住宅ローンの審査は銀行の個人ローンのなかでもっとも審査が厳しいローンです。
ところが延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケースがあるのです。
延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケースについて融資担当の銀行員が説明をします。
目次
住宅ローンの審査項目一覧
この図は銀行で行われている住宅ローンの審査項目一覧です。
この審査項目の中で延滞が関係してくるのは10の他社借入状況です。
他社借入状況の審査内容
では他社借入状況の審査ではどのようなことを銀行は調査をしているのでしょうか。
大きく2つあります。
借金はどこから行っているか
1つはどこから借入をしているかです。
この部分は他社の借入先が銀行やクレジットカードカード会社であれば問題はありません。
消費者金融から借入があると住宅ローンは難しくなる
住宅ローンの審査で引っ掛かるのは消費者金融です。
消費者金融の利用に対する対応は銀行によって異なります。
ただし一般的には消費者金融から借入があると住宅ローンのハードルは相当高くなります。
消費者金融は一般的に金利が高い個人向けの商品ですが、このような高い金利の消費者金融を利用するということはその人の資金繰りが苦しいことが想定されてしまいます。
住宅ローンはご承知のようにローン期間が20年とか35年といったように超長期の個人ローンです。
これだけ長い間、きちんと住宅ローンを返済していくにはやはりその個人の資金繰りが安定していることが大前提です。
消費者金融から借入があると資金繰りが安定していることに大きな懸念が生じてしまいます。
消費者金融から借入があればその一点で住宅ローンの審査に通らない可能性が大きくなります。
消費者金融から借入があると極端に住宅ローンに通る可能性が低くなる
他の借金の返済状況
もう1つは他の借金等の支払状況です。
延滞の有無を調べています。
返済状況の対象
他社借入状況で調査される返済状況はいわゆる教育ローンや車のローン、カードローンなどいわゆる個人ローンだけではありません。
クレジットカードの支払状況も調査の対象です。
クレジットカードのショッピング利用代金の支払状況やリボ払いの利用があれば、その返済状況も調査の対象です。
個人信用情報の調査
では銀行はどこから借入をしているか、きちんと返済をしているかどうかをどうやって調べるのかといえば、それは個人信用情報の調査です。
個人信用情報の調査を行うことで他社の借入先や返済状況、延滞の有無がわかるのです。
個人信用情報の調査により他社の借入有無やその返済状況がわかる
延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケース
基本的に他社借り入れで延滞があると住宅ローンの審査は非常に厳しいものになるのですが、ただ延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケースはあるのです。
どのようなケースなのかをご紹介します。
延滞の回数が少ない
個人信用情報の調査では直近2年間の返済状況がわかります。
返済日や支払日にきちんと支払いを行ったかどうかが個人信用情報の調査でわかります。
この延滞の回数が直近2年間で1回や2回程度であれば、「たまたま銀行口座に入金するのを忘れた」とも考えられます。
このような場合には他の住宅ローンの審査項目等から総合的に判断をして、延滞があっても住宅ローンの審査に通る可能性があるのです。
延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケース→延滞回数が1,2回程度と少ない
延滞の回数が3回、4回の場合
しかし延滞の回数が3回、4回となるともう住宅ローンは通りません。
延滞の回数が1回や2回のように「たまたま入金することを忘れた」とはもう考えることができません。
資金繰りが苦しい、お金に対してずさんといったマイナス面が出てきます。
現実にも他社借入の延滞回数が3回、4回となるともう住宅ローンは通りません。
延滞回数が3回以上になるともう住宅ローンは通らない
延滞が解消してから5年以上が経過している
ローンやクレジットカードの支払を3ヶ月以上延滞をすると個人信用情報に延滞情報として登録がされます。
延滞情報とは金融上の事故情報です。
いわゆるブラックリストに掲載されるということです。
この延滞情報が個人信用情報に登録があると一発で住宅ローンの審査には通りません。
個人信用情報のに延滞情報があると一発で住宅ローンは通らない
延滞情報が完済後5年で削除される
ただしこの延滞情報は延滞が解消してから5年が経過すれば個人信用情報から登録が削除されます。
個人信用情報から延滞情報が削除されれば住宅ローンの審査においては延滞がないと判断されます。
したがって過去に延滞をしたが延滞が解消してから5年経過後に住宅ローンを申し込んだ場合には、この延滞だけが理由で住宅ローンの審査に通らないということにはならないのです。
延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケース→延滞が解消してから5年以上が経過している場合
公共料金の延滞は関係がない
公共料金の支払いを請求書での納付や銀行口座からの引落で支払っている場合、公共料金の支払いを延滞していても住宅ローンの審査には関係がありません。
なぜなら請求書での納付や銀行口座から引落による公共料金の支払は個人信用情報への登録対象ではないからです。
そのため個人信用情報を調査しても公共料金の支払が延滞しているのかどうかはわかりません。
公共料金をクレジットカードで支払っている場合は要注意
ただし公共料金の支払いをクレジットカードで行っている場合には公共料金の延滞とはクレジットカードの延滞となります。
クレジットカードの支払が延滞しているとさきほども説明をしましたように住宅ローンの審査に通らない可能性があります。
延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケース→公共料金を請求書や口座引落で支払っている場合
延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケースのまとめ
延滞があっても住宅ローンの審査に通ったケースをまとめると次のようになります。
まとめ
・延滞の回数が1回や2回と少ない場合
・延滞が解消してから5年以上が経過している場合
・公共料金を請求書や口座引落で支払っている場合