融資担当の銀行員は決算書を毎日眺めています。
決算書を眺めて融資が可能かどうかを検討しているわけですが、このように毎日、決算書を見ていると不思議なものでその会社の経営者の性格までほぼ見抜くことができます。
銀行員は決算書で経営者の性格がわかる
銀行員は決算書で経営者の性格を見抜きます。
少し大げさな表現かもしれませんが、実際そうなのです。
融資担当の銀行員は毎日毎日、融資先の決算書を眺めています。
融資が貸せるか貸せないか、その検討を決算書を眺めながら行っています。
単に決算書を眺めるだけではなく、その会社の経営者とも面談をします。
このような経験をいくつもいくつも積み重ねることにより、不思議なもので経営者の性格に応じて決算書の特徴が似ていることにある日気づくのです。
決算は経営者の考えが反映されている
上場企業は別として中小企業の場合には会社と経営者は実質一体と言える側面が多々あります。
現実問題としても中小企業の経営者は会社を自分自身だと考える人も少なくありません。
「俺の会社」という認識です。
その会社で働く社員さんも会社は経営者、つまり社長のものだという認識を強く持っている傾向があります。
すべての中小企業ではありませんが、決して少なく中小企業の経営者は会社を多かれ少なかれ「私物化」していることが少なくありません。
そのためか、不思議なもので経営者の考え方や性格が決算書に表れてくるのです。
毎日のように決算書を眺めている融資担当の銀行員は、やがて決算書を見ることでその会社の経営者の考え方や性格がわかってくるのです。
経営者の性格による決算書の傾向
そして経営者の性格によって決算書には一定の傾向が見て取れます。
真面目で厳格な経営者の決算書
非常に厳格で会社の経営と個人の生活をきちんと分けている経営者の場合、その会社の決算書は非常に綺麗です。
何が綺麗なのかといいますと、特に会社の保有資産にその特徴が現れます。
一言で言いますと会社が保有している資産は会社の事業に関係するものばかりです。
当たり前と言えば当たり前のことではあるのですが。
経営に関するものしか決算書には出ていません。
会社の資産も経営に関するものしか保有していません。
遊び好きの経営者の決算書
一方、遊び好きで会社を大きく力強いものにして行こうというよりは、豊かな個人の生活を送りたいとの思いが強い経営者の会社の決算書は、非常に複雑です。
つまり経営に関するものと個人の生活に関するものが決算書の中に混同されています。
会社の資産の中に、どう考えても経営には関係なく、むしろ個人の遊びためと考えらえる資産が混在しています。
例えば多数のゴルフ会員権、リゾート施設利用権、経営者への貸付金、事業に関係ない有価証券投資などです。
どちらの決算書が良いのか、一概には言えないと思いますが銀行融資の観点から見た場合は当然、前者の決算書に高い評価をつけます。
こういう決算書の会社は銀行として安心してつきあえる取引先です。
一方で後者のような決算書の会社は銀行としては不安を抱えながら付き合う必要がある取引先で積極的には取引拡大を望みません。