赤字のため資金繰りが苦しく銀行から融資を受けないと破綻してしまう。
銀行に融資の申し込むをする際に多少なりとも決算を粉飾して黒字決算にした方が通りやすいのかどうかというテーマです。
融資担当の銀行員が説明をします。
目次
赤字決算における銀行への融資申し込みに関する質問
中小企業を経営しています。
設立してから今年で8年目を迎えました。
おかげさまで設立以来黒字を続けてきましたが、今期は売上が低下しており設立以来初めて赤字決算になることは確実な状況です。
赤字のため資金繰りが苦しくなっており銀行から融資を受けないと破綻してしまいます。
赤字決算であっても銀行は融資をしてくれるものでそうか。
少し粉飾をして黒字決算にした方が銀行から融資が受けられる可能性が高くなるのでしょうか。
質問の要旨
融資担当銀行員の回答
銀行から融資を受けるために本当は赤字決算であるが粉飾して黒字決算にした方が良いのかどうか・・・。
答えは次の通りです。
融資担当銀行員の回答
・その際に今後の業績改善の計画を示して融資を申し込む
粉飾がバレたら二度と融資は受けられなくなる
粉飾をして黒字決算にする必要はまったくありません。
粉飾が銀行員に見破られた場合、二度とその銀行からは融資を受けられなくなります。
決算を粉飾をするような先はお客とは銀行は考えません。
決算を粉飾して黒字決算にする必要はない
赤字決算のまま融資を申し込んだ方が良い
赤字決算が何年も続いているのではなく、今回の質問のケースは今まで黒字決算を続けてきたが今期が赤字決算に転落するというものです。
赤字決算が1期程度であれば赤字決算が何年も続いている状況に比べれば銀行の融資のハードルははるかに低いです。
ただし赤字決算であることに違いはありませんから、銀行に融資を申し込む際には次のことを準備してください。
赤字決算のまま銀行に融資の申し込みを行ってもかまわない
来期以降の業績改善の見通し
基本的に銀行が赤字決算の先に融資を行う理屈は今は赤字だが今後は業績が改善する可能性があるので、それまでの資金繰りを支えるというものです。
したがって銀行に融資を申し込む際には赤字決算だから資金繰りが苦しいという説明だけではなく、黒字回復に向けた今後の業績改善の見通しの説明が重要です。
業績改善計画は具体的で実現可能なものを
黒字回復に向けた業績改善に見通しを銀行に説明をする際に気をつけたいことは現実には実現が不可能なバラ色の計画にはしないということです。
実現不可能な計画を見せられても銀行がそれを信用することはありません。
信用するどころはむしろ「真剣に考えていない」などとネガティブな印象を銀行に与えてしまうことになります。
それよりも少し時間はかかっても良いので実現可能な具体性のある業績改善の計画を説明した方がプラスです。
そして今回の融資により当面の資金繰りが確保できることを示すことができれば、赤字決算であっても銀行が融資を行う可能性は高くなります。
業績改善計画は実現不可能なバラ色のものではなく、着実で実現可能性が高い保守的な内容が良い
融資を受けるために粉飾して黒字決算にした方が良いのでしょうか?のまとめ
以上、融資を受けるために赤字決算を粉飾して黒字決算にした方が良いのかどうかについてまとめますと次のようになります。
まとめ
・もし粉飾を銀行に見破られた場合にはその銀行からは二度と融資を受けることはできない
・赤字決算で銀行に融資を申し込む際には今後の業績改善計画を示すことが大切
・業績改善計画はバラ色のものではなく、実現可能性が高い着実で保守的なものの方が良い