中小企業や個人事業主が銀行から融資を受ける際、その多くは信用保証協会の保証制度を利用したものとなります。
信用保証協会を利用するには審査に通る必要がありますが、この信用保証協会の審査は厳しさはどのようなものなのでしょうか。
融資担当の銀行員が説明をします。
目次
信用保証協会の審査が厳しいかどうかの結論
信用保証協会の審査が厳しいかどうかですが、結論としては銀行の審査レベルよりは相当ハードルが低いです。
ただし信用保証協会ならではの審査の厳しさもあります。
信用保証協会の審査は銀行より優しい
信用保証協会とは信用力が一般的に弱い中小企業や個人事業主が銀行から融資を受けやすいようにするために設立されている公的機関です。
したがって原則として銀行の融資審査よりは信用保証協会の審査は厳しくありません。
審査が厳しいと信用保証協会の保証制度が利用できませんので、そうなると中小企業や個人事業主は銀行からスムーズに融資が受けられなくなります。
そのため繰り返しですが信用保証協会の審査は少なくとも銀行に比べると厳しいとは言えません。
もっとも審査が甘いとまでは言えません。
審査自体はきっちりと行われます。
ただし審査が厳しいというよりはなるべく中小企業や個人事業主が銀行から融資を受けられるようにという態度で審査は行われています。
信用保証協会は中小企業や個人事業主が銀行から融資が受けられるようにする公的機関
信用保証協会の審査が優しい一面
ここで信用保証協会の審査が銀行の審査よりも厳しくない一面をご紹介します。
それは税金の滞納です。
銀行の融資審査では税金の滞納がわかれば滞納の大小に関わらずほぼ100%審査は通りません。
しかし信用保証協会では次のような条件が充足されていると税金を滞納していても審査に通る可能性があります。
税金滞納でも審査に通る可能性があるケース
・複数回分納により税金が納付されている
・今後も分納により税金の納付が確実に可能と考えられる
・税金の滞納が短期間、長くとも1年以内に完納となる
決して緩い条件ではありませんが、銀行の融資審査とは異なり信用保証協会の場合には税金を滞納している状態でも審査に通る可能性があります。
信用保証協会の審査内容
信用保証協会は利用者が銀行から融資を受けやすくするために融資の保証をしてくれる役割であり、直接、信用保証協会が融資をするわけではありません。
ただ直接には融資をしないまでも、実質的には融資を行うのと大きな違いはありません。
そのため信用保証協会の審査は基本的に銀行の融資審査とほぼ同じような内容で行われます。
この図は銀行での融資審査の内容や流れを示したものですが、このうち、
信用保証協会の主な審査項目
2.業績はどうか
3.今回の資金使途は何か
5.保全はどうか
7.資金調達の余力はあるか?
の5項目を中心に信用保証協会では審査が行われます。
信用保証協会の審査が厳しい一面
もっとも信用保証協会の審査においては「ここだけは絶対に譲れない」という厳しいところがあります。
銀行以上に審査が厳しいポイントです。
それは許認可関係です。
例えば飲食業や建設業に代表されるように事業を行うにあたって許認可が必要な業種の場合には、その許認可を取得していないと審査に通ることは絶対にありません。
信用保証協会は信用保証協会法という法律に基づいて設立されている公的機関です。
そのため公的機関だからこそ許認可関係の部分は絶対に審査において譲れない特徴があります。
許認可関係の信用保証協会の審査は厳しいと言えます。
信用保証協会の審査は厳しいですか?のまとめ
以上、信用保証協会の審査は厳しいかどうかについてまとめますと次のようになります。
まとめ
・したがって信用保証協会の審査レベルは銀行に比べると優しい
・一方で事業の許認可関係についての信用保証協会の審査は銀行以上に厳しい
・許認可を取っていないと信用保証協会の審査には絶対に通らない