ラーメン店からの融資相談の事例です。
製麺機購入という設備投資資金の融資相談です。
銀行の融資判断の考え方を説明します。
ラーメン店からの融資相談
ラーメン店を営む中小企業から最近設備資金の融資申込みがありました。
この会社の直近の決算は大幅赤字でかつ債務超過の状態です。
通常赤字決算でかつ債務超過の状態では銀行融資の借入は非常に難しくなるのが現実ですが、私は今回この会社に申し出どおりの融資を実行しました。
製麺機購入の設備投資
申し出の内容は製麺機を購入するための資金です。
現在のところこのラーメン店は麺を外部の製麺会社から仕入れをしています。
それを自家製に変えるために製麺機を購入しようということです。
銀行融資の審査の最大のポイントは融資した資金が最後まで回収できるかどうかという点です。
この点に照らすと、赤字決算でかつ債務超過の場合は融資した資金がきちんと返済される可能性は極めて低いと考えられます。
ですから銀行融資の審査は非常に厳しいものとなるのです。
設備投資の効果に着目
しかしながら今回の私が融資に応じた理由は自家製の麺に切り替えることによるコスト低減効果です。
赤字決算の場合、当然ながらいかにして利益を確保して黒字決算に転換させるかは対銀行対策だけでなく、会社経営にとって極めて重要なことです。
コスト低減による利益体質転換が審査のポイント
今回のこのラーメン店が製麺機を購入する目的は、自前の麺でラーメンを作りたいという願いもあるのですが、一方で麺を自家製に切り替えることにより、外部の製麺会社から仕入れするよりもコストが相当程度低下させることが出来るという点にあります。
このラーメン店経営の中小企業の社長は赤字決算の現実を踏まえ、さしあたり何が無駄になっているのかを徹底的に見直したそうです。
その見直しの結果、麺の仕入れコスト負担が重く、これを自家製に切り替えることによるコスト低下に着目しました。
このラーメン店自体は客足は順調で、地域では人気ラーメン店の1つとして認知されています。
しかしながら経営管理が甘く、無駄なコストがあまりに多く、赤字決算に陥りやすい体質となっていました。
もちろん税金対策の面もあるとは思いますが・・・。
この社長は私の方から赤字決算でかつ債務超過の内容では、今後の新たな出店などの資金支援は出来ない旨の説明を受けて、利益体質を根本から変えるべく、徹底的にコストの見直しを行っていただいたようです。
その結果、今回の製麺機の購入資金の借入申込みにつながっています。
赤字決算でかつ債務超過ですから慎重に融資審査は行いましたが、麺の自家製への切り替えによるコスト低減効果に着目し、今後の決算内容好転を期待して今回の設備資金の融資は実行させてもらいました。