信用格付とは。
銀行と融資取引を行うにあたってはこの信用格付というものが銀行の融資姿勢や融資条件などにおおきな影響を与えます。
信用格付とはなにか、わかりやすく説明をします。
信用格付とは
銀行は融資先については必ず信用格付を定めています。
信用格付とは簡単に言えば融資先についての銀行が定めた通信簿です。
決算書などの財務資料の分析などを行って融資先の信用度の高低をいくつかのランクにわけており、これが信用格付と呼ばれるものです。
銀行によりこの信用格付のランク数は異なりますが、おおむね10から15ほどに区分けをしています。
結構、細かい区分けですよね。
信用格付により銀行の融資方針が決まる
信用格付のランク毎に銀行の融資方針の基本が定められています。
信用格付が高い(良い)取引先には積極的に銀行から融資提案を行う、逆に信用格付が低い(悪い)取引先に対しては追加融資は行わずもっぱら融資の回収に専念するといったように、信用格付のランクにより銀行の融資方針の原則が決まります。
信用格付による融資方針の原則は結構厳格なものがあり、融資方針の原則と異なる対応をする、例えば基本的に追加融資はしないといった方針先に対して融資を行う等といった対応は実務的には例外扱いの雰囲気です。
また融資をするかしないかに限らず、信用格付に基づいて利率や融資期間などの基準となる融資条件も決まります。
したがって取引先としては銀行の信用格付を高めることにより、より融資が受けやすくなったり、より低利率など良い条件で取引が出来ることになります。
信用格付が決まる要素
では信用格付を銀行はどのようにして決めていると思いますか?
信用格付は「定量要因」と「定性要因」の2つの要素で決めています。
定量要因
これは要するに決算書の財務分析です。
自己資本比率、流動比率、売上高借入金比率などさまざまな財務指標に基づいて定量化しています。
銀行員が電卓をはじいて計算するのではなく、決算書の数字をコンピュータに登録することで自動的にさまざまな財務指標が計算され、同時に定量要因に基づく信用格付(これを財務格付とも言います)のたたき台が決まります。
このたたき台に、資産の含み損益などを加味して最終的な定量要因に基づく信用格付が決まります。
ここの財務格付の分野には銀行員の手が入る余地はほとんどありません。
定性要因
これは取引先の属する業界環境、市場性、経営者の資質など数字では表せない要因のことです。
この定性要因の部分は誰が決めるのかと言えば、それは担当者です。
定性要因の判断は取引先のことを一番よくわかっている銀行員が行うのが理にかなっており、日頃から取引先に接している担当者が一番よくわかっているからです。
定量要因に基づく信用格付(財務格付)をベースにして、定性要因の判断を加味します。
もっとも定性要因を加味するといっても定量要因に基づいて算出された信用格付を引き上げる(良くする)ことはまずありません。
定性要因の加味はもっぱら定量要因に基づいて算出された信用格付を下方修正(悪くする)する方向に採用されています。
定量要因は決算書などの実数字によって機械的に算出されますが、定性用件は人間の考えが多少ですが影響を与えます。
日頃からの銀行とのコンタクト度合いが影響してきます。