住宅ローンの審査を受けたが金額が減らされてしまったという話はよくあることです。
希望額まで住宅ローンの審査が通るように金額の上乗せするにはどのような準備をしておけば良いのかを住宅ローンの審査項目との関係で説明をします。
目次
住宅ローンの審査項目一覧
この図は銀行で行われている住宅ローンの審査項目を示したものです。
これらの住宅ローンの審査項目のなかで金額に関係してくる項目は1の年収、5の担保評価額、そして9の返済比率です。
1つ1つを説明していきます。
年収
年収は多ければ多いほど住宅ローンの審査には有利になり金額の上乗せが期待できます。
年収が多いということは一般的にはそれだけ返済する能力が高いということですから住宅ローンの金額を上乗せできる可能性が高いのです。
これはわかりやすいと思います。
担保評価額
住宅ローンにおいては必ず購入する不動産に担保設定がされます。
そして銀行では担保を徴求するにおいて必ずその不動産の評価額を算定しています。
住宅ローンは必ずこの不動産の評価額の範囲内にする必要がありますから、不動産の担保評価額が高ければ高いほど住宅ローンの金額が上乗せできるのです。
住宅ローンの担保評価額は以前は物件の購入価格の7割とか8割が一般的でしたが、今では購入価格を担保評価額とすることも珍しくなくなってきました。
フルローンの取り扱いが増加したのもこの担保評価額が1つの要因です。
返済比率
返済比率とは年収に占めるローンの返済額の割合のことです。
返済比率の審査基準は年収の大小や銀行によって多少は異なりますが、返済比率の目線としては35%です。
返済比率は低いほど良いです。
返済比率が35%以下であれば返済比率の審査基準はOKとなります。
逆に返済比率が35%を超えると住宅ローンの審査には通らない可能性が高まります。
なお返済比率の分子であるローンの返済額には住宅ローンの返済額の他に別のローンをすでに利用している場合には、その別のローンの返済額も加算されます。
別のローンの返済額が加算されるということはそれだけ返済比率の数値が上昇するということになります。
したがって住宅ローンの審査で金額が上乗せできるようにするには、別のローンを住宅ローンの申し込む前までに完済しておくことが望ましいといえます。
別のローンがあるために住宅ローンの審査に通らなかった、金額を減らされたということはよくあることです。
住宅ローンの審査で金額を上乗せする工夫
以上を踏まえて住宅ローンの審査で金額を上乗せするにはどうしたら良いのでしょうか。
収入合算を利用する
収入合算は1の年収と9の返済比率の関係してきます。
住宅ローンの審査においては申し込んだ人の年収が審査で使われるのが基本です。
収入合算とは本人の収入に同居する配偶者の収入をプラスして住宅ローンの審査を受ける方法です。
配偶者の収入をプラスすることで当たり前ですが住宅ローンの審査に使用される年収が増加します。
さらに住宅ローンの審査に使用される年収が増加することで返済比率の低下という効果ももたらしてくれます。
実際に配偶者の収入を加算する収入合算は住宅ローンの金額を上乗せするためによく用いられている方法です。
なお収入を合算する配偶者は住宅ローンの連帯保証人や連帯債務者になる必要が出てきますので留意をしてください。
大手不動産会社から購入する
これは担保評価額と関係してきます。
さきほどの担保評価額のところで物件の購入価格を担保評価額とすることが珍しくなくなったと説明をしました。
この点において大手不動産会社が取り扱いをしている物件についてのみ購入価格を担保評価額とする扱いがあります。
大手不動産会社以外の不動産会社が取り扱いをしている場合には担保評価額は従来通りの物件購入価格の7割や8割を上限とする扱いがあります。
したがって大手不動産会社より物件の購入をすることで住宅ローンの金額が上乗せできる可能性があるのです。
住宅ローンの審査で金額を上乗せする方法 まとめ
以上をまとめますと次のようになります。
・住宅ローンを申し込む前に他のローンを完済しておく
・配偶者を収入合算者とする
・大手不動産会社から購入することで担保評価額を上げる