当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

銀行融資の基本 銀行の本音 中小企業社長との面談日誌

2店舗目の開業資金で融資を受けたい

2店舗目の開業資金の融資を受けたい。
良くある話です。
2店舗目の開業資金の融資においては1店舗目の開業資金の融資とは少し審査が異なるところがあります。
2店舗目の開業資金の融資について融資担当の銀行員が説明をします。

1店舗目と2店舗目の開業資金の審査の共通点

最初に1店舗目であっても2店舗目であっても開業資金の融資審査で共通するところを説明します。
開業資金の融資の審査で共通するところはその店舗の収益により開業資金の融資の返済が無理なく行えるかどうかです。

店舗の収益による返済は開業資金審査の原則

開業資金の融資においてはその店舗から生み出される収益により返済が可能であることが審査の大原則です。
1店舗目の開業資金であろうと2店舗目の開業資金であろうとこのポイントは共通です。

開業資金の融資審査のポイントは店舗の収益により返済ができるかどうか

2店舗目の開業資金の融資

2店舗目の開業資金の融資においてもその2店舗目から生み出される収益により返済が可能であることが審査のポイントです。
ただし2店舗目の開業資金の融資審査においては1店舗目の開業資金の融資審査とは異なるところがあります。
それは1店舗目の業績が2店舗目の開業資金の融資審査に影響してくるという点です。

2店舗目の開業資金の融資審査では1店舗目の業績が影響してくる

1店舗目が赤字の場合

2店舗目の収益で開業資金の返済が安定的に可能だとしても、もし1店舗目が赤字の場合はどうでしょうか?
1店舗目が赤字の状態であると資金不足が懸念されます。
そのため2店舗目から生み出された資金が1店舗目の赤字の補填に回されることが考えられます。
すると2店舗目の開業資金の融資の返済が1店舗目の赤字のためにマイナスの影響が出て来ることが懸念されます。
つまり2店舗目の収益が1店舗目の赤字の補填に回されてしまい、開業資金の融資の返済ができないという事態です。

1店舗目が赤字であると2店舗目の収益が赤字の補填に回される懸念が出て来る

1店舗目の業績の説明が必要

そのため2店舗目の開業資金の融資の申し込み時においては2店舗目の売上・返済計画のみならず、1店舗目の業績がわかる資料の提出が求められます。
そして銀行では1店舗目の業績も踏まえて2店舗目の開業資金の融資の返済が可能かどうかが審査されることとなります。
したがって2店舗目の開業資金の融資の申し込みを行っても、1店舗目の業績次第では開業資金の融資を銀行が断ることも十分にあります。
銀行から2店舗目の出店ではなくまずは1店舗目の業績の立て直しを意見具申されることも少なくありません。

2店舗目の開業資金の融資の申し込みにあたっては1店舗目の業績資料が必要

ある飲食店からの開業資金の相談事例

では実際にある飲食店からの開業資金の融資申し込みの事例をご紹介します。

既存の店舗の状況は?

複数の飲食店を営む会社社長より新規出店に伴う入居保証金や設備投資、立ち上げに伴う運転資金などの開業資金の融資申し出がありました。
ここ数年、この会社は積極的に新規出店を行っていますが、その都度、当行は当社側の申し出に応じて、新規出店に関わる開業資金の融資を行っています。
いくつかの融資はまだ元本返済据置期間で、まだ元本返済がはじまっていないものもあります。
社長からは説明は今回の出店に関する計画のみでした。
当方としては新規出店もさることながら、ここ数年に出店したいくつかの店舗について、その実績を知りたいところです。
当方からその点を質問すると、一部はまずまずの水準だが、一部は当初計画どおりに行っておらず、赤字になっている店舗もあるとの説明でした。
また当社創業時の店舗の実績が相当落ち込んでおり、この店舗について頭を悩ましている模様でもありました。
決算はあと数ヶ月先であるが、今期決算は赤字とのことです。
結論から申し上げて、今回の開業資金の融資申し出に謝絶せざるを得ない状況です。

借りる時だけ来る社長

決算が赤字見込みであるというところも気になるところですが、最大の要因は、日頃の社長とのやり取りにおいて、この社長に不安を感じるからです。
というのは、新規出店ばかりの説明で、足元の不採算店舗を今後どうように改善していくか、などの考えがまったく見えてこないからです。
またここ数年の出店資金を当行は融資をしてきました。
当然融資した側としては、融資によって出店したお店の実績がどうなっているのかは、気になるところです。
ただ今回の再びの新規出店資金の相談を受けるまで、社長から、これら実績の報告は一切ありませんでした。
当方としては、「借りるときだけ来る社長」とのレッテルを貼りたくなります。
もっとも過去の出店資金を当方は比較的安易に応じてきたために、社長も安心してしまったのかもしれません。

開業資金の融資を受けた後は定期的な状況報告が望ましい

まずの足元の実績の説明から

今回社長の申込の方法はその順番が間違っています。
新たな店舗の開業資金の融資の相談を行う前にまずは足元の実績の説明を行うべきなのです。
その上で、赤字店舗があるなら、その改善策を明確に示すべきなのです。
それを銀行に納得させた上で、新規出店の開業資金の融資の相談に移らなければなりません。
今銀行は、赤字だから、という理由だけで新規融資を断ったりは原則しません。
今回の新規出店が当社にとってプラスになるものであれば、たとえ直近決算が赤字であったとしても、いくつかの既存の店舗が赤字であったとしても、新規出店資金融資は前向きに検討します。
ただ残念ながら、今回の社長は足元の実績の説明が不十分なことです。
これでは当方としては、この社長は会社の実態を把握しておらず、ただやみくもに出店をしている、と考えてしまいます。
こういう社長とは安心してつきあうことが出来ないのです。

信頼できる社長かどうか

決算が赤字か否かもさることながら、社長が信頼できる人か、長く安心してつきあえる人か、というところは、銀行の融資審査上、重要なポイントです。
今回当行は、融資をお断りします。
きっとこの社長は、別の金融機関に出向いて、開業資金の融資の相談をすると思います。
当方からは足元の実績について、もう少し詳細を教えてほしいとボールを投げましたが、たぶん返ってこないでしょう。
長く安心して取引できない会社になると思います。

2店舗目の開業資金で融資を受けたいのまとめ

以上、2店舗目の開業資金の融資についてまとめますと次のようになります。

まとめ

・2店舗目の開業資金の融資の申し込みにおいては1店舗目の業績説明が必要
・もし1店舗目が不振であれば立て直しの説明が必要
・1店舗目の説明を行わないと2店舗目の開業資金の融資が断られる可能性もある

当サイトが確認済の事業資金融資です(PR)



1.中小企業・個人事業主向け事業資金
大手会社系列の安心できる事業資金融資です。
中小企業や個人事業主を対象とし、原則来店不要です。
多くの事業者の方が利用されています。

2.融資枠型ビジネスローン【あんしんワイド】
GMOあおぞらネット銀行が提供するビジネスローンです。
繰り返し利用ができる融資枠(極度枠)タイプです。
運転資金やつなぎ資金に利用ができます。

3.保証人不要の事業資金
ネットで完結する事業資金融資です。

-銀行融資の基本, 銀行の本音, 中小企業社長との面談日誌
-