社長の車はその会社の信用力のステータスであり、良い車を乗れば銀行の評価も高くなるという人がいます。
実際、社長の車のステータスが銀行の融資審査に与える影響について説明をします。
銀行の融資審査のポイント
銀行では融資を行うかどうか、いろいろな切り口で融資の相談のあった先の審査をするわけですが、融資審査の最終目標は返済できるどうかです。
万が一、融資の回収ができなくなればそれは銀行の損失となります。
そのため銀行が行う融資審査の究極は融資した資金が返ってくるかどうか、つまり融資先の返済能力の有無です。
この返済能力の有無を判断するためにいろいろな切り口で融資先を審査していると言っても良いかもしれません。
社長の車のステータスは信用力にプラス?
会社の社長ともなると対外的なイメージを意識する必要があるでしょう。
社長というと会社を代表する存在ですから、社長のイメージは取引において一定の影響があると思います。
この点において社長が乗っている車のステータスは対外的なイメージにおいては一定の影響があることでしょう。
車のステータスと融資審査の関係
では社長が乗っている車のステータスが銀行の融資審査に影響するかどうかです。
結論はまったく関係がありません。
そもそも融資審査において社長が乗っている車のステータスを確認するような項目はありません。
また社長が乗っている車が高級外車であるから、銀行員が行う融資判断に影響するかと言えばそれもまったく影響しません。
社長が乗っている車のステータスがどうであろうか、それは銀行の融資判断には何の関係もありません。
社長が乗っている車が高級外車だから融資の返済が確実だとは言えませんし、軽自動車だから融資の返済が危ないといったことは関係はないはずです。
ある建設業の社長の話
以前、私が担当していた建設業の話です。
この建設業のずっと業績が悪い状態が続いていました。
業績と関係があったかどうかはわかりませんが、社長が乗っていた車は国産の中古のセダンでした。
特に高級感はなかったと記憶しています。
そして前期はたまたま大きな受注があり、その効果で売上が増加し利益も大幅な黒字となりました。
その後、社長が乗ってきた車は高級外車でした。
ところがその翌年に大きな焦げ付きがその建設業で発生し、資金繰りがもたなくなりその会社は破綻・倒産してしまいました。
社長が乗っている車のステータスなど何の関係もないのです。