数年前までは銀行では支店窓口におけるお客さんのお待ち時間をいかに短縮するかを大きなテーマとして力を入れて取り組んでいました。
しかし今ではその取り組みの姿はありません。
このあたりの銀行の事情を説明します。
銀行の窓口業務
お金の入出金、振込手続き、税金の納付・・・。
これらが銀行の支店窓口に出向く主要な用事でしょう。
お金の入出金、振込、税金の納付はいずれも銀行の社会的な役割ですから、これらの業務を銀行は必ず対応しなければなりません。
窓口業務は儲からない
しかし入出金や振込、税金の納付などの窓口業務は銀行としてはまったくと言って良いほど儲かりません。
もちろん振込をするには銀行に振込手数料を支払う必要があります。
税金の納付においては業務を発注している地方公共団体から手数料を銀行はもらっています。
しかしこの手数料収入は大したことはなく、雀の涙程度です。
それよりも窓口業務を行うための機器やシステム、何よりも窓口業務に従事する職員の人件費負担の方が大きく、窓口業務は赤字と言っても良いでしょう。
したがって銀行の本音はこれらの窓口業務を中止したいところです。
儲からない部門にお金はかけない
銀行も民間会社の1つですから収益を獲得しなければなりません。
収益を獲得するにおいてはその裏側では発生する経費をいかに減らすかも重要です。
儲からなない部門に会社としてはお金を投入する判断はしません。
儲かる部門にお金をかけてより儲かるようにしようとするのが会社の基本的な考え方のはずです。
銀行も同様です。
儲からない窓口業務にお金をかけてお客さんの待ち時間を減らそうという取り組みはもう銀行ではしないのです。
来店予約制度の広がり
多くの銀行では来店時に予約をするような促しています。
来店予約を入れることによりお客さんにとっても待つ時間がほとんどないため便利です。
しかし来店予約がないお客さんは銀行窓口に行けないということではありません。
来店予約を入れていなくとも銀行窓口で振込などの手続きをすることは可能です。
しかし銀行からすると「予約なしでも構わないけれども、どれだけ待つかわかりませんよ」という姿勢です。
お客さんのお待ち時間を少しでも短くしようという考えはもう銀行にはありません。
銀行の台所事情の悪化
長引く低金利の影響で銀行の収益環境は非常に厳しくなっています。
ゆとりは銀行にはありません。
本来であれば来店していただくお客さんは歓迎すべき存在のはずですが、台所事情の悪化からもうそのような考えを持つ余裕がなくなってしまいました。
銀行の窓口で手続きをしないといけない場合には極力来店予約を行ってください。
その方がストレスなく銀行で用事が済ませられると思います。