たまには銀行に足を運ぶ
なにやら相談したいことがあるので、近いうちに会いたいというのだ。
社長:「課長。ちょっと相談したいことがあるんだ。来週くらいに来てくれないかな」
私:「わかりました。では来週の水曜日の午前10時はいかがですか?」
社長:「いいよ。じゃあその時間に待ってるよ」
この社長は全くと言っていいほど私の銀行には来ない。
たぶん他の取引銀行にも行っていないと思う。
用があるときは私たち銀行はその会社に出向く。
以下銀行内での私と支店長との会話。
私:「今日、A社の社長さんから相談があるので、来いと言われました。相談内容ははっきりとはわかりせんが、たいぶ会社の業績が苦しいと思いますので、借入の相談かもしれません」
支店長:「ああ、あの社長とは随分会ってないな。時々来られるの?」
私:「いえ、全く来てないですね。用があるときはいつも呼び出されます」
支店長:「たまには来ればいいのに。忙しいとは思うけど。
まあ適当に対応しておけばいいよ。用があるときくらい、来ればいいのに」
中小企業の社長は忙しい。
それは十分にわかる。
ただ年に1回や2回くらいはノーアポでもいいから、銀行に出向いてほしい。
ましてや、相談があるなら、相談がある方から出向くのが世間のマナーだ。
銀行は融資先には必ず信用格付を算出している。
その算出の基本となるのは、決算書の数字です。
いわゆる定量審査です。
それに加えて銀行は信用格付を決定する上で、会社の事業内容や代表者の資質を勘案している。
定性面の審査である。
銀行という組織も所詮は人で成り立っている。
よく銀行にくる社長とまったく来ない社長では、おのずと違ってくる。
よく銀行に来てくれる社長に対しては、何か相談を受けた場合、「何とかしたい」と銀行員は考える。
逆にまったく来ない社長に対しては「無理はしない」と銀行は考える。
所詮は人ですから、人の感情はどうしても入ってしまいます。
意外に思われるかもしれませんが、大企業や中堅企業は年に1回や2回は先方から銀行に足を運んできます。
特段相談事がなくても、「決算が出たから」「中間決算が出たから決算説明に伺いたい」というのです。
いい会社ほど、銀行のそれほど必要としない会社ほど、私たち銀行にはよく足を運ばれます。
一方で私の感覚では中小企業の社長はまず銀行に来ない。
もっと来ればいいのにと思う。
そうすれば何か今後あった場合に、何とかしようと考えて銀行内で動くのに。
別に仕事の話をしなくてもいいのです。
世間話でもいいのです。
中小企業の社長さん、年に数回程度でいいですからちょっと暇をつぶすつもりで十分ですから、銀行に足を運んでください。
将来何かあったときの銀行の対応は全く異なってきます。
現に私もよく来る社長にはその会社が困ったときでも何とかできないか、銀行内の根回しを一生懸命行います。
まったく来ない社長には、相談事をされても形式的な対応しか取りません。
別に用事がなくてもいいですから、銀行には時折足を運んだ方が得策です。
会社に何かあったとき、足を運んでいる分、銀行は熱い対応をしてくれると思いますよ。
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