銀行がお客さんから融資の相談を受ける際に、資金使途に関して困ることがあります。
何が困るのかを説明するとともに、銀行に融資を申し込む場合のコツについて説明をします。
融資の目的がはっきりとしない
銀行の近くのラーメン店を営む個人事業主から「お金を借りたい」との相談がありました。
店舗を改装するのかを聞いてもそうではないと言います。
新しい店舗を出店するのかと聞いてもそうではないと言います。
ただ「お金が足りないから」というだけです。
ラーメン屋に運転資金が不要
おそらく相談に来られた個人業主の方は資金繰りが苦しいために運転資金を資金使途とする融資の申込に来られたのだと思います。
しかし銀行はラーメン屋さんには基本的に運転資金が必要ないと考えています。
運転資金は売上金が現金として回収されるまでの間の資金繰りのつなぎです。
ところが現金商売が基本であるラーメン屋さんには資金のつなぎが発生しません。
資金のつなぎが必要ないということは運転資金は不要なのです。
店舗の改装や新規出店をしないにも関わらずお金が必要という理由はおそらく経営が赤字だからと銀行は考えます。
融資申込のコツ
それでは今回のラーメン屋さんはどのようにして銀行に融資の申込をすべきなのでしょうか。
お金が足りない理由を説明する
まずは「お金が足りない」理由を率直に銀行に伝えることです。
そのような申込をしたら銀行は即座に融資を断るのではないかと感じられるかもしれません。
銀行が最も敬遠したい融資の申込は何に使う目的なのかがわからない場合です。
つまり資金使途が不明の融資の申込です。
資金使途が不明の場合、それこそ銀行は即座に融資を断りたくなります。
今回の場合、お金が足りない理由は経営が不振で赤字のため資金繰りがきつくなっているのであれば、それを率直に伝えた方が銀行からの融資可能性が高まります。
今後の事業改善見通しを説明する
もっとも業績不振で今後の赤字が続くとなると銀行としても融資がしづらくなるのが正直なところです。
そのため今後のどのようにして業績改善に向けた動きをしていくのかをなるべく具体的に銀行に説明をしてください。
銀行が理解すれば少なくとも資金繰りが維持できる最低限の融資支援は受けられる可能性があります。
まとめ
融資の申込で銀行はもっとも困るのは何に使うのか、つまり資金使途がはっきりしない融資の申込です。
これでは出る融資も出ません。
赤字の補填であればそれで良いので融資の目的を明確に銀行に伝えて融資の申込をしてください。
融資の目的、資金使途は曖昧のままでは銀行は融資に応じません。