無職から事業をスタートするにあたり銀行から事業資金の融資が受けられるかどうかを説明します。
質問
現在40歳です。
大学を卒業後、サラリーマンをしていましたが、半年前に失業しました。
以降、就職先を探しておりますが、難しい状態が続いています。
就職先探しにも疲れを感じるようになり、今までの仕事で身に着けた技術を生かして独立することも考えています。
そこで質問なのですが、私のような無職の人間でも独立するにあたり、銀行から融資を受けることは出来るのでしょうか?
幸いにも代々受け継いできた自宅不動産はあります。
回答
独立される方はある意味、みなさん「無職」です。
銀行の立場から見て重要なのは、独立後の事業がきちんと成り立つのかどうかということです。
独立される方の中には、今までの経歴とはまったく無関係な分野で独立・起業を考えられる方がいらっしゃいますが、銀行としてはとても不安です。
今まで全く経験のない分野で独立されたとしても、それが事業としてきちんと続けられるのかどうかを銀行は客観的に判断することが出来ないからです。
融資する立場として、独立後もきちんと事業を継続されて、融資もきちんと返済していただく必要があります。
この点において、今までまったく経験のない分野で独立されたとしても、その事業を継続していけるのかどうか、突き詰めていけば、融資をきちんと返済することが出来るのかどうか、判断がつきません。
この点、ご質問者の場合には、今までの経験で得た技術を生かしての独立のようですので、事業としての成り立つ可能性があると期待することが出来ます。
独立・開業に必要な資金向けには創業融資制度というものがあります。
銀行に相談されてもかまいませんし、各都道府県にある信用保証協会に相談することも出来ます。
相談される前には、独立して行われる事業の具体的内容や、売上計画・利益計画をある程度明確にしておかれることをおすすめします。
事業計画書は控えめに
銀行や信用保証協会に創業融資を申込む際には必ず創業後の事業計画書の作成が必要となります。
創業後の事業の業績、つまり売上や利益がどのようになるのか、それを受けて融資の返済はきちんと可能なのかどうかが事業計画書の主な内容です。
事業計画書は数字ばかりでもダメですし、文字ばかりでもダメです。
売上の計画の場合、その売上がなぜ可能なのかどうかその客観的な情報を文字で示すようにしてください。
そしてもっとお大事なことは事業計画書は控えめな水準で作成することです。
よくあるケースとしてバラ色の事業計画書を作成されているお客さんに遭遇しますが、気持ちはわかりますがバラ色、つまり実現可能性が少ないと考えられるような事業計画書を作成しても銀行には通用しません。
基本的に銀行は保守的な考え方です。
バラ色の事業計画書を見せられても銀行はそれを鵜呑みにすることはありませんし、いい加減な計画を作成していると考えられてしまう懸念があります。
事業計画書は保守的な控えめな内容にすることがポイントです。