銀行融資の審査項目の中で融資の資金使途は基本中の基本であるとともに、審査のど真ん中の項目です。
資金使途は融資案件審査のトップバッター
この図は銀行での融資審査の流れを示したものです。
最初の1.何をしている会社か 2.業績はどうか に続いて3番目に資金使途の審査が行われます。
3番目の資金使途の審査から今回の融資そのものの審査であり、まさに審査のスタート時点に資金使途の検証が位置付けられています。
資金使途は融資審査の基本中の基本
銀行融資の審査において融資したお金を何に使うのか、つまり資金使途は融資審査の基本であり、融資の妥当性の確認のためにも必ず必要なものです。
資金使途がはっきりしない銀行融資は行われません。
なぜ資金使途が大切かというと、それは融資金の返済可能性に直結するからです。
資金使途を把握することにより、必要額を把握出来るとともに、融資金の返済原資が何かを把握することが出来るからです。
必要範囲内の融資であり、返済する原資がはっきりしている銀行融資は返済可能性が高いのです。
融資の資金使途は事業性に関するもの
また銀行融資の資金は事業活動に有効に利用されるのが原則です。
しかし事業活動とは関係のない分野に銀行融資の資金が使われるのであれば、返済される可能性が小さいものと考えざるを得ません。
なぜなら銀行融資は事業活動に伴う利益などで返済されるものだからです。
事業活動と関係がなければ、融資先の事業力の強化にはつながりません。
このように銀行融資の審査において資金使途の把握は基本中の基本であり、銀行融資の申し込みの際にも資金使途は明確にしておくことがポイントです。
資金使途があいまいな銀行融資の申し込みは入り口時点で断られてしまうことになります。
銀行融資の対象の資金使途
銀行融資の対象となる代表的な資金使途の例としては、運転資金、設備資金、賞与資金、納税資金の4つです。
銀行が融資をしない資金使途
銀行融資の資金使途は幅広い分野に及んでいますが、つぎのような資金使途に対しては銀行融資は行われません。
・過度の投機資金
・公序良俗に反する資金
・環境に悪影響を及ぼす事業に対する資金
まとめ
銀行は資金使途について厳格に考えています。
融資審査時のみならず融資実行後に事後的な融資が資金使途通りに使用されたかどうかも確認をしています。
もし資金使途通りに融資が使用されていないことが判明した場合には、契約違反としてその融資の全額返済を求めるとともに、今後、原則として同じ融資先には融資を行いません。
資金使途を甘く考えてはいけません。