がわからないままでは、銀行も対応策を検討することができません。
恥ずかしがる必要はありません。
銀行に率直に借金返済がきつい状態であることと、その理由を伝えてください。
今回のご質問者のケースですと、借金返済がきつい事態になったのは、
・取引先が倒産した
・取引先からの入金遅れ
が理由ですが、これは借金返済がきつい事態になった堂々とした理由です。
そのまま銀行に伝えてください。
1.半年ほど返済は利息のみにしてもらい、その後現状どおりの返済を再開する
借金返済がきついと相談を受けた場合、一定期間は元金返済をストップし利息のみの支払に条件変更することは銀行の融資実務においてよくあることです。
半年後に返済が再開出来る具体的見通しを説明することが出来れば、銀行は応じやすくなります。
今後の業績や資金繰りの見通しを銀行に説明してください。
2.借入期間を長期に変更して毎月の返済額を少なくする
借入期間をより長期に変更するというのは、銀行としてはなかなか難しい選択肢です。
借入期間を長くするということは、それだけ銀行として融資資金を最後まで回収する期間が延びるということですから、期間が長くなるだけ銀行側のリスクが高まる性質を持っています。
借入期間を長くする原因が取引先の資金繰り難ということであれば、現時点で融資資金の回収リスクが高まっているということを意味しますから、そのような状況下で期間を長くするということはなかなか銀行としては飲めない条件なのです。
したがってこのような場合には上記1のように借入期間は変更せずに当面の元金返済を猶予もしくは減額して様子を見るという対応が現実的でしょう。
3.追加融資を受けて当面の資金難をしのぐ
借金返済がきつい事態になった要因が今回のように取引先の倒産や取引先からの入金遅れの場合には、これらの影響による資金繰り悪化分を銀行が追加融資して当面の資金繰りを安定させるという方法は実は現実的な選択肢です。
もっとも追加融資を行うということはそれだけ銀行の融資量が増加することです。
場合によっては将来の不良債権が増加してしまうかもしれません。
そのため銀行側としても追加融資を行うことにより、現在の融資が今までどおり返済可能であれば有力な選択肢となります。
その後の事業状況が少なくとも今まで以上に悪化しないことが前提条件となります。