信用保証協会保証付融資では銀行は公的な機関である信用保証協会の保証を得て融資を実行するわけですから万が一のときの回収リスクもほとんどない優良な融資です。
それにも関わらず銀行は中小企業向けに信用保証協会保証付融資を行う場合、その代表者をさらに連帯保証人として求めます。
その理由について説明をします。
連帯保証の目的が違う
1つのモデルケースとしてA株式会社に信用保証協会の保証付融資を取り扱う場合、原則としてA株式会社のB代表取締役は連帯保証人になる必要があります。
そしてB代表取締役は信用保証協会と銀行の双方に対して連帯保証人になる必要があります。
信用保証協会宛の連帯保証
信用保証協会保証付融資を利用する場合、A株式会社は信用保証協会と信用保証委託契約を締結することになります。
信用保証委託契約とは簡単に言えばA株式会社が銀行から融資を受けるにあたって信用保証協会が融資の保証をすることを委任する契約です。
そして万が一、信用保証協会が銀行に対してA株式会社に代わって融資の返済を行った場合にはA株式会社は信用保証協会に返済する義務を負います。
このA株式会社が負う義務に対してB代表取締役は信用保証協会に対して連帯保証人になる必要があるのです。
銀行宛の連帯保証
信用保証協会保証付融資で融資そのものを行うのは銀行です。
A株式会社は融資の債務者として銀行に返済する義務があります。
そしてA株式会社が負う融資の返済する義務に対して銀行はB代表取締役に連帯保証人になることを求めるのです。
連帯保証の対象が異なる
このようにB代表取締役は信用保証協会に対してと銀行に対しての連帯保証人になることを求められます。
そしてB代表取締役は信用保証協会に対しては保証をお願いするための連帯保証、銀行に対しては融資の返済に対する連帯保証を負うことになるのです。
連帯保証は信用保証協会の保証条件
信用保証協会保証付融資を取り扱う場合、信用保証協会は保証を行うにあたっての条件を付与します。
その条件の代表的なものはB代表取締役はA株式会社が銀行から融資を受けるにあたってその連帯保証人になるようにというものです。
つまりB代表取締役はA株式会社が銀行から融資を受けるにあたってはその融資の連帯保証人になるように信用保証協会から求められているのです。
このこともあり銀行は融資を実行するにあたって必ずB代表取締役を融資の連帯保証人に徴求します。
まとめ
このようにB代表取締役は銀行から信用保証協会保証付融資を受けるにあたっては信用保証協会と銀行の双方に対して連帯保証人になる必要があります。
将来、万が一A株式会社が返済できなくなり信用保証協会が銀行に融資の返済を行った場合、B代表取締役は銀行に対する連帯保証は消滅します。
しかしB代表取締役は信用保証協会に対しても連帯保証人になっていますから、銀行の連帯保証が消滅したからといって返済する義務を免れることはないのです。