リスケ、つまり元金返済猶予などの返済条件緩和は銀行に相談すれば真摯に対応をしてくれます。
資金繰りを維持をし大切な事業を継続するうえで有効な手段です。
ただしリスケを行うと今までは違った対応を銀行は取ります。
その1つが担当窓口が変わることです。
リスケに銀行は真摯に対応
リスケというのは銀行からすると融資をしている顧客、つまり債務者の資金繰りが悪化し融資の返済が困難になってしまったことですから決して歓迎する出来事ではありません。
銀行などの金融機関では債務者の信用状態に応じて貸倒引当金というコストを負担しています。
そしてリスケを行った債務者というのは信用状態が悪化したことになりますから、今まで以上に貸倒引当金を積み増す必要があります。
融資の回収には懸念が増大し、また貸倒引当金というコスト増にも直面しますから銀行としては本音はリスケは避けたいところです。
しかし銀行は債務者からリスケの相談を受けた場合、決して門前払いをすることなく真摯に対応してくれます。
背景には金融庁などの関係省庁からリスケ相談に真摯にかつ親身になって相談を受けるように指導を受けているからです。
リスケをすると銀行担当部署が変わる
リスケを行うと債務者には銀行取引においていろいろと変化を受けることとなりますが、もっとも代表的なものの1つに担当部署の変更があります。
リスケを行う以前は銀行の支店や法人営業部など営業拠点が担当部署であったはずです。
支店や法人営業部というのは銀行の営業活動の最前線であり、日々取引先と接して様々な営業活動を通じて銀行が得る収益を稼ぎ出す部署です。
リスケ先は収益を生まない
一方でリスケをした取引先に対しては基本的に銀行は営業活動を行いません。
もっぱら取引先を管理して融資した資金をいかに確実に回収するかに注力をすることとなります。
そのためリスケ先は支店や法人営業部といった銀行の最前線の営業部署には馴染まない顧客ということになります。
そのため銀行での実務においてはリスケをした取引先は融資管理、つまり債権管理や債権回収を専門に行う部署に引き継ぐこととなります。
つまりリスケ先から見れば今までの担当部署から別の部署に変わることとなります。
債権管理や債権回収を専門的に行う部署が担当し、リスケをした取引先を管理する体制を銀行は取っているのです。
そして銀行員がリスケ先のところに出向いていろいろと話をしたりすることはなくなり、もっぱらリスケ先が銀行に出向いいて相談や手続きを行うことになります。
要するにリスケ先に対しては銀行はサービスの意味合いが強い訪問して営業活動をすることはしないということです。
リスケからの復活もある
もっともリスケをしたら融資を完済するまでひたすら融資管理の部署が担当窓口になるとは限りません。
業績や資金繰りが改善しリスケ以前の返済能力が回復してくれば、再び支店や法人営業部といった銀行の営業の最前線の部署に担当窓口が復活することもあります。
実際にそのような例はたくさんあります。