銀行融資の基本

長期借入金とは

長期借入金とは。
短期借入金と長期借入金の違いや長期借入金の返済方法など長期借入金の特徴について説明をします。

長期借入金と短期借入金の違い

銀行が行う融資は融資の期間によって期間1年以下の短期融資もあれば、期間1年超の長期融資があります。
長期融資の代表例は設備資金ですが、運転資金でも長期融資の形態は数多くあります。
借入期間が1年以内のものが短期借入金、借入期間が1年超のものが長期借入金です。

返済方法の違い

短期借入金と長期借入金の違いは借入期間が長い、短いという違いですが、この違いが返済方法の違いとして表れてきます。
短期借入金の返済方法は通常、期日一括返済か毎月の分割返済のどちらかとなります。
例えば売上回収までの資金繰りのつなぎ融資であれば、借入期日に売上回収金でもって一括返済するパターンが多いでしょう。
短期借入金に対して長期借入金は毎月の分割返済となるパターンが圧倒的です。
長期借入金の代表例は設備投資に伴う長期借入金ですが、このような場合には例えば5年後に一括返済ということではなく毎月の分割にて長期借入金を返済していくことになります。

長期借入金の期間の考え方

借入金はなるべく早く返したいから返済期間は短くしたいというお考えもあると思いますが、ここはこの先のことも考えて長期借入金の返済期間はじっくりと考えましょう。

借入期間による返済額の違い

まず長期借入金の期間による返済額の違いに留意をしましょう。
ここでは長期借入金として3,000万円を期間3年と期間5年で借入した場合の返済額を比較してみます。
さきほども説明しましたように長期借入金の返済方法は毎月の分割返済となります。
まず3,000万円を期間3年の長期借入金として利用した場合には、期間3年ですから36回の分割返済となります。
すると毎月の元金返済額はおよそ83万円となります。
一方で3,000万円を期間5年の長期借入金として利用した場合には、期間5年ですから60回の分割返済となります。
すると毎月の元金返済額はおよそ50万円となります。
期間3年と期間5年で比較した場合には毎月の元金返済額は33万円、1年間でおよそ400万円の違いとなります。
この400万円の違いをどう受けとめるか。
「ちょっときついなあ」「他に使う用向きもあるし」ということであれば期間5年で長期借入金として利用した方が良いでしょう。
このように借入期間により毎月の返済額が異なってきますから、資金繰りの状況と相談して決めるのが良いでしょう。

長期借入金の借入期間の決め方

では長期長期借入金の借入期間はどのようにして決めたら良いと思いますか?
それは自社の債務償還能力と年間返済額を把握したうえで決めるべきものです。

債務償還能力と年間返済額を把握する

まず自社の債務償還能力は次の算式にて簡単に決めることが出来ます。
債務償還能力=税引き後当期利益+減価償却費-向こう1年間に予定している設備投資
長期借入金を含めた銀行融資の年間返済額が債務償還能力以内に収まっていれば、基本的に新たな融資を受けることなく返済を履行することが出来ます。
一方、銀行融資の年間返済額が債務償還能力を上回っている場合には、どこかのタイミングで追加融資を受けなければ返済を続けていくことが出来ません。

年間返済額が債務償還能力以内の場合

銀行融資の年間返済額が債務償還能力以内に収まっている場合には、今回の新たな長期借入金の年間返済額を加えても債務償還能力以内に収まる範囲内で借入期間を決めれば良いのです。
例えば、
・既存の銀行融資の年間返済額が1,000万円
・債務償還能力は1,500万円
であるとすると、返済余力は500万円となります。
そして今回3,000万円の銀行融資を受けるとした場合、
・期間5年(60回分割返済)の場合の年間返済額は600万円
・期間7年(84回分割返済)の場合の年間返済額は429万円
となります。

返済余力は500万円ですから、期間5年を選択した場合、少し返済資金が不足します。
場合によっては追加融資を受ける必要が出てくるかもしれません。
期間7年を選択した場合には、返済余力以内に収まりますから、追加融資を受けることなく返済を続けていくことが可能な水準となります。
期間7年の方が期間5年に比べて融資利率が高いかもしれません。
しかし融資利率が低い5年を選択した場合、後々追加融資の必要性が出てくる可能性があり、追加融資を受ければその分だけ新たな利息負担が発生します。
トータルで見れば、融資利率はやや高いかもしれませんが期間7年を選択した方が結果的に利息負担は少なく済むと考えられます。

年間返済額が債務償還能力を超過している場合

このような状態においては、今回の新たな長期借入金は可能な限り長期間のものを選択すべきです。
そもそも返済のための追加融資を受けなければならない体質です。
期間が極力長いものを選択して年間返済額の増加を抑制しなければ、追加融資を今まで以上により多く受ける必要が出てきます。
これではどれだけ返済しても一向に借入金が減少しない事態に陥ります。
利息負担も一向に減りません。
長期借入金の借入期間を決める際には、利率だけを選択肢とせず、債務償還能力、つまり資金繰りと相談しながら決めることが大切です。


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