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銀行融資の基本 融資審査マンの見方

入金待ちと与信管理

銀行での融資審査は決算書分析が中心ですが、銀行では預金口座を通じて融資先の実態がわかることがあります。
預金口座を通じて見える融資先の実態が審査に大きな影響を与えることが少なくありません。

たまたまなのか?

融資先の信用状態の変化をキャッチするのは与信管理の基本ですが、決算書など財務状況による管理のほかに、日々の状態観察による与信管理の方法があります。
その1つが入金待ち。

入金待ちとは

例えば融資の返済や振込資金について、当日の預金残高が不足しており、他からの入金待ちの事象があります。
資金繰りに問題のない取引先であれば、大抵の場合は、前日までに資金準備はされており当日に入金待ちの状態とはなりません。
「たまたま忘れていた」のかもしれませんが、「たまたま」の場合は稀で、ほとんどの場合は資金繰りに支障が出ている、あるいは出始めている1つの信号と判断して間違いありません。

融資審査は資金繰りの安定度合いを見ている

銀行での融資審査はいろいろな切り口で行っていますが、突き詰めていけばきちんと返済が出来るかどうかです。
融資の返済がきちんと返済出来る前提条件は資金繰りが安定していることです。
資金繰りが安定していればこの「入金待ち」の状態は発生しません。
入金待ちが発生する背景には資金繰りが安定していないことが想像されます。

入金待ちは融資審査にマイナス

このように入金待ちは資金繰りが不安定、あるいはひっ迫していることを客観的に示すシグナルです。
入金待ちが多発している状態では決算状況が良好であっても足元の業績の悪化が想像され、銀行は簡単には融資に応じません。

一般の与信管理にも応用できる

銀行の場合は預金という判断材料がありますから、入金待ちなどの状態把握をしやすいのですが、一般の与信管理においても応用することが出来ます。
それは取引先からの振込み時間や支払遅延です。
銀行における振込みはほとんどシステム化されており、口座番号等の間違いがない限り、ほとんど瞬時に相手先の口座に入金処理がされます。
したがって前日までに振込み手続きをしており、預金残高も手配されていれば、朝一番には口座入金されているはずです。
それが朝一番ではなく午後であったりした場合には、「たまたま」振込み依頼の手続きが遅れたのかもしれませんが、一方で信用状態が変化している兆候の可能性もあります。
このような状態が毎月続くようであれば、それは信用悪化と見てまず間違いはありません。
いつ相手先から振り込まれてきたか。
入金時間を管理することで取引先の信用状態の変化をウォッチすることが出来ます。

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