「長期借入金の毎月の返済が重く、資金繰りが苦しい」
「年間の借入金返済額が利益を上回っているが、このまま返済を続けられるのだろうか」
「返済が難しくなった場合、銀行は追加融資や借換えに応じてくれるのだろうか」
長期借入金を多く抱える中小企業の経営者にとって、借入金の返済負担は大きな悩みです。
銀行から借り入れた資金は、原則として契約に従って返済しなければなりません。しかし、運転資金のための借入なのか、設備投資のための借入なのかによって、返済資金の考え方や銀行が検討する対応策は異なります。
結論から申し上げると、長期借入金の返済が苦しい場合には、追加融資だけでなく、折り返し融資、借換え、返済条件の変更、収益力の改善などを組み合わせて検討する必要があります。
特に重要なのは、現在の借入金残高だけでなく、年間の元金返済額と会社が実際に生み出している返済原資を確認することです。
この記事では、年商10億円、長期借入金5億円という相談事例をもとに、長期借入金の返済が苦しい会社に対する銀行の考え方と、経営者が取るべき対応について、法人融資の実務経験を踏まえて解説します。
長期借入金の返済が苦しい場合はどうなる?まず結論
長期借入金の返済が難しくなった場合、銀行が検討する対応は会社の状況によって異なります。
代表的な選択肢は次のとおりです。
- 運転資金の追加融資
- 既存借入金の折り返し融資
- 借換えによる返済期間や毎月返済額の見直し
- 既存借入金の返済条件変更(リスケジュール)
- 売掛金回収や在庫削減などの資金繰り改善
- 収益改善や設備投資計画の見直し
ただし、これらの方法を銀行が必ず認めるわけではありません。追加融資や借換えには審査があり、返済条件の変更にも銀行との協議と承諾が必要です。
長期借入金の返済が苦しくなる見込みがある場合には、延滞する前に、返済予定と資金繰りを整理して銀行へ相談することが重要です。
銀行への相談時期や準備については、資金繰りが苦しいときの銀行への相談方法でも解説しています。
相談事例:年商10億円、長期借入金5億円の会社
まず、長期借入金の返済について寄せられた相談を紹介します。
中小企業の経理担当者からの相談
当社の年商は約10億円です。
運転資金を中心に、長期借入金が約5億円あります。
借入期間はいろいろですが、おおむね5年程度ですので、単純に計算すると年間約1億円の元金返済が必要になります。
しかし、当社は年間1億円もの利益を上げていません。
現時点ですぐに返済できなくなるわけではありませんが、将来、長期借入金を返済できない時期が来るのではないかと心配しています。
このような場合、銀行はどのように対応するのでしょうか。返済できずに延滞するしかないのでしょうか。
この相談のポイントは、借入金残高5億円という金額だけではありません。
年間約1億円という元金返済額に対して、会社がどれだけの返済原資を確保できているかが重要です。
年商10億円に対して借入金5億円は多いのか
年商10億円に対して借入金5億円ということは、借入金残高は年商の50%に相当します。
ただし、この比率だけで借入金が過大だと断定することはできません。
必要な運転資金の規模、保有する設備、収益力、現金預金残高、業種などによって、適正な借入金額は異なります。
例えば、売掛金の回収期間が長い業種や設備投資が多い業種では、借入金が比較的大きくなる場合があります。
そのため、銀行は借入金残高を売上高と比較するだけでなく、返済能力や資金繰りも確認します。
5億円を5年間で返済するなら年間1億円
仮に5億円の借入金をすべて5年間の元金均等返済で返済するとすれば、年間元金返済額は1億円になります。
年間元金返済額の単純計算
借入金残高5億円 ÷ 5年 = 年間1億円
年間1億円 ÷ 12か月 = 月平均約833万円
ただし、実際の年間返済額は、各借入金の残存期間、返済方法、据置期間、返済期日などによって異なります。
そのため、会社の実際の返済負担を把握するには、借入金ごとの返済予定表を合計する必要があります。
経営者が最初に確認すべきなのは、借入金の総額よりも、今後12か月間に実際に返済する元金の合計額です。
年間返済額が利益を上回っていたら返済できないのか
今回の相談では、年間の元金返済額が約1億円である一方、年間利益は1億円に達していません。
このため、経理担当者は返済できなくなることを心配しています。
しかし、年間の元金返済額が当期純利益を上回っているという理由だけで、直ちに返済不能と判断することはできません。
銀行借入金の返済能力を考える際には、利益に加えて減価償却費や運転資金の増減などを確認する必要があるためです。
利益と借入金の返済原資は同じではない
例えば、当期純利益が5,000万円で、減価償却費が6,000万円ある会社を考えてみましょう。
この場合、当期純利益と減価償却費を合計すると1億1,000万円になります。
簡易的な返済原資の計算例
当期純利益:5,000万円
減価償却費:6,000万円
簡易的な返済原資:1億1,000万円
年間元金返済額:1億円
この単純計算では、利益だけを見るよりも返済原資に余裕があるように見えます。
ただし、これはあくまで簡易的な見方です。
実際には、売掛金や在庫の増加、税金の支払、設備投資などによって現金が減少する場合があります。
また、減価償却費に相当する金額がそのまま預金として残っているわけではありません。
そのため、実際の返済可能性は資金繰り表でも確認する必要があります。
返済能力を判断するには資金繰り表が必要
借入金の返済原資を考える際には、利益だけでなく、実際の入出金を確認することが重要です。
例えば、当期純利益と減価償却費の合計が1億1,000万円であっても、売掛金や在庫の増加によって3,000万円の資金が必要になれば、返済に充てられる資金は少なくなります。
一方、売掛金の回収が進み、在庫が減少すれば、資金繰りが改善する場合もあります。
このような資金の動きを確認するために、資金繰り表が必要です。
資金繰り表を使った借入金額と借入時期の考え方は、資金繰りのための銀行借入はいつ・いくら必要かで詳しく解説しています。
運転資金の長期借入金は返済が進むと資金繰りが苦しくなることがある
銀行融資の資金使途は、大きく運転資金と設備資金に分けられます。
まず、運転資金のために借り入れた長期借入金について考えます。
運転資金には事業を続ける限り必要な部分がある
運転資金とは、仕入代金の支払から売上代金の回収までの時間差などを補うために必要な資金です。
例えば、商品を仕入れて販売し、その売上代金を2か月後に回収する会社では、代金回収までの間、仕入代金や経費を支払うための資金が必要になります。
事業を継続する限り、売掛金や在庫などに一定の資金が必要になる会社も少なくありません。
運転資金の仕組みについては、運転資金とは何かで詳しく説明しています。
運転資金を毎月返済すると何が起きるのか
例えば、会社が必要な運転資金として5,000万円を銀行から借り入れ、5年間で毎月返済する契約を締結したとします。
元金均等返済であれば、年間の元金返済額は1,000万円です。
しかし、売掛金や在庫に必要な資金が5,000万円のままであれば、借入金の返済が進んでも、事業に必要な運転資金が同じように減るとは限りません。
その結果、返済によって手元資金が減少し、資金繰りが苦しくなる場合があります。
もちろん、営業活動で十分な現金を生み出していれば、返済を進めながら資金繰りを維持できる場合もあります。
運転資金の長期借入金については、借入金の返済が進んでも必要運転資金が減少しない場合があることを理解しておく必要があります。
必要運転資金の金額を確認する
銀行が運転資金の融資を検討する際には、売掛金、棚卸資産、買掛金などの状況を確認します。
代表的な所要運転資金の計算式は次のとおりです。
所要運転資金の基本的な計算式
売上債権 + 棚卸資産 - 仕入債務
実際には業種や取引条件、季節変動なども考慮する必要があります。
詳しい計算方法は、運転資金は月商の何倍必要かをご覧ください。
運転資金の長期借入金が苦しい場合の追加融資・折り返し融資
運転資金の長期借入金では、返済が進んだ段階で、銀行が追加融資や折り返し融資を検討することがあります。
ただし、返済した分を必ず借り直せるわけではありません。
追加融資とは
追加融資とは、既存の借入金を残したまま、新たに融資を受ける方法です。
例えば、既存の運転資金融資が3,000万円残っている会社に対して、追加で1,000万円を融資するケースです。
追加融資によって手元資金を確保できる一方、既存融資と新たな融資の両方を返済する必要があります。
そのため、借入後の毎月返済額が増加する場合があります。
折り返し融資とは
折り返し融資とは、返済が進んだ運転資金融資について、改めて融資を受ける方法です。
例えば、当初5,000万円を借り入れ、返済によって現在の残高が3,000万円になったとします。
このとき、銀行が新たに5,000万円の融資を実行し、その資金で既存融資3,000万円を完済すれば、差額の2,000万円を運転資金として確保できます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 当初の融資金額 | 5,000万円 |
| 現在の借入金残高 | 3,000万円 |
| 新たな融資金額 | 5,000万円 |
| 既存融資の返済 | 3,000万円 |
| 新たに確保できる資金 | 2,000万円 |
※上記は仕組みを説明するための仮定例です。実際の融資には審査が必要であり、金利や諸費用なども考慮する必要があります。
折り返し融資では、新しい融資の返済期間を設定し直すこともありますが、必ず毎月の返済額が減少するわけではありません。
詳しい仕組みや銀行の審査については、運転資金の折り返し融資とはで具体例を使って説明しています。
追加融資や折り返し融資を受けられない場合もある
運転資金の返済が進んだからといって、銀行が必ず追加融資や折り返し融資を行うわけではありません。
例えば、次のような場合には慎重な審査となることがあります。
- 売上高や利益が大きく減少している
- 営業赤字が継続している
- 借入金残高が返済能力に対して過大になっている
- 資金不足の原因が明確になっていない
- 借入後の返済見通しが立たない
運転資金の長期借入金についても、追加融資を前提とした資金繰り計画だけに頼ることは避けるべきです。
設備資金の長期借入金の返済が苦しい場合
次に、設備資金のために借り入れた長期借入金について説明します。
設備資金とは、工場、機械、店舗、車両などの設備投資に必要な資金です。
設備資金は投資効果から返済するのが基本
設備資金の融資では、設備投資によって生み出される収益やキャッシュフローなどから、借入金を返済することが基本的な考え方です。
例えば、新しい機械を導入して生産能力を高め、その結果として増加する利益や資金収支を返済計画に反映します。
ただし、実際の返済原資は、その設備単独の利益だけでなく、会社全体の事業活動によって生み出される資金である場合もあります。
設備投資の計画どおりに利益が出ない場合
設備資金の返済が苦しくなる原因として、投資当初の計画どおりに売上や利益が増えていないことが考えられます。
例えば、次のようなケースです。
- 新工場を建設したが受注が計画を下回った
- 新店舗の売上が想定ほど伸びなかった
- 設備稼働率が低く、固定費を十分に回収できていない
- 原材料費や人件費が増加して利益率が低下した
このような場合には、設備投資の収益計画を見直す必要があります。
一方、設備投資自体は計画どおりでも、会社全体の業績悪化や他の借入金の返済負担によって資金繰りが苦しくなる場合もあります。
設備資金の返済を新たな運転資金で補うことはできるのか
設備資金の返済が苦しい場合、銀行が会社全体の資金繰りを確認したうえで、運転資金の追加融資を検討することがあります。
ただし、設備資金の返済が苦しいという理由だけで、運転資金融資が当然に認められるわけではありません。
新たな融資によって既存融資の返済を補う場合には、資金使途の妥当性や返済能力などについて慎重な判断が必要です。
また、銀行や融資制度によっては、借入金の返済に充てることを資金使途として認めない場合があります。
そのため、設備資金の返済が苦しい場合には、追加融資だけでなく、既存融資の借換えや返済条件の見直し、収益改善策などを含めて検討することが重要です。
長期借入金の返済が苦しい会社が検討したい4つの対策
長期借入金の返済負担が重い場合には、会社の財務状況に応じて対応策を検討します。
対策1:追加融資で必要な運転資金を確保する
売掛金や在庫などに必要な運転資金が不足している場合には、追加融資を検討することがあります。
ただし、新たな借入金の返済が始まることで、毎月の返済負担が増える可能性があります。
追加融資の必要額と借入後の資金繰りについては、資金繰りのための銀行借入の判断方法も参考にしてください。
対策2:折り返し融資・借換えを検討する
運転資金の借入金については、返済が進んだ段階で折り返し融資を検討する方法があります。
また、既存借入金を新しい融資に借り換え、返済期間や毎月返済額を見直す方法もあります。
ただし、借換えには新たな審査が必要であり、借換え後の金利や返済総額が変わる場合もあります。
毎月の返済額だけでなく、総返済額や資金繰りへの影響を確認することが重要です。
対策3:返済条件変更(リスケジュール)を相談する
新たな融資が難しく、現在の返済を継続することも困難な場合には、銀行に返済条件の変更を相談することが考えられます。
返済条件の変更とは、例えば次のような対応です。
- 毎月の元金返済額を減らす
- 一定期間、元金返済を猶予する
- 返済期間を延長する
ただし、返済条件変更には銀行の承諾が必要です。
また、返済条件変更後は、新規融資の審査が慎重になる場合があります。
そのため、返済条件変更を相談する際には、今後の業績改善や資金繰りの見通しも整理しておくことが重要です。
返済が難しくなる見込みであれば、延滞する前に銀行へ相談してください。銀行の承諾を得ずに返済を停止することは避けるべきです。
対策4:収益力と資金繰りの改善を進める
借入金の返済負担が重い会社では、融資による支援だけでなく、会社自身の財務改善も必要です。
例えば、次のような対策があります。
- 不採算取引や不採算部門の改善
- 売上総利益率の改善
- 固定費の見直し
- 売掛金の回収促進
- 過剰在庫の削減
- 設備投資の優先順位の見直し
- 不要な資産の売却
借入金の返済負担を軽減する対策と、会社が現金を生み出す力を高める対策を組み合わせることが重要です。
長期借入金の返済が苦しいときのメール相談
長期借入金の返済が苦しい場合には、単に新たな融資を申し込むのではなく、現在の借入金の返済予定と会社の返済能力を整理することが重要です。
特に、複数の銀行から長期借入金を利用している会社では、借入金全体の返済計画を見直す必要がある場合があります。
銀行融資・資金繰りのメール相談
長期借入金の返済負担、追加融資、借換え、返済条件変更、銀行への説明方法などについてお悩みの場合は、メール相談をご利用ください。
※現在はメールによる相談です。融資の承認・実行を保証するものではありません。相談条件については相談ページをご確認ください。
銀行は長期借入金の返済負担をどのように判断するのか
銀行は、借入金の返済負担が重い会社について、主に次の点を確認します。
1. 借入金の年間元金返済額
銀行は、今後1年間にどれだけの元金返済が必要になるのかを確認します。
複数の銀行から借入をしている場合には、すべての借入金の返済予定を合計することが重要です。
また、短期借入金の期日一括返済が予定されている場合には、その資金手当ても確認する必要があります。
2. 利益と減価償却費
銀行は、会社の利益や減価償却費などから返済原資を確認します。
ただし、利益と減価償却費の合計だけで返済能力が決まるわけではありません。
売掛金や在庫の増減、税金の支払、設備投資なども考慮する必要があります。
3. 現金預金残高と資金繰り
会社にどれだけの現金預金があり、今後の支払と返済を続けられるかを確認します。
特に、資金繰り表によって今後3か月から1年程度の見通しを確認することが重要です。
4. 借入金の使い道と必要性
銀行は、借入金が運転資金として必要なのか、設備資金として必要なのかを確認します。
運転資金であれば、売掛金や在庫などの所要運転資金との関係を確認します。
設備資金であれば、設備投資の効果や返済見通しを確認します。
5. 経営者が改善策を把握しているか
銀行は、経営者が借入金の返済負担をどの程度把握し、どのような改善策を検討しているかも確認することがあります。
単に「返済が苦しいので追加融資をお願いしたい」と伝えるだけでは、銀行は今後の返済可能性を十分に判断できません。
銀行に対しては、返済が苦しい原因、今後の資金繰り、具体的な改善策を数字で説明することが重要です。
年商10億円・借入金5億円の会社は何から改善すべきか
冒頭の相談事例に戻りましょう。
年商10億円、長期借入金5億円、年間元金返済額が約1億円という会社です。
この会社について、最初に確認すべきことは次の4つです。
1. 借入金5億円の内訳を整理する
まず、借入金5億円を運転資金と設備資金に分けて整理します。
運転資金であれば、事業を続けるために必要な所要運転資金との関係を確認します。
設備資金であれば、設備投資の効果と返済予定を確認します。
2. 年間1億円の返済予定を正確に確認する
借入金5億円を5年で割るだけでなく、実際の返済予定表から今後12か月間の元金返済額を計算します。
また、借入金ごとの最終返済日や短期借入金の期日も確認します。
3. 返済原資と資金繰りを確認する
当期純利益と減価償却費などを参考にしながら、会社がどの程度の資金を生み出しているのかを確認します。
そのうえで、今後の売掛金回収、仕入代金の支払、税金、設備投資、借入金返済などを資金繰り表に反映します。
これにより、実際にいつ資金不足が発生するのかを把握できます。
4. 銀行に相談する方針を決める
資金繰り表を作成した結果、返済負担が重くても事業を継続できる見通しであれば、現在の返済計画を維持することも考えられます。
一方、今後資金不足が発生する見込みであれば、追加融資、折り返し融資、借換え、返済条件変更などを検討します。
その際には、銀行ごとの借入残高や返済予定を整理し、どのような対応が適切かを考える必要があります。
重要なのは、資金不足が発生してから対応するのではなく、返済が難しくなる時期を予測して早めに対策を講じることです。
長期借入金の返済を安定させるための毎月の財務管理
長期借入金の返済負担を管理するためには、毎月の財務状況を継続的に確認することが重要です。
特に、次の5項目を確認することをおすすめします。
1. 借入金残高と年間元金返済額
銀行別の借入金残高と今後12か月間の元金返済予定を確認します。
借入金一覧表を作成し、毎月更新すると管理しやすくなります。
2. 営業利益と減価償却費
営業利益の推移と減価償却費を確認します。
ただし、利益と減価償却費の合計だけで返済能力を判断せず、実際の資金収支も確認します。
3. 現金預金残高
現在の手元資金を確認します。
現金預金残高が多くても、近い将来に多額の返済や支払があれば資金不足になる場合があります。
4. 今後3か月から1年の資金繰り
資金繰り表を定期的に更新し、借入金返済後の手元資金残高を確認します。
特に、元金返済が集中する月や設備投資が予定されている月に注意します。
5. 業績計画と実績の差
売上高や利益が計画を下回っている場合には、原因を確認し、改善策を検討します。
返済計画を立てた当時と業績が変わっている場合には、資金繰り見通しも見直す必要があります。
長期借入金の返済負担は、一度確認して終わりにするのではなく、毎月の財務管理の中で継続的に確認することが重要です。
長期借入金の返済負担を確認するチェックリスト
自社の借入金管理について、次の8項目を確認してみてください。
長期借入金・返済計画チェックリスト
チェック数:0 / 8
チェックできなかった項目がある場合には、まず借入金一覧表と資金繰り表を作成し、現在の返済負担と今後の資金繰りを整理してみてください。
長期借入金の返済に関するよくある質問
長期借入金の年間返済額が利益を上回っていても大丈夫ですか?
年間返済額が当期純利益を上回っているという理由だけで、直ちに返済不能とは限りません。減価償却費や運転資金の増減、設備投資などを含めて実際の返済原資を確認する必要があります。
運転資金の長期借入金は返済が進めば追加融資を受けられますか?
返済が進んだ段階で追加融資や折り返し融資を検討できる場合があります。ただし、銀行による審査が必要であり、必ず融資を受けられるわけではありません。
設備資金の長期借入金の返済が苦しい場合はどうなりますか?
会社全体の資金繰りや収益力を確認し、借換え、返済条件変更、収益改善などを検討します。状況によっては追加融資が検討される場合もありますが、必ず認められるわけではありません。
長期借入金を借り換えれば毎月の返済額は減りますか?
借換え後の返済期間や返済方法によっては、毎月の返済額が減少する場合があります。ただし、必ず減少するわけではなく、金利や総返済額も確認する必要があります。
銀行に返済条件の変更を相談すると追加融資を受けられなくなりますか?
返済条件を変更した場合、その後の新規融資の審査が慎重になることがあります。ただし、すべてのケースで新規融資が不可能になるわけではありません。会社の業績や改善状況、金融機関の判断によって異なります。
長期借入金の返済ができなくなりそうな場合、いつ銀行へ相談すべきですか?
返済が難しくなる見込みが分かった段階で、できるだけ早く相談してください。返済期日を過ぎてからでは、銀行が対応策を検討する時間が限られます。
長期借入金の返済が苦しい場合のまとめ
長期借入金の返済が苦しい場合には、借入金の使い道と会社の返済能力を確認することが重要です。
- 長期借入金の返済負担は借入金残高だけでなく年間元金返済額で確認する
- 年間返済額が利益を上回っていても、直ちに返済不能とは限らない
- 運転資金の借入金は、返済が進んでも必要運転資金が減少しない場合がある
- 運転資金の追加融資や折り返し融資には銀行の審査が必要
- 設備資金の返済が苦しい場合には、投資効果と会社全体の資金繰りを確認する
- 追加融資だけでなく、借換えや返済条件変更も検討する
- 返済が難しくなる場合には延滞前に銀行へ相談する
- 毎月の財務管理によって返済負担と資金繰りを継続的に確認する
銀行員として特にお伝えしたいのは、長期借入金の返済が苦しくなったとき、追加融資を受けられるかどうかだけを考えるのではなく、会社全体の借入金管理と資金繰りを見直すことが重要であるという点です。
一時的に資金を確保できても、返済負担や収益力に問題が残っていれば、再び資金繰りが苦しくなる可能性があります。
そのため、借入金一覧表、返済予定表、資金繰り表、試算表などを活用し、継続的に財務状況を確認することが大切です。
こうした管理を続けることで、返済が難しくなる時期を早めに把握し、銀行への相談や改善策の検討を進めやすくなります。
関連記事
長期借入金の返済負担を改善するためには、運転資金の必要額や折り返し融資、資金繰りの管理方法についても理解しておくことが重要です。
資金繰りのための銀行借入はいつ・いくら必要か
資金繰り表を使い、銀行から借入をする時期と必要金額をどのように判断するかを解説しています。
運転資金の折り返し融資とは
返済が進んだ運転資金を再び借り入れる折り返し融資の仕組みや銀行の審査について解説しています。
運転資金は月商の何倍必要か
売掛金や在庫、買掛金から必要運転資金を計算する方法を解説しています。
資金繰りが苦しいときの銀行への相談方法
資金繰りが悪化した場合に、銀行へ相談するタイミングや準備すべき資料について解説しています。
銀行融資・資金繰りのメール相談
長期借入金の返済が苦しい場合には、現在の借入金の返済予定、会社の返済能力、今後の資金繰りを整理することが重要です。
特に、複数の銀行から借入をしている会社では、借入金全体の返済計画を見直し、継続的に財務状況を確認する必要がある場合があります。
銀行融資・資金繰りのメール相談
長期借入金の返済負担、追加融資、折り返し融資、借換え、返済条件変更、資金繰り改善などについてお悩みの場合は、メール相談をご利用ください。
※現在はメールによる相談です。融資の承認・実行を保証するものではありません。相談条件については相談ページをご確認ください。