女性に人気のカフェの開業。
ここではカフェの開業に必要な資金の説明と、カフェ開業に必要な資金をどのように調達すれば良いのかを融資担当の銀行員が説明します。
目次
女性ひとりで叶えるカフェ開業資金の基礎知識と準備
まずはカフェを開業するには一体どれくらいの資金の準備が必要になるのかを説明します。
一般的にカフェの開業に必要な資金は500万円から1,000万円などと言われていますが、カフェを開業する場所や広さなどによって大きく異なってきます。
以下ではカフェの開業に必要となる資金の目安について項目ごとに説明をします。
カフェ開業に必要な資金の目安と内訳を徹底解説
カフェの開業に必要な資金の項目ごとの目安は次のとおりです。
カフェの開業に必要となる資金の目安
2.カフェの内装資金 目安50万円
3.カフェの店舗内の設備 目安200万円
4.カフェの備品 目安50万円
5.カフェの宣伝費 目安50万円
6.カフェの運転資金 目標とする月売上高の最低3ヶ月分
カフェの物件取得費用
カフェを開業するにはまずはカフェ本体の店舗の確保が必要です。
カフェの店舗を買う、つまり取得するという方法もありますが取得費用が多額になってしまいます。
そのため多くのケースは借りるということで一般的です。
借りるのは私たち個人がマンションやアパートを借りることと基本的に一緒です。
保証金、つまり敷金や礼金、不動産会社への仲介手数料が必要となります。
私たち個人がマンションやアパートを借りる場合の保証金や敷金は家賃の1カ月分とか2か月分という相場が多いですが、店舗となると家賃の6か月分を要求されることが少なくありません。
そしてカフェの家賃や保証金等に係る費用ですが、これはまさにカフェをどこにオープンさせるか、まさに立地場所によって大きく異なってきます。
東京の都心の一等地にカフェを開業するとなれば、高額な費用がかかります。
一方で地方の郊外であれば比較的にカフェの物件取得費用を抑えることができます。
このカフェの物件取得費用はカフェの開業資金のなかでもっとも大きく、かつ立地場所により変動幅が大きい費用項目です。
カフェの内装資金
カフェで借りた場所をカフェらしくするために内装が必要となります。
天井とか壁などをカフェらしくするための費用が内装資金です。
カフェの店舗内の設備
カフェの店舗の天井や壁などをカフェらしく内装したら、さらに実際にカフェとして機能するための設備が必要となります。
カフェですから水や電気、ガスを使用しますから、それらの設備の手配が必要となります。
またカフェの根幹ともいえる厨房設備の手配も必要です。
カフェの物件取得費用とともにカフェの開業にあたってもっとも費用がかかる項目です。
カフェの備品費
カフェの備品費とはお客さんが使用するテーブルや椅子、会計用のレジなどの準備費用です。
カフェの宣伝費
念願のカフェをオープンしたからといって、お客さんがどんどんと来店してくれるわけではありません。
少なくともカフェの開業当初にあたっては宣伝が必要です。
チラシ、雑誌への広告、インターネット広告など広告の方法がいろいろとありますが、いずれにしてもお客さんに知ってもらうための宣伝活動が必要となります。
カフェの運転資金
カフェを開業しても当面は売上が不安定であることが一般的です。
カフェを開業してしばらくの間は売上も少ないでしょう。
ただ売上が少ない、売上が不安定であっても家賃や光熱費、人件費などの経費の支払いはしなければなりません。
支払いをしなければせっかく開業したカフェを運営していくことはできません。
そのためカフェの開業当初はこれらの支払いを安定して行うために一定の資金を手元に温存しておくことが必要です。
この手元に温存しておく資金のことが運転資金です。
どれくらいの運転資金が必要となるかはカフェの規模等によって異なってきますが、目安としては月売上の最低3ヶ月分は準備をしておきたいところです。
例えば月の売上を100万円を目指すのであれば、運転資金は最低でも300万円は準備をしておきたいところです。
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カフェ開業にかかる費用の節約テクニック
これまでカフェの開業に必要となる資金の目安を説明してきました。
これなら大丈夫、準備が可能と感じられるのであればそれで良いでしょう。
しかし費用が多すぎて準備することが難しいと感じられるのであれば、開業費用を抑えることが必要になってきます。
以下ではカフェの開業に要する資金を抑える、節約のテクニックをご紹介します。
節約テクニックの1つ目は妥協
節約テクニックの1つ目は「妥協」です。
カフェ開業の夢が大きければ大きいほど、店舗の設備を充実したものにしたい、テーブルや食器を高級なものにしたいなどいろいろと欲が出てくるはずです。
しかしそのためにカフェの開業に要する資金が多くなれば、せっかくのカフェ開業の夢も頓挫してしまいかねません。
カフェの開業を優先させるのあれば、妥協できるところは妥協してください。
店舗の設備を簡素なものにする、テーブルや食器のレベルを下げるなどして必要が抑えられるように妥協してください。
設備やテーブルなどはカフェの事業が軌道に乗ってくれば、後からいつでもグレードアップすることができます。
店舗の設備を高級なものにする、テーブルや食器を高級なものにすることでカフェの開業が成功するわけではありません。
むしろ高級な設備、高級なテーブルに要した費用のためにカフェの事業を圧迫してしまう危険すらあります。
カフェの開業にあたってはどうしても夢が膨らんでしまいますが、一定の妥協することがその後のカフェの事業を安定させる方法でもあるのです。
カフェ開業資金を節約するには一定の妥協が必要
厨房などの設備のリース利用
厨房設備やテーブルなどの備品を取得するのではなくリースにて使用することでカフェの開業資金を大きく節約することが可能となります。
厨房設備を取得するには取得当初にまとまった資金が必要となります。
それをリースの使用にて取得することで、実質分割払いにすることで開業当初に必要となる資金を大きく節約することができます。
リースの利用で当初の費用を分割払いにできる
カフェ開業資金の調達方法の基本パターン
それではカフェの開業にあたり必要となる資金の調達方法をご案内します。
まずは自己資金
カフェの開業資金の調達方法の最初はやはり自己資金で賄う方法です。
カフェの開業を期してコツコツの自己資金を貯めて、それを元手にカフェを開業することはもっとも望ましいパターンです。
カフェの開業資金の最強の調達方法はコツコツと貯めた自己資金
金融機関・銀行融資を受けるコツと審査ポイント
カフェの開業資金の最善の調達方法は自己資金ですが、現実にはカフェの開業で必要となる資金をすべて自己資金で賄うことは難しいことが現実です。
そのため多くのケースでは銀行などの金融機関から開業資金の融資を受けています。
政府系の金融機関である日本政策金融公庫や民間の銀行、信用金庫など幅広い金融機関で開業資金の融資を取り扱っています。
以下では銀行などの金融機関から開業資金の融資を受けるためのポイントを紹介します。
多くの事業者がカフェの開業で銀行などの金融機関から開業資金の融資を利用している
まずは資金調達計画の整理
開業資金の融資を申し込むにあたっては最初のスタートの資金の調達計画です。
具体的には以下の事項を整理してください。
資金調達計画の整理
2.1の開業資金全体のうち、自己資金はいくら出せるのか、差し引きいくら開業資金の融資を受けたいのか
自己資金は最低2割が望ましい
自己資金ゼロでも開業は可能とか全額を開業資金の融資で調達したといった情報が世の中にありますが、現実はそう甘くはありません。
自己資金ゼロでも銀行などの開業資金の融資の相談は可能ですが、融資金額が多いほどその後の返済額も多くなってしまいます。
そうなると後ほど説明する収益返済計画において返済を安定して行うことの説明が難しくなり、結果として希望通りの開業資金の融資が受けられないことが現実だと考えてください。
自己資金の割合が多いほど開業資金の融資が受けられる可能性が高くなりますが、最低でも自己資金は全体の必要な資金量の2割は準備したいと考えてください。
事業計画書の策定
開業資金の融資を申し込むにあたって必ず必要となる資料が事業計画書と呼ばれるものです。
事業計画書では創業の動機や今までの職歴、カフェを開業する場所などを記載しますが、事業計画書の最大のポイントは収益返済計画です。
収益返済計画とは
収益返済計画とはカフェの開業後の売上や利益などの事業の見通しと、その事業の見通しを踏まえて開業資金の融資の返済ができるかどうかを説明する資料となります。
開業資金の融資の審査を行う銀行などではこの収益返済計画をもとに返済可能性を検証し、開業資金融資の可否を判断していきます。
どれだけ立派なカフェ開業の動機やこれまでの職歴、カフェの立地の優位性を説明しても、この収益返済計画をもとに開業資金の融資の返済可能性に疑問を銀行にもたれてしまうと開業資金の融資の審査は通りません。
これはこの収益返済計画の一例です。
収益返済計画の作成ポイント
収益返済計画の作成でもっともやってはいけないことはバラ色の計画にすることです。
カフェの開業にあたり銀行からどうしても開業資金の融資が受けたいとばかり、無理をした、背伸びをした、実現性が乏しいバラ色の収益返済計画を作成することです。
バラ色の収益返済計画を作成することで、少なくともその計画書上では開業資金の融資の返済が可能だと示すことができるかもしれません。
しかし開業資金の融資の審査を行う銀行などではこのようなバラ色の収益返済計画を信用することはありません。
むしろ無責任な姿勢だと感じられ開業資金の融資の審査は通りません。
バラ色の収益返済計画を作成しても銀行の開業資金融資の審査は通らない
収益返済計画の作成ポイントは保守的な控えめな収益返済計画にすることです。
もちろん、保守的すぎて開業資金の融資の返済ができないといったことは避けなければなりませんが、バラ色の計画を抑制した保守的な収益返済計画を作成し開業資金の融資の返済が可能であることを説明することが開業資金の融資が受けられる大きなポイントとなります。
銀行が好む収益返済計画は保守的で抑制的な収益返済計画
カフェ開業資金融資の相談事例
以下では実際にあったカフェ開業資金の融資の相談事例をご紹介します。
今までの説明と重複するところもありますが参考にしてください。
質問
小さなカフェを開業しようと思っています。
銀行に開業融資を相談したいのですが、どのように相談したら良いのでしょうか?
相談のポイントを教えてください。
開業融資の銀行への相談ポイント
開業(創業)資金の大きな申込みポイントは次の2つになります。
今までの経験を生かしたものかどうか
開業ということは当然ながら今までの実績はありません。
銀行は融資の審査において過去の実績を客観的な判断材料として使用しますが、開業であればその客観的な判断材料がありません。
このような状態においては、開業する仕事が今までの経験を生かしたものであるのかどうかが開業融資の相談ポイントなります。
今までの経験を生かしたものであれば、その過去の実績がある程度参考になります。
逆に全くの異業種での開業は過去の経験が生かせない可能性が高いと客観的には考えられ、開業融資をする銀行としては判断材料がなく、現実的には開業融資は難しい状態になります。
つまり開業による事業の実現可能性が見えないのです。
開業後の事業計画・収益計画
事業計画において何に使う・何に必要な資金なのかを明確にします。
「大体これくらいお金がかかる」では銀行の開業融資審査は進みません。
全体として○○○円かかる、そのうち○○○円は手元の資金を充てる、差し引き不足分の○○○円を開業融資で銀行から調達したいといった感じです。
収益計画では開業後の売上や経費、利益を数字で示します。
この収益計画が実現すれば、銀行融資は返せるということを示すのです。
ただ収益計画は決してバラ色のものにしてはダメです。
銀行に良く見せたいとか開業にあたっての強い意気込みから事業計画や収益計画が「こうなれば良いな」といった理想の姿で作成しがちになります。
もちろん「こうなれば良いな」という目標は必要かと思いますが、それをそのまま銀行に提出することは少し立ち止まってください。
バラ色の事業計画や収益計画を見せられた銀行は「こんなうまく行くわけがない」とか「計画通りに行かなかった場合にはどうするのか」といった疑念が増してきます。
つまりバラ色の事業計画や収益計画の提出は銀行には逆効果になることが多いです。
事業計画や収益計画はあくまでも実現可能性があるものにしなければなりません。
感覚としては「こうなれば良いな」と思う水準の8割とか7割程度を計画の1つの目安にされるとよいと思います。
さきほども説明したように開業融資は過去の実績がなく、今後の事業見通しの成否が開業融資の審査のポイントとなります。
保守的な事業計画や収益計画により「これであれば計画通りに事業が進む可能性がある」と銀行に感じさせることがポイントです。
女性ひとりで叶えるカフェ開業!資金準備の方法全集のまとめ
以上、女性ひとりで叶えるカフェ開業!資金準備の方法全集についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・カフェの開業資金を節約する方法も押さえておく
・カフェの開業資金の調達において多くのケースで開業資金の融資が利用されている
・全額を開業資金の融資で調達することは現実には無理。最低でも2割の自己資金の準備を。
・バラ色の事業計画書では開業資金の融資の審査は通らない
・保守的で抑制された事業計画書が望ましい