経営者の手腕の良し悪しではなく会社の代表者変更の事実が銀行融資に影響することがあります。
中小企業において銀行融資に影響を及ぼさない会社代表者の変更と影響を及ぼす会社代表者の変更のケースを説明します。
銀行融資の影響を及ばなさい代表者の変更
会社の代表者は必ず変更します。
未来永劫、代表者が変更しない会社など存在しません。
銀行融資の影響を及ぼさない、及ぼす代表者変更のその変更理由に依ります。
事業承継による代表者変更
現在の代表者が高齢で子息など次世代にバトンタッチする意味で代表者が変更することは銀行融資に影響を及ぼすことはありません。
事業承継による代表者変更は自然なことだからです。
理由がある代表者変更は大丈夫
事業承継による代表者変更のように変更の理由が自然であるなど合理的で納得のあるものであれば銀行融資に影響を及ぼすことはありません。
銀行融資に影響を及ぼす代表者変更
それでは銀行融資に影響、特に悪影響を及ぼす代表者変更にはどのようなものがあるのでしょうか。
新代表者が会社の関係がない場合
新代表者が元代表者の親族とか会社の役員や従業員である場合には問題はありません。
ところが実際にあることなのですが、新代表者がその会社と今までまったく関係のなかった人が就任する場合があります。
経営手腕を買われて外部から招へいされた場合には問題はないのですが、特にそのような理由もなくまったく関係のない人が新代表者に就任する場合があります。
これは不自然ですね。
合理的な理由もなくよくわからない人が会社の代表者に就任した場合、銀行としては安心して融資取引を行うことはできません。
この場合、銀行は現在の融資は別にしても追加融資には基本的に応じることはありません。
短期間に繰り返し代表者が変更
会社の代表者というのは通常、一定期間は継続して就任しているものである。
それが短期間、例えば1年以内に何回もとか、2,3年で代表者が変更するというのは自然ではありません。
何かその会社内に異常な事態が発生していることが疑われます。
内紛などがその代表例でしょう。
このケースにおいても銀行は安心してこのような会社と融資取引を行うことはできません。
まとめ
会社の代表者が変更になること自体は当然のことです。
しかし代表者の変更が不自然であればその会社はおかしいと感じるのが普通です。
銀行も同様の感じ方をしています。
会社とは今まで関係のない人を代表者として招へいする場合には、銀行に事前に伝えておくことが望ましいです。
そうでないと良からぬ印象を銀行に与えてしまいかねません。