運転資金の追加融資に関するテーマです。
今回は建設業の自営業者さんからの運転資金の追加融資に関する質問です。
目次
建設業の自営業者からの運転資金の追加融資に関する質問
運転資金の追加融資に関する質問です。
自営業者で建設業を営んでいます。
去年の売上は3,000万円でした。
所得はおよそ1,000万円です。
4年ほど前に取引の信用金庫から県の保証協会の融資を500万円受けました。
遅れることなく返済を続けており、あと100万円ほど残っています。
今後、大きな受注が取れる予定で運転資金が500万円ほど必要です。
利益も取れる工事なので何とか受注を取っていきたいと考えています。
ただし500万円もの運転資金は手元になく用意ができません。
そのためまた県の保証協会を使って運転資金の追加融資を希望しています。
昔借りた運転資金がまだ100万円残っていますので追加融資は難しいでしょうか。
何とか運転資金の追加融資を借りる方法はないでしょうか。
質問のポイント
・昔借入した運転資金の借入が100万円ほど残っている
・新しい仕事の受注で運転資金が500万円ほど必要
・今の借入を完済しない限り、運転資金の追加融資を受けることは困難か
借入があっても追加融資は可能
まず、現在、以前借入した融資が残っていても追加融資を受けることはできます。
今の借入を完済しないと次の運転資金の融資が受けられないということはありません。
現在借入があっても運転資金の追加融資は可能。
完済しない限り追加融資は困難ということではない。
売上に対する借入の割合
さて売上は3,000万円です。
そして現在の借入額が100万円で、追加融資が500万円ですから合計で600万円の総借入金となります。
600万円という総借入金は売上3,000万円の20%に相当します。
借入金の総額が売上の20%という水準は決して過多とは言えない状態です。
売上対比の借入金の割合からは運転資金の追加融資は検討可能と言えます。
総借入金が売上の20%であれば運転資金の追加融資は検討可能な水準
運転資金の追加融資の申し込み方法
さて具体的な運転資金の追加融資の申し込み方法を説明します。
まずは受注予定の工事概要を伝える
まずは受注予定の工事概要を伝えてください。
工事概要とは、
工事概要
・工事原価
・工事代金の回収方法と回収時期
最低限、この3項目は伝えられるように準備をしてください。
運転資金は工事原価の範囲内
そして運転資金の融資金額は工事原価の範囲内です。
受注金額の範囲内ではありません。
建設業における運転資金というのは工事代金回収までに立替が必要となる工事原価が対象となります。
材料費や外注費、人件費などが主だった工事原価になると思いますが、建設業における運転資金というのはこの工事原価が対象となります。
建設業における運転資金の対象は工事原価
建設業における運転資金は工事紐付き融資が原則
現在借入している運転資金は特定の工事に紐つかない長期運転資金だと思いますが、本来、建設業における運転資金は工事紐付きとなります。
工事毎の運転資金の融資になるということです。
今回申し込みをする金融機関や県の保証協会がどのような判断をするかは不明ですが、仮に長期運転資金は無理だとしたら今回受注予定の工事に紐付いた運転資金として申し込みをすれば良いでしょう。
工事紐付き融資の場合の返済期日は工事代金の回収日となります。
今回の運転資金の追加融資案件は十分に検討可能な案件だと考えられます。
県保証協会を完済しないと運転資金の追加融資は無理でしょうか?のまとめ
以上、運転資金の追加融資についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・建設業向けの運転資金は工事原価の範囲内
・建設業向けの運転資金は工事紐付き融資の形態が原則
・売上に占める総借入金の割合が20%であれば運転資金の追加融資は検討可能な範囲内