普段は強気な社長


2014年03月01日

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R社はバイク部品やアクセサリーの輸入小売り会社です。
どちらかというとマニア向けの商品を取り揃えており、マニアの方々の中では人気のあるショップの1つです。
財務内容は比較的良好な内容であり、社長はいつも私たち金融機関の人間には強気の姿勢で、時には高飛車な対応すらされていました。
私もどちらかというとこのR社の社長のことは苦手としていたのですが、今から半年ほど前に社長と面談し、今後の資金ニーズ等の聴取を試みました。
社長からは強気の経営計画の説明があり、海外飲食品の輸入販売の計画など新規事業の説明もありました。
私は新規事業に必要な資金面については積極的に支援を検討させていただくことなどを説明しました。
また社長から他行の対応が悪いといった話もあったため、必要であれば借入金の肩代わりも検討する旨をお伝えしました。
ただ私はあまり期待をしていませんでした。
というのはこちらから何かしら提案をしても、常日頃からなしのつぶてで、その後に社長から連絡が入ったことはなかったからです。
こちらからその後のフォローの連絡を入れても、連絡すらつかないことがあるなど、こちらからの提案が進展したことは一度もなかったからです。

R社の社長から突然の連絡
それから半年ほど経過して4月の初旬にR社の社長から珍しく電話連絡が入りました。
社長からは「相談したいことがあるので、銀行にお邪魔をしたい」という内容でした。
普段来られたことがない社長が突然「お邪魔したい」ということですから、これは何かあるに違いありません。
普段は来店されない社長が「来る」ということですから、前向きな話というよりもひょっとしたらネガティブな話かもしれないと私は想像していました。

返済猶予の相談
そして4月の第一週の日にR社の社長が来店されました。
私は社長の姿を一見し、唖然としました。
普段はビジネススーツできちんとされている社長の姿とはまるで異なり、無精髭をはやし普段着姿の社長がそこにいたのです。
そして社長から、
・信用していた販売先と連絡がつかなくなったこと
・その販売先には売掛金が3,000万円あるが、回収不能の状態であること
・このため資金繰りが破綻状態になってしまったこと
・そのため当面の間、借入金の返済を猶予してほしいこと
の話がありました。
特に社長からは金融円滑化法が3月末に期限到来したため4月になっても返済猶予が受けられるのかどうかが非常に気がかりとの懸念も受けました。
私は日頃の社長の態度から、今回のようなある面金融機関に「頭を下げる」ような事柄からは逃げるタイプかと勝手に想像していました。
ところが逃げることなく、返済猶予の相談をされた社長の態度に意外感を抱きました。
私は売掛金が焦げ付いた経緯を詳しく伺うともに、事業全体の状況や今後の経営改善計画についてヒアリングを行いました。
社長からは、
・事業そのものは従前どおり行うことが出来ること
・当面は本業の事業に専念し、海外飲食品の輸入販売の新規事業は中止すること
・社長自身の報酬は向こう1年間無報酬としたこと
・社員を1名減らすなど人件費をはじめ各経費の圧縮を行うこと
・借入金の返済が猶予されれば、事業に必要な資金繰りは何とか繰り回しが可能であること
の説明がありました。
R社の取引銀行は主力行のT銀行のほかには当行と某信用金庫の計3つです。
そして主力行のT銀行にはすでに説明済みで、借入金の返済猶予についてもほぼ内諾を得ているとのことでした。

金融円滑化法期限到来後の相談を心配
社長が気にされていた金融円滑化法が3月末に期限到来している点については、まったく気にする必要がないことをお伝えしました。
法律の有無に関わらず金融機関はお客さまの資金繰り事情を勘案し、引き続き返済条件の見直しについては柔軟にかつ真摯に対応することを案内しました。
世間一般の一部には金融円滑化法の期限到来に伴い、
・金融機関の対応が厳しくなり、期限の延長がもう受けられなくなる
・容赦ない取り立てが始まる
など誤った情報が先走り、これらの情報からR社の社長も金融円滑化法の期限到来後に返済猶予の相談を行うことに強い不安を感じられていたようです。
つまり法律の期限到来を理由に返済猶予が受けられないのではないか、そうなれば資金繰りの破綻が決定的となり事業の継続を断念せざるを得ないといった強い不安感でした。

私は金融円滑化法の期限到来後も従前同様に資金繰りの相談には柔軟に応じることや、返済条件の見直しについてもその姿勢に変化はないことを案内しました。
そして本日の返済猶予の相談を受けて行内で検討をさせていただくが、伺った内容から判断してご希望通りの返済猶予の対応をさせていただくことになるとの見通しをお伝えしました。
社長は私からその言葉を聞くと、やつれた表情の中に笑みを浮かべほっとした安堵の姿を見せられました。
金融円滑化法の期限到来に伴い金融機関の姿勢が厳しくなるとの思いを私たち金融機関に働く人間にはわからないほど、世間の人々は強く感じています。
特に今回のR社の社長のように現実に資金繰りに不安を覚えている事業主にとっては、夜もろくに寝られないほどの不安感を抱いているケースが少なくないはずです。

どんな事業にも浮き沈みはあります。
そして貸し倒れに不幸にも直面することもあります。
そのことによって直ちに資金繰りが破綻し事業の存続が不可能であれば致しかねないかもしれませんが、多くのケースではまだ事業存続の可能性が残っています。
今回のR社のケースでも返済猶予を受けて資金繰りの目途がつけば、事業の継続が可能です。
金融機関の役割は資金繰りの支援が大きなウエイトを占めていますから、事業の継続が可能であれば金融円滑化法の法律の存在有無に関係なく、返済猶予による資金繰り支援を行う役割を負っているのです。






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