納めなければならないものを納めていないというのは銀行融資の審査上は大きなマイナスとなります。
代表的なものは税金ですが、その他の例えば社会保険料も未納が発覚した場合には、ほとんどの場合、銀行の審査には落ちる理由になります。
銀行の審査の中心
銀行における融資の審査の中心は融資先がきちんと融資を返済できるかどうかという一点にあります。
この融資を返済できるかどうかという一点を確認するために決算書などの資料を分析したりしていると言えます。
資金繰りの安定が不可欠
そして融資がきちんと返済できるためにはとにかく資金繰りが安定していることが絶対条件です。
資金繰りが不安定であればきちんと融資の返済などできません。
社会保険料の未納
社会保険料というのは事業者が納付する義務があるもので税金に準する項目です。
これが未納というのはどういうことでしょうか。
おそらく資金繰りが苦しいために納付ができなかったと考えるのが自然ではないでしょうか。
資金繰りが苦しい=融資の返済ができないと銀行は考えますから融資の審査に落ちる理由となってしまいます。
また社会保険料は税金と同じく会社が納付する法定義務があるものです。
この法定義務を果たしていないことも融資の審査に落ちる理由ともなります。
社会保険料の未納はなぜわかるのか
決算書のどこを見ても社会保険料が未納であるということは記載されていません。
では銀行はどのようにして社会保険料が未納であることを見抜くのでしょうか。
決算書から社会保険料の未納を類推
社会保険料については決算書の勘定明細から未納の有無を類推しています。
決算書の勘定明細の未払金や預り金欄に社会保険料の未払額が計上されています。
もっとも社会保険料の未払金が計上されているからといって、直ちに銀行融資をお断りするわけではありません。
社会保険料の納付期限は翌月末となっています。
例えば3月分の社会保険料の納付期限は4月末です。
そして月末が銀行休業日の場合には、翌営業日が納付期限となっています。
例えば4月末が土曜日や日曜日などで銀行休業日である場合には、5月の最初の営業日が納付期限となります。
したがって1か月分の社会保険料の未払金が計上されているのは当たり前ということになります。
そして2か月分の社会保険料が計上されているケースも銀行休業日の関係であり得ることです。
逆に3か月以上の社会保険料が未払金計上されている場合には、未納が疑われます。