赤字だからといって銀行から融資が受けられないということはありませんが、その赤字が続くと現実は融資の可能性が相当に低くなります。
4期連続赤字の事例をご紹介し融資可否について説明をします。
4期連続赤字の事例
会社を設立してから10年ほどが経ちます。
これまで銀行融資は一切受けてきませんでした。
ただ資金が心細くなってきているため、一度銀行融資を受けたいと思っています。
はじめて銀行融資を受ける際には、信用保証協会の利用が多いと聞いています。
ただ業績は良くありません。
ここ最近は4期連続赤字決算です。
累積赤字の状態です。
このような条件で信用保証協会を利用して銀行融資を受けることは出来るのでしょうか?
4期連続赤字は正直厳しい
正直なところ、4期連続で赤字というのは厳しいです。
仮に十分な担保があったとしても4期連続赤字で融資というのは相当に厳しいのが現実です。
今まで銀行融資を受けることなく事業を継続されてきたものの、ここにきて初めて銀行融資を利用されるということは、客観的に考えれば赤字が続いてきたため資金繰りが厳しくなってきたものと考えられます。
このまま赤字が続ければ、仮に銀行融資を受けることが出来ても返済が出来ません。
そのことを信用保証協会も銀行も気にする点です。
黒字化への見通しはあるのか
4期連続赤字でも融資の可能性があるとすれば、それは黒字化への道筋が具体的に見えていることが最低条件です。
4期連続赤字といっても毎年赤字が少なくなってきている場合と、赤字幅が増加している場合、あるいは赤字幅がほぼ一定で推移している場合に分けることができます。
4期連続赤字で毎年のように赤字額が増加している、あるいは赤字額は増加はしていないものの、減ってはいない、つまり赤字幅が同じような水準で推移している場合には、追加融資は困難でしょう。
このような場合には追加融資ではなく、リスケ、つまり返済条件を緩和して資金繰りをつなぐことしか銀行からの支援は難しいのが現実です。
一方で4期連続赤字ではあるものの、毎年その赤字額が縮小しており、1年先か2年先には黒字回復する具体的な見通しがある場合には、4期連続赤字であっても融資が受けられる可能性は残っています。
業績改善に向けた自助努力
4期連続赤字は非常事態です。
この非常事態にあっては単に銀行から融資をお願いするだけではなく、身を切るような自助努力を行うことが必要です。
不動産があればそれを売却して借入金などの負債の圧縮に努める、赤字部門を切り捨てる、役員報酬を減らす、場合によっては従業員数を減らす、従業員の給与を減らすといったような身を切るような自助努力が必要です。
4期連続赤字ではこの自助努力がないと銀行からの支援は困難です。