信用保証協会の一般枠とは

中小企業や個人事業主が銀行から融資を受ける際に頻繁に利用される信用保証協会の保証制度。
信用保証協会の保証制度を支える保証枠には実は複数の種類があります。
今回はもっとも基本的な信用保証協会の保証制度を基底にある一般枠について説明をします。

信用保証協会の保証枠

信用保証協会には複数の保証枠があります。
その中でも代表的なものは一般枠、セーフティネット4号枠、セーフティネット5号枠です。

セーフティネット4号枠

今回のテーマである信用保証協会に一般枠については後で詳しく説明します。
その前にセーフティネット4号枠について説明をします。
セーフティネット4号というのは「突発的災害(自然災害等)の発生に起因して売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置」として特別に設けられている保証枠です。

セーフティネット4号枠の利用条件

セーフティネット4号枠の利用条件は次の2つです。

地域は臨機応変に変わる

セーフティネット4号は「突発的災害（自然災害等）の発生に起因」して個別に指定がされるものです。
大雨や地震で被害を受けた地域が臨機応変に指定される仕組みになっています。
セーフティネット4号は被害受けた地域に限定されるのが原則ですが、新型コロナウイルスによるセーフティネット4号の指定地域は全国となっておりこれは例外です。

セーフティネット5号枠

セーフティネット5号というのは「業況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するための措置」として特別に設けられている保証枠です。
セーフティネット4号が原則として地域限定であるのに対してセーフティネット5号は地域ではなく業種限定であることがセーフティネット4号との違いです。

セーフティネット5号枠の利用条件

セーフティネット5号枠の利用条件は次の2つです。

指定業種は3ヶ月毎に見直しされる

セーフティネット5号枠は「業況の悪化している業種」に属する中小企業者を支援するための制度です。
業況が悪化している業種は時間とともに変化します。
そのためセーフティネット5号の指定業種は原則として3ヶ月後に見直しがされています。

信用保証協会の一般枠

さて今回のテーマである信用保証協会に一般枠を説明します。
信用保証協会に一般枠は中小企業者であれば災害や不況業種の条件に関わらず常に利用が可能な保証制度枠です。
信用保証協会の保証制度のまさに中心的な存在が一般枠です。

一般枠の利用限度額

この図は信用保証協会の一般枠、セーフティネット4号枠、セーフティネット5号枠のそれぞれの利用限度額を示したものです。
そして一番左が信用保証協会に一般枠の利用限度額です。
信用保証協会の一般枠は無担保枠が8,000万円、有担保枠が2億円、合計2億8,000万円が利用限度額です。
この一般枠の範囲内で中小企業者は保証制度を利用し、銀行から融資を受けることができます。

審査により利用額は決まる

一般枠の無担保枠は8,000万円となっていますが、中小企業者であれば必ず8,000万円までは無担保で一般枠の保証制度を利用することができるのでしょうか。
実は無担保枠8,000万円というのは制度上の上限額であり、どれだけ利用できるかは信用保証協会の審査により決められます。
したがって一般枠の無担保枠の上限である8,000万円まで利用できる中小企業者もあれば、1,000万円しか一般枠の保証制度が利用できない中小企業者もあります。
一言で中小企業者といってもそれぞれの規模も異なりますし、また業績も異なります。
中小企業者の規模や業績を信用保証協会が審査をして、一般枠の利用金額が決められることになります。