売上が減少してくると入ってくる資金量も減少してきますから資金繰りが苦しくなってきます。
そのまましておくと手元資金がだんだんと減少し最終的には資金繰りがショートしてしまいます。
その前に資金繰りを改善する施策をしなければなりません。
ではどのようにすれば良いのか、その考え方を説明します。
売上減少で資金繰りが苦しくなる理由
わかりきったことですが売上の減少して資金繰りが苦しくなる理由を整理しておきましょう。
ここで整理しておいたことが資金繰り改善の対策に直結します。
固定費負担が原因
売上が減少するとそれに伴い仕入する量も減らすことになりますから仕入代金に必要な資金が減少します。
したがって売上の減少がそれほどでもない場合には資金繰りにそれほど影響は与えません。
しかしながら売上の減少が一定のレベルを超えてくると仕入代金の減少だけでは賄えなくなります。
人件費や家賃、銀行融資の返済は売上の変動に関係なく常に一定です。
この人件費や家賃、融資の返済などを固定費と呼んでいますが、資金繰りが苦しくなる理由は売上の減少により固定費の支払にも影響を与えるようになるからです。
在庫も資金繰り悪化の原因
在庫を持つあるいは製造するには資金が必要だったわけですが、その資金は在庫が売却されて初めて手元に戻ってきます。
売上が減少しているということは手元の在庫量が増加していることと思います。
在庫が資金化せずに滞留していることが資金繰りが苦しくなるもう1つの原因です。
資金繰り改善の施策
では売上の減少により資金繰りが苦しくなってきた場合、どのような施策を立てれば良いのかを説明します。
銀行から融資を受ける
もっとも手っ取り早いのが銀行から融資を受けることです。
売上が減少しているのに銀行から融資など受けられないと考えている方もいらっしゃると思いますが、セーフティネット保証のように売上減少に伴い利用できる信用保証協会の保証制度があります。
この保証制度を利用すれば比較的容易に銀行から融資を受けて資金繰りを補填することが可能です。
固定費の見直しを行う
資金繰りが苦しくなっているレベルによっては固定費の見直しも必要になってくることでしょう。
固定費の見直して出費を抑制するということです。
しかし人件費や家賃などは簡単に出費を抑制できるものではありません。
人件費にメスを入れるということは社員数を減らすとか、給与水準の引き下げるといったことになり痛みを伴います。
社員にも生活があり簡単に解雇したり給与を引き下げたりすることは容易ではないはずです。
また家賃を見直すにはオーナーとの交渉が必要ですし、より低い家賃のところに移転するといってもすぐに対応することは不可能でしょう。
このように固定費の見直しは時間と痛みが伴います。
出来れば避けたいところではありますが、資金繰り状況によっては背に腹は代えられないこともあるでしょう。
資金繰りがショートしてしまえばその時点で事業はストップします。
資金繰り状況によっては対応せざるを得ない資金繰り改善策です。
銀行に返済条件変更(リスケ)を相談する
さきほど銀行からの融資が資金繰り改善の施策の1つだと説明しましたが、銀行が新規融資に応じないケースも考えられます。
その場合には銀行に現在の借入金の返済額を減少させるいわゆる返済条件変更(リスケ)の相談を行うことも必要になってくるでしょう。
返済額を減少させるということは出費を減らすことですから資金繰りの改善策となります。
まとめ
資金繰りを事業を行うにあたっって最も重要な事項です。
毎年赤字を出していても資金繰りが続く限り、倒産することはありません。
逆に毎年黒字を出していても資金繰りが一時的にせよショートしてしまえばその時点で事業の継続は破綻します。
それほど資金繰りが重要なのです。
売上減少による資金繰り悪化は苦しいものですが、手を打たないと時間の問題で資金繰りがショートし破綻してしまいます。
資金繰り改善の施策には時間を要するものもありますから、早め早めに手を打つことが肝要です。