黒字倒産のという言葉はすでに聞かれたことがあり、内容も理解されていると思います。
黒字倒産は資金繰りの重要性を何よりも示している事態だと思います。
資金繰りと黒字倒産の関係から資金繰りの重要性について改めて説明をします。
目次
黒字倒産とは
黒字倒産にはご承知の方も多いと思いますが、簡単に黒字倒産について整理をしておきます。
黒字ということは儲かっているということ
黒字とはもちろん利益がプラスのことを示しています。
つまり儲かっているということです。
黒字は利益がプラスということですから一般的に手元の資金が増えます。
逆に赤字であれば手元資金は必ず減少します。
黒字であれば手元資金は増加するわけですが、資金繰りも楽になると考えるのが普通です。
資金がある限り倒産はしない
赤字であると倒産してもおかしくないと考えられますが、実は黒字であろうと赤字であろうと手元に資金があり資金繰りが回っている限り、倒産することはありません。
実際に赤字がずっと続いているにも関わらず、倒産することなく事業を継続している事業者は決して少なくありません。
なぜ赤字がずっと続いているにも関わらず倒産をしないかといえば、それは資金繰りが維持されているからに他なりません。
手元に資金があれば仕入の支払もできますから仕入先から仕入をストップされて事業ができなくなるといったこともないわけです。
したがってどれだけ赤字であっても資金繰りが維持されている限り、倒産することはないのです。
黒字倒産とは資金繰りが破綻したということ
黒字であれば手元に入ってくる資金も増えますから、基本的に資金繰りは楽になります。
それにも関わらず黒字にも関わらず倒産したということは、資金繰りが破綻したということです。
なぜ黒字なのに資金繰りは破綻していわゆる黒字倒産になってしまうのでしょうか。
黒字倒産の理由
黒字倒産の理由は細かいものも含めればいろいろとありますが、代表的な黒字倒産の理由をご紹介します。
売掛債権が焦げ付いている
売掛債権とは売掛金とか受取手形のことであり、要するに売上は発生したもののまだその売上代金が回収されていないもののことです。
実は利益は売上代金が回収されたことが条件ではありません。
売上が発生すれば利益は計上できるのです。
売掛債権は販売先が今後支払ってくれるものではありますが、販売先の資金繰りの事情等により販売先が売上代金を支払わない、つまり売掛債権が焦げ付いてしまうことがあります。
このため資金繰りに穴が開いてしまい、自社の資金繰りが破綻し倒産に至ってしまうことがあるのです。
売上は発生していますから利益は出ています。
しかし売上代金を回収することができないために資金繰りは破綻し黒字倒産になってしまったわけです。
在庫が売れない
在庫を準備するには資金が必要です。
在庫は売れて初めて現金化するものです。
在庫である間は売上も発生しませんし利益も発生しませんし、そして資金も手元に入ってきません。
在庫のままであると確かに利益は発生しないのですが、一方で赤字も発生しません。
しかし在庫である間は資金が手元に入ってきません。
つまり在庫を準備するために要した資金が回収できていないということです。
時間がかかっても在庫が売れれば良いですが、もう売れる見込みのない不良在庫化してしまうこともあります。
不良在庫化してしまえば、もう資金を回収することができません。
そのために資金繰りが行き詰まって黒字倒産になってしまうケースがあるのです。
投融資に失敗した
本業以外で例えば株式で資金を運用したり、あるいは賃貸不動産を購入して賃料収入を得ることを行うことがあります。
株式が値上がりしてそれを売却すれば投資した以上の資金が手元に入ってきますし、安定した賃料収入は本業の資金繰りへのプラスともなります。
しかし株式が値下がりして売却ができなけば資金が手元に入ってきません。
株式を売却したものの当初の購入価格より値下がりをしていたため、当初投入した資金が目減りすることもあるでしょう。
さらに賃貸不動産において空き室が多くなり、当初見込んだ賃料収入が得られないこともあるでしょう。
このような状態になると資金繰りに穴が開くことになります。
これが原因で資金繰りが破綻し黒字倒産に至ってしまうこともあるのです。
資金繰りと黒字倒産のまとめ
以上、資金繰りと黒字倒産の関係をまとめると次のようになります。
まとめ
・利益は出ているが売掛債権の焦げ付きで資金繰りが破綻して黒字倒産に至った
・不良在庫が多くなり資金繰りが破綻して黒字倒産に至った
・投融資に失敗して資金繰りが行き詰まり黒字倒産に至った