事業で必要となる資金を調達する手段としては銀行からの融資やビジネスローンが代表的なものです。
今回はその資金調達の代表的な方法である銀行融資とビジネスローンの違いについて融資担当の銀行員が説明をします。
目次
ビジネスローンと銀行融資の共通点
ビジネスローンと銀行融資の違いを説明する前に、共通点について説明をします。
ビジネスローンも融資そのもの
ビジネスローンというと何か特別な商品のように思われている方もいらっしゃるようですが、実はビジネスローンは融資そのものです。
銀行融資と何ら違いはありません。
ビジネスローンという融資の契約を行い、銀行融資と同様に金利を支払い、毎月の分割返済のように返済をしていくこととなります。
銀行融資とビジネスローンの共通点はどちらもまったく同じ融資であるということ
ビジネスローンと銀行融資の違い
それではビジネスローンと銀行融資の違いについて説明をします。
融資を行うのが銀行かそうではないかの違い
さきほどビジネスローンも銀行融資も同じ融資であり違いはないと説明をしました。
それではビジネスローンと銀行融資の違いは何かと言えば、これらローンや融資を行っている金融機関の違いです。
銀行の中にもビジネスローンを取り扱っているところはありますが、わかりやすく言いますと銀行が行う事業者向けの融資が銀行融資です。
そして銀行以外の消費者金融会社やカード会社などが行う事業者向けの融資がビジネスローンと呼ばれているものです。
ビジネスローンと銀行融資の実質的な違い
このようにビジネスローンと銀子融資の違いは銀行が融資を行っているか、銀行以外の会社が融資を行っているかどうかの違いでした。
以下ではビジネスローンと銀行融資の実質的な違いを案内します。
金額の違い
まずは融資金額ですが、こちらは銀行融資の方がビジネスローンに比べて多くなります。
ビジネスローンを行う会社によってビジネスローンの最大金額に違いはありますが、ビジネスローンはおおむね最大金額が1,000万円までと設定されているケースが多いです。
これに対して銀行融資は1,000万円以上から数億円までの融資も可能となります。
融資金額はビジネスローンよりも銀行融資の方が多い
金利の違い
次に金利の違いです。
金利についてはご承知の方も多いと思いますが、銀行融資の金利の方がビジネスローンの金利よりも低い傾向にあります。
金利だけで選択するのであればビジネスローンよりも銀行融資の方が有利です。
金利は銀行融資の方がビジネスローンよりも低い
審査の難易度
次に銀行融資とビジネスローンの審査の難易度の違いです。
審査の目線は同じ
まず、銀行融資においてもビジネスローンにおいてもそれぞれの審査の目線は同じです。
どのような目線が同じなのかと言えば、それは融資したお金がきちんと返済がされるかどうかです。
万が一、融資が最後まで返済がされなければそれは銀行やビジネスローン会社が貸倒という損失を被ることとなります。
そのようなことがないように銀行もビジネスローン会社も融資がきちんと返済されるかどうかを審査でもっとも重要な目線としています。
銀行もビジネスローン会社も返済がきちんとされるかどうかの審査の目線は同じ
審査難易度はビジネスローンの方が低い
銀行の審査においては融資がきちんと返済されるかどうかをビジネスローンより厳格に審査をしています。
そのため一般的には銀行融資よりもビジネスローンの方が審査の難易度は低いと言えます。
もっとも審査の難易度が低いといってもビジネスローンは決して無審査ではありません。
審査の難易度はビジネスローンの方が銀行融資よりも低い
審査のスピードの違い
次は銀行融資とビジネスローンの審査に要する時間の違いです。
さきほど銀行の審査難易度はビジネスローンに比べて高いと説明をしました。
審査難易度が高いということは多くの項目を厳密に審査をすることにつながります。
そのため銀行融資の審査に要する時間はビジネスローンに比べて相当に長いと考えてください。
はじめて銀行に融資の申し込みをした際には、融資が実行されるまで最短でも1ヶ月は必要と考えてください。
銀行融資の方がビジネスローンに比べてはるかに審査に要する時間は長い
銀行融資とビジネスローンのうまい使い分け
今まで銀行融資とビジネスローンの違いについて説明をしましたが、ここからは銀行融資とビジネスローンのうまい使い分けについて説明をします。
設備資金は銀行融資の方が良い
設備資金の融資は長期融資の代表的な存在です。
設備投資は多額の資金を要することが多く、設備投資後は中長期間にわたって事業に売上や利益をもたらすものです。
この設備投資の性格から融資は長期融資で利用することがおすすめです。
どのような設備投資を行うかといった設備投資の内容にもよりますが、一般的には設備投資の融資は5年とか10年、場合によっては20年といった長期融資で利用することがおすすめです。
これだけの長い融資期間はビジネスローンでは対応をしていません。
したがって設備投資の融資のような長期融資は銀行融資を利用することをおすすめします。
設備投資の融資のように長期融資はビジネスローンではなく銀行融資を利用する
突発的な資金需要の場合
事業を行っていると突発的に資金が必要になることがあります。
多い例としては月末に販売先から予定していた入金が、販売先の資金繰りの都合で月末に回収することが難しくなり、そのために月末の資金繰りに支障が生じるような場合です。
そして月末に払えないと販売先から連絡がくることは月末近くになることが往々にしてあります。
月初に連絡があれば月末までまだ時間がありますから、銀行に融資の相談をすることもできるでしょう。
しかし月末の1週間前など切羽詰まった時点で連絡を受けても銀行からの融資を受ける時間的な余裕はもうありません。
このような場合においてはビジネスローンが出番となります。
ビジネスローンの審査に要する時間はおおむね3日程度です。
銀行融資よりもはるかに審査に要する時間は短いです。
そのため緊急を要する資金需要にもビジネスローンは対応が可能です。
突発的な資金需要にはビジネスローンがおすすめ
小さい金額であればビジネスローンの方が手軽
必要とする金額は数千万円といった多額ではなく、1百万円とか5百万円といったような数百万円の場合にはビジネスローンの方が使い勝手が良いです。
銀行融資の場合、金額少ないから審査の難易度が低くなったり審査に要する時間が短くなったりすることはありません。
銀行と言うところは融資金額の大小や融資期間の長短に関わらず、審査に要する手順はまったく同じです。
1億円の融資であっても1百万円の融資であっても審査の難易度は同じですし審査に要する時間も同じです。
銀行から求められる資料の提出も同じです。
そのため小さい金額であればビジネスローンの方が手軽です。
小さい金額の資金需要であればビジネスローンの方が手軽
金利も節約ができる
ビジネスローンの最大の難点は銀行融資に比べて金利が高い点です。
ところで金利というのは借りている金額に対して発生します。
そのため金額が小さければ金利が高いとしても実際に支払う利息はそれほどでもありません。
小さい金額であればビジネスローンで実際に支払う金利はそれほどでもない
銀行の審査に通らなかった
銀行の審査に通らなかった場合でもビジネスローンの審査には通る可能性はあります。
さきほども説明をしましたが審査難易度はビジネスローンの方が銀行融資に比べて低いです。
決してビジネスローンは無審査ではありませんが、銀行の審査に通らなかったとしてもビジネスローンの審査には通る可能性はあります。
ビジネスローンと銀行融資の違いのまとめ
以上、ビジネスローンと銀行融資の違いについてまとめますと次のようになります。
まとめ
・審査難易度はビジネスローンの方が低い
・審査時間はビジネスローンの方がはるかに短い
・突発的な資金需要にはビジネスローンの方が良い
・小さい金額の利用はビジネスローンの方が手軽