証書貸付は主に融資期間が1年超の長期融資の際に用いられる融資形態です。
今回は証書貸付の利息はどのように計算されていくのかを説明します。
目次
利息計算の基本
最初に利息はどのように計算されるのか、その基本を整理します。
利息は次の計算式により算出されています。
利息の計算式
これが利息の計算式です。
利息は必ずこの計算式に基づいて算出されています。
利息は元金に対して発生する
利息は元金、つまり融資の金額に対して発生します。
利息は日割りで発生する
利息は日割り、つまり1日1日毎に発生しています。
借入していた日数分だけ利息は発生するということです。
利息の計算式の【日数÷365】で借入していた日数分の利息額を計算することとなります。
利息計算の具体例
では利息計算を具体的に見ていくこととします。
利息計算の具体例
・金利は3%
・借入期間は3月1日から3月31日
元金×金利×日数÷365=3,000万円×3%×31日÷365=76,438円
2点補足します。
借入期間の日数のところですがこれは借入した初日と返済日を含めます。
そのため3月1日から3月31日は31日となります。
そして利息額ですが小数点以下は切り捨てです。
今回の具体例ですと利息額は76,438.356・・・となります。
小数点以下は切り捨てとなりますので利息額は76,438円となります。
四捨五入ではなく一律小数点以下は切り捨てです。
証書貸付の利息計算
さて証書貸付の利息計算を見ていきます。
証書貸付の返済方法は分割返済
証書貸付の返済方法は一括返済の形態もありますが、大半は分割返済です。
それも毎月の分割返済が証書貸付の一般的な返済条件です。
したがって証書貸付の元金、つまり借入額は毎月減っていくことになります。
証書貸付の利息計算においては上記の利息の計算式において元金が毎月減っていくことを考慮する必要があります。
証書貸付の利息の支払方法
一般的に銀行融資の利息は前払いです。
証書貸付においても利息は前払いが基本です。
では証書貸付においてはどれくらいの期間を利息を前払いするかですが、一般的には返済期間毎の前払い方式となっています。
証書貸付の返済を1ヶ月毎に行う場合委は利息は1ヶ月毎に前払いする方式が一般的です。
証書貸付の利息計算の具体例
それでは証書貸付の具体的な利息計算について1つの例にて見ていくことにします。
証書貸付の例
融資期間⇒5年(60ヶ月)
金利⇒3%
返済方法⇒毎月末の元金均等返済。毎回50万円の元金返済(3,000万円÷60回)
返済日⇒毎月末
借入日⇒3月1日
借入日に支払う証書貸付の利息
では借入日である3月1日に支払う証書貸付はいくらになるでしょうか?
一回目の返済日となる3月31日までの利息を借入日に前払いすることになります。
したがって利息計算は次のようになります。
3月1日に支払う証書貸付の利息
これはもうおわかりだと思います。
3月31日に支払う証書貸付の利息
次に返済日である3月31日に支払う証書貸付の利息です。
3月31日には次回の返済日である4月30日までの利息を支払うことになります。
3月31日分の利息はすでに3月1日に支払っていますから3月31日に支払う利息は4月1日から4月30日までの期間の利息となります。
そして元金ですが3月31日は返済日ですから50万円の元金返済があります。
50万円の返済を行うことにより元金である借入額は2,950万円(3,000万円-50万円)となります。
従って3月31日に支払う利息はつぎのとおりです。
3月31日に支払う証書貸付の利息
4月30日に支払う証書貸付の利息
では次回の返済日である4月30日に支払う利息はどうなるでしょうか。
考え方はまったく同じです。
4月30日には次回の返済日である5月31日までの利息を支払うことになります。
4月30日分の利息はすでに3月31日に支払っていますから4月30日に支払う利息は5月1日から5月31日までの期間の利息となります。
そして元金ですが4月30日は返済日ですから50万円の元金返済があります。
50万円の返済を行うことにより元金である借入額は2,900万円(2,950万円-50万円)となります。
従って4月30日に支払う利息はつぎのとおりです。
4月30日に支払う証書貸付の利息
以降の返済日に支払う利息も同じような計算で算出されていきます。
証書貸付の利息計算のまとめ
以上、証書貸付の利息計算についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・利息の支払いは原則前払い
・証書貸付の返済方法が毎月の分割返済であれば利息は毎月の返済日に次回の返済日までの利息を前払いする(1ヶ月毎の利息前払い)
・証書貸付の分割返済の場合には返済日毎に元金が減少していく
・そのため証書貸付の毎回の利息額は基本的には少しずつ減少していく(毎回の日数により多少変動あり)