手形貸付は銀行の代表的な融資形態の1つですが、手形貸付の繰り回しという言葉があります。
手形貸付の繰り回しとは何かについてわかりやすく説明をします。
手形貸付の特徴
手形貸付は銀行の短期融資の場面で頻繁に使われます。
短期融資は手形貸付、長期融資は証書貸付といっても過言ではありません。
短期融資に手形貸付が頻繁に利用されるということから、手形貸付の融資の資金使途の大半は運転資金です。
つまり短期の運転資金は手形貸付で行われると言えます。
手形貸付は短期の運転資金融資に利用される
運転資金の手形貸付の返済方法
このように短期の運転資金に頻繁に利用される手形貸付ですが、一般的に短期の運転資金に利用される手形貸付の返済方法は期日一括返済です。
例えば融資期間6ヶ月で運転資金を手形貸付にて融資を受ける場合、返済は6ヶ月後に一括返済の形態になることが一般的です。
手形貸付の返済方法は期日一括返済の他にも毎月や3ヶ月毎などの分割返済も用いられますが、運転資金として手形貸付で用いられる場合には返済は期日一括返済となることが多いです。
運転資金の手形貸付の返済方法は期日一括返済が一般的
運転資金は常に必要
ところで運転資金は事業を継続するにあたり常に必要な資金であり、運転資金を確保しておくことは資金繰りを維持する上で欠かせません。
そのため運転資金を期日一括返済の手形貸付で確保したとしても、期日に返済をしてしまえば運転資金が不足する事態に直面します。
ここで手形貸付の繰り回しが登場します。
手形貸付の繰り回しとは
手形貸付の繰り回しとはずばり期日一括返済の手形貸付を返済せずに融資を継続することです。
返済期日に銀行に差し出している手形貸付用の約束手形を新たに差し入れをして、期日の返済せずに手形貸付を継続するのです。
手形貸付の繰り回しは手形貸付の継続とか手形貸付の書き換えなどとも呼ばれています。
手形貸付の繰り回しとは返済期日に返済をせずに手形貸付を継続すること
手形貸付の繰り回しを行うことにより運転資金が引き続き確保することができ、資金繰りの安定をもたらします。
手形貸付の繰り回しには審査がある
なお手形貸付の繰り回しは無条件で銀行が対応するわけではありません。
手形貸付の繰り回しは銀行からすると新たな手形貸付の融資を行うという考えです。
したがって手形貸付の繰り回しが行われるかどうかは銀行の融資審査を通過する必要があります。
業績の悪化などを要因として手形貸付の繰り回しの融資審査に通らないという可能性もあります。
実際にそのような事例は起こっており、返済期日に手形貸付の繰り回しが行われれず、当初の手形貸付の条件通りに返済期日に一括返済をしなければならないこともありますので注意が必要です。
手形貸付の繰り回しには銀行の審査があるため手形貸付の繰り回しが受けられないこともある
手形貸付の繰り回しのまとめ
以上、手形貸付の繰り回しについてまとめますと次のようになります。
まとめ
・運転資金の手形貸付の返済方法は期日一括返済が一般的
・手形貸付の繰り回しとは返済期日に返済を行わず手形貸付の融資の継続すること
・手形貸付の繰り回しには銀行の審査があるため手形貸付の繰り回しが受けられないこともある